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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

156-参議院通常国会 厚生労働委員会・一般質疑

2003年5月27日(火)


新型肺炎 対策早く


小池晃君

 ちょっと時間がなくなってしまったんで、あと用意していたものを若干お聞きしたいんですが、SARS の対策の問題についてお伺いしたいんですけれども、現時点における SARS の患者の受入れ病院の数についてお答えいただきたいと思います。

政府参考人(高原亮治君)

 入院ということを考えますと、陰圧の指定医療機関ということになるかと思いますが、これが百人。それから、陰圧ということで考えますと、百十九機関で七百三十九床。それから、陰圧ではないが陰圧も含めまして受入れ医療機関が二百八十七ということでございます。

小池晃君

 これは、もし国内で、先日、検疫を強めるべきだという議論しましたけれども、国内で患者が発生した場合、万が一ですけれども、万全にしておく必要があると思うんです。

 国内で患者が発生した場合は、発熱などの症状が出て自分が SARS 感染したんじゃないかと不安になった場合は、これは保健所や掛かり付け医に電話で相談をして、可能性あれば受入れ医療機関の受診を勧めるということになっているんですね。

 ただ、このままでもし万が一発生した場合、どういうことが起こるだろうかと。東京都には受入れ病院十か所しかないわけです。私は、治療については陰圧病室が整った専門病棟で集中的に行われるべきだと思うんですね。問題は初期診療の問題なんです。発熱あるいは咳嗽、こういった患者さんを SARS であるかどうかということを診断する初期診療の問題です。もしもこれ一人発生した場合にどういうことが起こるかというと、恐らく国内で発症すれば、現時点であれば中国行ったことないということであれば、あるいは感染地域行っていないということで、あなたは心配ないですよということで電話で済むだろうと。しかし、国内で発生した場合は電話だけでその感染の可能性なしとなかなか言いにくくなる。そうすると、本当に数少ない病院に患者が殺到して大混乱するということになりかねないんじゃないかと。

 私は、その感染の可能性があるかどうか、そこまで確認するような初期診療であれば、やっぱり一定の機能がある医療機関であれば可能ではないかというふうに思うんです。やっぱり初期診療体制については患者受入れ病院だけではなくて幅広く整備する。同時に、そういう病院に対しては経済的支援も含めてやっていく。そしてもう一つは、SARS 受入れ病院、もしいったん受け入れたとなると、これ大変なことになってくると思うんです。例えば、病棟の閉鎖であるとかあるいは職員の出退勤の制限であるとか、あるいは治療に当たったスタッフの感染防止策、これ物すごく大変な負担を強いられることになるだろうと。一般患者が転院するとか外来患者が激減するということだって起こるだろうと。私、こうした事態に対する経済的支援も当然必要なのではないかというふうに思うんです。

 やはり今の段階からもしそういう事態になった場合に国としてしっかり支援をするということを私は明示する、この責任があるのではないかと思うんですが、今ちょっと幾つか合わせてお伺いしましたけれども、政府参考人の方にその点でどんなことをお考えなのか、お伺いをしたいというふうに思います。

政府参考人(高原亮治君)

 仮に委員御指摘のように国内で SARS の感染拡大が見られる状況となりましても、SARS の主な感染経路が飛沫感染と考えられることから、疫学調査の結果を踏まえて感染リスクの評価を行うということで、保健所を中心とした電話相談での適切な受診の指示は引き続き可能と考えられます。

 それからまた、SARS の疑いのある者の初期診療につきましては、原則として外来における感染防御体制が整った医療機関で行うことが望ましいと考えられるわけでございまして、そういうふうな趣旨の通知を発出したところであります。

 各都道府県におきまして行動計画が策定されておりまして、その中で受け入れる医療機関についても指定されておるわけでございますが、感染症の指定医療機関につきましては、御案内のとおり、マスクや消毒等に必要な諸経費につきまして国庫補助を行っております。また、患者の入院、治療に要する費用は全額公費の負担とする仕組みでございます。

 また、その SARS 患者の入院等による受入れ医療機関に風評被害等が生じないよう、SARS に関する正しい知識の普及啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。

小池晃君

 ちょっと今聞いた範囲の対策では本当に起こったときに大丈夫だろうかという不安を大変覚えるわけであります。

 国民は本当に大きな不安を抱いていると。前回は検疫体制を強化する、水際の対策ということを求めましたけれども、やはり万が一発生したらどうなるのかということを本当に真剣に具体的にシミュレーションも行って、そういったことに堪え得る診療体制を作るということをやはり真剣に取り組むべきだと。そして、診療に当たるスタッフや病院への支援ということも私は厚生労働省の総力を挙げて取り組むべきだというふうに思います。

 その点について是非至急検討を求めて、私の分の質問を終わります。

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