発売から約四カ月の間に副作用で八十一人の死亡者が出た抗がん剤イレッサについて、製薬メーカーのアストラゼネカ社の売り上げが七十二億九千万円にものぼったことが、十二日の参院厚生労働委員会でわかりました。日本共産党の小池晃議員の追及で明らかになったもの。
小池氏の質問に厚労省の小島比登志医薬局長は、イレッサの薬価が一錠(二百五十ミリグラム)で七千二百十六円、七月中旬から十一月末までに一万八千百二十人が使用し、販売総量が約百一万錠と推定されると答えました。
小池氏は、「四カ月で約七十三億円の売り上げだ。中医協(中央社会保険医療協議会)に提出された市場予測規模では、初年度で七千五百人としていた。当初の予想を大きく上回っている」と指摘。「副作用の危険などの情報が国民に知らされないまま大量に使用された。このようなあり方に問題があると思わないか」とただしました。
坂口力厚労相は「副作用についての検討が十分でなかった点があるとすれば、ただちに見直さなければならない」としつつ、「薬がどれだけ売れるかは需要と供給の関係だ」とのべました。
小池氏は、厚労省がこの薬を使用しても生存率に有意な改善が見られないという情報を企業から受けつつ、イレッサの保険適用にストップをかけなかったことを指摘。「責任は重大だ」と批判しました。
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