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首相、鈴木氏の関与認める
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1月10日 | 外務省がピースウィンズ・ジャパンなどNGO団体に、アフガン復興支援NGO国際会議の「招待状」を送る |
16日 | ピースウィンズ・ジャパンが外務省に、会議に参加する旨を返信する |
17日 | 外務省からピースウィンズ・ジャパンに「参加登録した」と通知が届く |
18日 | 鈴木宗男衆院議員が出張中のモスクワで、ピースウィンズ・ジャパンの大西健丞氏のインタビューが掲載された「朝日」を読み「声を荒らげた」(「読売」1月31日付) |
19日午後4時ごろ |
外務省の重家俊範中東アフリカ局長が大西氏に、鈴木議員に説明するよう電話。大西氏は断る |
同午後7時ごろ | 会議への参加登録会場で、外務省の宮原信孝中東第2課長がピースウィンズ・ジャパン側に参加を辞退するよう伝え、登録証を発行せず |
20日 | アフガニスタン復興支援NGO国際会議 |
鈴木氏関与認めるなら、なぜ外相更迭
参院予算委 小池議員の質問
(2002年2月3日(日)「しんぶん赤旗」より)
「アフガン復興支援会議への一部NGO参加拒否をめぐる事態を国会がどう解明するか。国民が注目している」。日本共産党の小池晃議員は一日の参院予算委員会で、外務省がいつNGO(非政府組織)の排除を決めたのか、その背景に何があったのか、小泉内閣に迫りました。
外務省方針
会議直前の急転 ドタバタの裏に何が
小池議員 (一月)十七日には外務省から「わたしたちはあなた方の代表をNGO会合に登録しました」と返事があったそうだ。間違いありませんね。
重家俊範中東アフリカ局長 そのとおりです。
◇
小池氏は、アフガン復興支援NGO会議への一部NGOの参加を排除した経過を追及。会議前日の十九日夕方まで参加を認めていた外務省の方針が、自民党の鈴木宗男衆院議員の関与で覆ったことを明らかにしました。
排除されたNGOのひとつ、ピースウィンズ・ジャパン(PWJ)に、外務省から会議への「招待状」(登録ガイダンス)が届いたのは一月十日。PWJは十六日、参加を外務省に伝え、十七日には外務省から参加登録の返事が届いています。
小池氏は指摘します。「つまり、外務省は当初、排除するつもりは毛頭なかった」。しかし、外務省の方針は十九日夕方になって急転します。外務官僚が会議への参加拒否を伝えたのです。この背景に何があったのか。小池氏はこのドタバタ劇を解明しました。
同月十八日付の朝日新聞がPWJ統括責任者の大西健丞(けんすけ)氏の「お上の言うことはあまり信用しない」というインタビュー記事を掲載。
モスクワ出張中の鈴木議員がこの記事を読んで激怒。鈴木議員が帰国した十九日の午後、外務省が大西氏に、おわびの電話を鈴木議員に入れるように電話。大西氏がこれに従わなかったため、鈴木氏の怒りの矛先が外務省に向くことを恐れた外務官僚が同日夜、会議の間際になってNGOの参加を拒否した――小池氏は「これがいちばん、つじつまのあう話だ」と指摘しました。
不条理だらけ
小泉「改革」――まったくのまやかしだ
小池議員 今回の(NGO排除の)実態は、鈴木(宗男)議員の影響で出席拒否になったという認識か。
小泉首相 簡単に言えば影響を受けすぎたのだろう。
小池 一般論でなく、今回の事態についてそういう認識か。
首相 まあ、そんなもんですね。
◇
アフガン復興支援国際会議への一部NGOの参加排除問題に、自民党の鈴木議員の影響があったことを認めた小泉首相。しかし、その態度はきわめてふまじめで、ことの重大性をわきまえないものでした。
小池氏は、「『そんなもんだ』ですむ話ではない。まさに世界に対して、日本は“お上”や特定の議員の言うことを聞かないNGOは排除してしまえという議論が通じる国だということになる」と、外交上の重大問題であることを厳しく指摘しました。
ところが小泉首相は、「これは外務省内で片付ける問題」「正しい決断をして外務省をまとめればよかった。そうすればこんな混乱は起こらなかったはずだ」と、人ごとのような答弁を繰り返すばかりです。
小池氏は、国会審議が混乱した原因が、自分の言うことを聞かないNGOは排除しろとゴリ押しする自民党族議員と外務省官僚、外相更迭で幕引きをはかろうとする小泉首相本人にあると指摘しました。
そして、次のように質問を結びました。「正しい行動をした大臣が首になった。こんな不条理なことが通用する政治を変えるというのが、あなたのいう『改革』だったのではないか。小泉『改革』なるものが、実はまったくのまやかしだったということがはっきりした」
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