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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

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154-参-通常国会
2002年7月11日厚生労働委員会速記録(2)

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。

 先ほどの櫻井委員の質問に引き継ぐような形になるかと思うんですが、林参考人にお伺いしたいと思うんですけれども、先ほど話題になりました主任教授、亡くなられた平柳明香さんが入院、手術した当時の循環器小児科の主任教授のお名前を教えていただきたいと思います。

○参考人(林直諒君) 今井康晴です。

○小池晃君 この今井教授は、事件当時の、この事故当時の東京女子医大心臓血圧研究所の所長だったということなんですね。

○参考人(林直諒君) そうです。

○小池晃君 私、御遺族が証拠保全で入手をされた血漿分画製剤の申込書というのをちょっと見せていただいたんですね。これを拝見しますと、受持ち医の欄に今井と記載があるんですが、これはその当時の主任教授の今井教授のことなんでしょうか。

○参考人(林直諒君) そうだそうです、私、ちょっと確認はしてなかったんですけれども。

○小池晃君 私、先ほど櫻井委員も指摘したんですが、これ重大だと思うんですね。というのは、主任教授といえば、特に大学病院ではもう神様みたいなものでありまして、すべて相談するわけですよね、普通はね。講師といえども、やはり主任教授に逐一報告しているはずなんです。しかも、これだけ重大な事故が起こった場合に、これは相談しないはずがない。しかも、この今井教授が受持ちということの、恐らく大学ですから一人で持っていたというんじゃなくてグループで診ておられたと思うんですが、恐らくそのチームの中のリーダー的な役割であったろうと推察をされるわけです。

 ところが、今日もお配りになっているこの死亡原因調査委員会の調査報告書には、一言もこの今井教授のことが登場しないわけですね。これは一体なぜなんですか。この問題を考える上で、再発防止というのであれば、今井教授がこの事件にどのような形でかかわったのか、どういうやり取りがあったのか、当然この指摘があってしかるべきだと思うんですが、この点、いかがですか。

○参考人(林直諒君) この内部調査委員会というのは死因究明が主体でしたのでそこまで行かなかったということと、それから当時、今井、今名誉教授ですけれども、三月、この手術した日はちょうど退任教授の最終講義の準備に追われていて、教授室にいて準備をしていたと。それで、ざわざわする感じがあったので執刀医を呼んで聞いたら、特に問題はないと言ったのでまたその準備をしていたと。それで、月曜日に出勤されたときに亡くなったという報告を受けたというふうに、私は直接お聞きした範囲ではそうなっております。

 それで、先ほども申しましたけれども、この心研の主治医の問題は非常に大きな問題でして、まず内科が診ていて、カルテとか検査全部内科医がやっていて、手術だけ、まあ術前の手術説明は当然していると思うんですけれども、手術だけするような感じで、ICU に入っている間だけ診る、またすぐ後は内科が診ると。そういう非常に欠陥のある診療が行われたので、現在はそれは改正しておりますが、そういう事情があって、問題は非常にあったと思います。

 今井名誉教授については、今、懲戒委員会の方でも十分討論されると思いますし、外部調査委員会でも呼んで聴取を更にする予定になっていると思います。

○小池晃君 死亡原因の調査だからというのは言い訳にならないと思うんですね。これは、やはり主任教授に、これだけの人工心肺をめぐるトラブルで亡くなられたということが現場では明白に分かっている。そういうことであれば、これは主任教授に週明けまで相談しないなんということは、私は到底あり得ないと思うんですね。必ずこれは相談しているはずだと。

 この件について、じゃ死亡原因調査委員会は、今井前教授の事情聴取は全く行っていないということなんですか。

○参考人(林直諒君) 事情聴取はしていないそうです。申し訳ございません。

○小池晃君 これでは、私は、大学という組織の診療形態の在り方からいって、一人の患者さん亡くなられたと、チームで診ていたとはいっても、そこに主任教授がかかわっていないということは想像できない。しかし、その主任教授にこの経過について相談があったのかなかったのか、そのことすら聴取をしていない。これでは事件の真相に迫るということには到底ならないんじゃないですか。こういう調査の在り方には問題感じていらっしゃいませんか。

○参考人(林直諒君) 非常に問題を感じております。特に、外部委員を入れなかったということが一つ問題だと思っていますけれども、更に問題なのは、外部委員入れても、もし隠ぺいしている場合は摘発することがかなり難しいので、もっと本格的な外部調査委員会みたいなものが必要かもしれないと思っております。

○小池晃君 ちょっと余りに何か人ごとみたいに私には聞こえるんですね。外部調査委員会が入らなきゃ分からない問題じゃないじゃないですか。だって、所長だったわけですよね。それで、主任教授だったわけですよね。その人の話を聞くのに、何か外部調査委員会でないとできないというのは、私は、これは外部の問題、外部の人の話を聞くのであればそういう話はあるかもしれませんけれども、正にこれは内部中の内部じゃないですか。だって、当時の心研の所長だったわけですから。

 私は、この所長がこの問題に関与していなかったということは全く理解し難いし、これ正に組織ぐるみで隠ぺいしたんじゃないかと。この主任教授のことが一切触れられていない報告書が出されるということから見ると、これは正に心研ぐるみで隠ぺいしたんじゃないかという印象を大変強く受けるんですが、いかがですか。

○参考人(林直諒君) それについては、今、外部調査、外部評価委員会の先生方に検討してもらっておりますけれども、調査したときにはさっき言ったような事情がございまして、直接タッチしていたとは思われなかったということだと思いますけれども、それは、今振り返って見ると、非常に調査のやり方に問題があったと思います。今後はそれも含めて改善していきたいと思います。

○小池晃君 教授が術場に入っていたか入っていなかったかという問題じゃないんですよ。これはもうすべて主任教授がオペに入るということはないですよね。ただ、その後でこれだけの重大な事件が起きたのであれば、主任教授であり所長であった以上、これは相談するということが必ずあったはずだし、その経過が全くこの調査委員会の報告にはない、そのことは外部調査でなければ分からないというのは、これは私は到底納得いきません。

 そういうことでいうと、本当にこれは、今日のお話聞いていまして、私ますます、先ほどの櫻井委員の質疑も含めて、これは組織ぐるみで隠ぺいしていたという印象を極めて強く持ちましたし、過去の清算、再発防止ということであれば、この問題についての解明なしに私は進まないんじゃないかなというふうに思いますので、そのことを申し上げて、質問を終わります。

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