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○小池晃君 日本共産党の小池晃です。 宮路厚生労働副大臣にお伺いをしたいと思います。 副大臣は昨日の参議院の予算委員会で帝京大学の入試をめぐる寄附金の疑惑について質問されましたね。私もその場で聞いておりました。大臣は医科大学あるいは大学の医学部の在り方について御答弁されていましたが、もう一回、あるべき姿についてあのとき答弁されたことをお答えいただきたいと思うんです。 ○副大臣(宮路和明君) あのときは、大臣が御出席できなかったものですから私が代わって予算委員会に出席をいたしたわけでありますが、そのときの小宮山先生の御質問に対しまして私がお答えしましたことは、大学の医学部あるいは医科大学は、我が国の医療を担う医師の基本的に必要とする技術あるいは知識を習得させ、また医師として必要な人格を涵養する、そういう場であって、したがって非常に大切な役割を、重要な役割を担っているところであるので、その学生の選抜あるいは育成に関連して不正があってはならないというふうに考えておりますと、そういう趣旨の答弁をいたしました。 ○小池晃君 大変立派な考えだと思うんです。そのとおりだと思うんです。問題は、果たしてそれが実行されていたのか、副大臣の行動の中でそれがどうだったのかということであります。 そこで、お伺いしたいんですけれども、副大臣は、今年になってから、ある受験生の親から帝京大学の医学部の入試をめぐって依頼を受けたことはありませんか。 ○副大臣(宮路和明君) 私どもは、日ごろ、いろんな陳情と申しましょうか要請を、相談を受けるわけであります。就職相談しかり、あるいは受験相談しかり、結婚相談しかり、もろもろの相談を受けるわけでありますが、そういう中にあって、受験についても私どもの後援会の方からいろんな相談を受けているということは、これは事実でございます。 帝京大学と私との関係につきましては、これはもう二十年ぐらい前から私は帝京大の冲永荘一先生とは、大学の先輩後輩ということを通じて、そういうこともあって、政治の世界を志す以前からよく存じておるわけであります。 そこで、小池先生の御質問、なぜそういうのが私に降ってきたのかなと思って私もけげんに思ったわけでありますが、先般、もう三週間か一月ぐらい前だと思いますが、御党の機関紙でありますところの赤旗の記者の二人が私の事務所にお見えになって、それで、鈴木宗男さん絡みでいろいろと調査をしているんだけれども、宮路事務所が鈴木さんに何かその面でいろいろと計らいをしたことあるんではないかというふうな点から御指摘があったということで、いや、私どもは、鈴木宗男さんのところとは一切そういう問題でかかわりはないんですがということを申し上げたところ、実は、こういうようなメモが、私どもは持っているんですということであった、その記者の方がですね。 何かと思ってうちの記者が、うちの記者じゃない、うちの秘書が見ましたところ、どうも私の秘書が帝京大学からも確かに、大分前だったと思いますが、電話があった。そしてまた、私のこれは地元の後援会の会長であった人のお孫さんでありますが、その親御さんから私の方へ連絡があった。これはもう大分前から、その受験生は三回目の今度帝京大学を受験するということでありまして、前からその辺でかかわりは持っておったわけでありますけれども、うちの事務所にその旨連絡があった。それを、メモを書いて、電話があったことを、私の方へ、本会議場へどうも持っていった、私が。それを私が見たものを、どうも二階のカメラ席から望遠レンズでそれを、鈴木宗男さんの取材の一環として、どうも望遠レンズで撮ったのを赤旗の記者が、その方は手に入れていると。 こういうことのようでありまして、私もびっくりたまげて、そのことを秘書に聞きましたところ、確かに私どものところへその記者が見えて、赤旗の記者が見えて、それでそのことをただしたんで、秘書として、その連絡を取り合ったことはあるということは申し上げたと。これは、先ほど申し上げたように、もう前から随分、三回目でありますから、もう前から私どもの事務所として、そういった御照会といいましょうか、そういったことはこれはやっておったと、率直に言って。 ということだと思うんですが、考えてみると、副大臣になってもっと身を清めなきゃいけないときに、うちの事務所としてそういうことをまた昔と同じようにやったのはちょっとまずかったかなと、こう思うわけでありますが、いずれにしましても、私として、その裏口入学、先ほど櫻井先生がおっしゃったような、そういうことには一切関知をいたしていないところであります。 ○小池晃君 これ、笑いながら話しているような話じゃないですよ。こんなふざけた話ないですよ。ずっと前の話だなんてあなたごまかすけれども、今年の一月末ですよ。あなた、そのとき何でした、もう既に副大臣じゃないですか。厚生労働副大臣ですよ。しかも、あなたは厚生労働副大臣二人いるうちの厚生担当の副大臣でしょう。今、この重大法案を提出しているその責任者のトップの方の一人ですよ。そのあなたが、今年の一月末に、もう今ほとんどお認めになった、冲永総長ともお友達だったということもお認めになったし、ずっとこういうことをやっていたんだということもはっきりお認めになった。そして、これは今年の一月末にやったと、これは今年の一月末に。経過はこういう経過なんですよ。 ある医療法人の理事長の御夫人が宮路事務所に電話を掛けてきたそうですね。そして、この方は、自分の息子さんが二月の四日、五日に帝京大学医学部を受験するということをお話しになっている。で、宮路議員にこう伝えているんですよ。息子の帝京大学入学試験が近づいてまいりましたが、ごあいさつに伺った方がよろしいでしょうか、先生も大変お忙しいことと存じますので、御指示どおりにいたしますと、向こうはそう言っている。そして、あなたは、お友達だった、旧来から、大学時代からのお友達だった帝京大の冲永荘一総長に話をつないだ。そうしたらば、総長側から、受験番号を至急御連絡くださいと要請があったと。そして、宮路事務所は、理事長夫人に照会の上、一月三十一日に受験番号を冲永総長に通知をしたと、こういう経過ですね。これが事実ですね。 ○副大臣(宮路和明君) 私は直接、それは逃げるわけじゃないんですけれども、そのメモもおたくの方で、そういうことで望遠レンズで取得された情報にあるそのメモも、秘書のメモになっているかと思いますが、私が直接電話したんではなくて、恐らく、恐らくじゃなくて、秘書がそういうメモを残しておりますから、それでそういうことがあったということはこれは否めないことだろうと思いますが、そのことによって、それが、これはもう三回目でありますから、そのお子さんも。ですから、その前もやっておったわけでありますが、それは......(発言する者あり)いや、だから、そのことによってそれが裏口入学と云々されることじゃないと私は思っております。 ○小池晃君 これは重大ですよ。三回目だからいいんですか。交通事故を起こしたけれども、これは三回目だからいいんだというのと同じじゃないですか。こんなふざけた話ないですよ。どうやって撮ったかなんて、よくそんなことを。私らは知りませんよ、私たちはメモを入手しただけですから。そんなことまでよく知っているというのも大変驚きですけれども。 じゃ、私が言ったこと、全く答えていないんですが、こういう経過があったと、一月末に。それで、あなたは、事務所がやった事務所がやったとおっしゃるけれども、先ほどおっしゃったように、確かに私どもの日本共産党の赤旗の記者が宮路事務所に行って、その経過を確認しているんですよ。対応された政策秘書、北山さんとおっしゃるんですか、北山さんがこう言っているんですね。帝京大学の話は副大臣にしか分からない話だ、私どもは、事務所は関係ない、私は報告をしているだけだというふうに言っているんですよ。 これは、一月三十一日、一月末に電話があって、二月四日に受験するんだと、このことを冲永荘一総長に電話をされたのは、副大臣、あなたですね。 ○副大臣(宮路和明君) そこは私はよく覚えておりません、正直言って。それはメモも......(発言する者あり)いや、そうですよ、それは。それはメモも、最初、さっきから、最初、三回目ぐらいだと言いましたけれども、以前からそれはもうよく存じ上げておって、それでその橋渡しは......(発言する者あり)いや、それはもう二浪されて、三回目のチャレンジであるということもよく知っていましたから。一回目、二回目は失敗だったし、三回目はどうか私は分かりませんが、そういうことでその連絡はしておったと、こういうことでございます。 ○小池晃君 おかしい。全く答えていないです。 あなたは大変よく覚えていらっしゃるじゃないですか、経過を。一回目は落ちた、二回目も落ちた、三回目に合格したと。非常に詳しいじゃないですか。三回目に、お友達だった、大学時代からのお友達、正にあなたがお電話された、そういうことじゃないですか。思い出してください。すぐに思い出せると思いますが。 ○副大臣(宮路和明君) いや、それはおととしもあった、去年もあったというのは、それは私の後援会の幹部であった人のお嬢さんの、子供さんのことでありますから、それはおととしも去年も失敗だったと。今年はうまくいったということぐらいは、これは大変大切なことでありますのでよくそれは承知をしておりますが、電話を自分がしたかどうか、そこは、その時点でですよ、それは秘書のメモとして残っておるわけでありまして、私のメモじゃないわけでありますから、私はそのとき電話はしていないということであります。秘書が連絡をしたと、そういうメモであります、それは。 ○小池晃君 秘書が言ったなんてことは一言もこのメモには書いていませんよ。読みましょうか。 これは、ちょっとここは名前を伏せますけれども、○○医院○○院長夫人よりということが書いてあるんです。どういうことが書いてあるかというと、息子の帝京大入学試験が近づいてまいりましたが、ごあいさつに伺った方がよろしいでしょうか、先生も大変お忙しいことと存じますので、御指示どおりにいたしますと。これは電話を受けた北山政策秘書が書いたそうです。御本人に確認をいたしました。大変達筆ですね、この人。その横に了というサインがあるわけです。これは宮路副大臣のサインだというふうに聞いております。ですから、このことをあなたは了解をしたわけであります。そして対応を指示したと思うんですね。その結果がその下にあるんです。一月三十一日、木曜日、午後十二時三十分、帝京大学冲永総長より、○○君の受験番号を至急御連絡ください、○○様にナンバー照会の上、回答済み、北山と書いてある。で、そこにまたあなたの了というサインが出ているわけであります。 全部あなたが指示をして、それで秘書は報告しているだけなんですよ。電話の受け答えをやっているだけなんです。冲永総長に電話をされたのは正にあなたなんですよ。その結果が秘書のところに返ってきて、そしてちゃんと受験番号を相手方に教えましたと、もう明々白々たる経過がここに出ている。このメモをもうお認めになりましたけれども、これは正にあなたが直接手を下したということははっきりしているんじゃないですか。 ○副大臣(宮路和明君) 繰り返しになりますが、そのメモは、これは秘書が書いたメモであるわけでありまして......(発言する者あり)だから、それを見たということを了と書いて、見たという、了と書いてあるわけでありまして、そこはだから秘書が連絡を取り合ってそういう具合にしたということだろうと思います。 ○小池晃君 もう基本的に全部お認めになっているんですね。しかも、それだけじゃないんです。 もう一つ確認したいんですが、あなたはこの医療法人から政治献金を受けていらっしゃいますね。あなたの資金管理団体である宮路和明後援会明翔会、それからあなたが支部長の自民党鹿児島県第三選挙区支部、この資金管理団体と自民党支部にこの医療法人から一九九六年から二〇〇〇年で百数十万円が献金されている。これは間違いありませんね。 ○副大臣(宮路和明君) 具体的な数は覚えておりませんけれども、私の言ってみれば後援会の幹部であった方の娘さんに当たるわけでありまして、それで当時、当時というか、私の政治活動を始めるに当たって大分以前から物心両面にわたるいろんなお支えをいただいたことは事実であります。 ○小池晃君 そうしたら、もう構図ははっきりしているじゃないですか。もう毎年毎年お金をもらっていると。そして、三年前から入試の依頼を受けて、毎年ちゃんと口を利いていたんでしょう。(発言する者あり) ○委員長(阿部正俊君) 静粛にお願いします。 ○小池晃君 三年目は見事に合格したんだということでしょう。そこには全部あなたが関与したんだということですよ。 もう一度お聞きしますけれども、事務所の方は、この問題は全部すべてこれは副大臣に任せてあると。この問題は副大臣しか知らないんだ、北山さんはそうおっしゃっていますよ。帝京大学の話はこれは多分そうでしょう。もう大学時代からのお友達だったとすれば、きっとあなたがもう直で電話される関係なんでしょう。ですから、この話は副大臣にしか分からない。 この話は北山さんは中身は分からないとおっしゃっているんですよ。この話は副大臣と冲永総長との関係なんだと。事務所は関係ない、私は報告しただけと言っているんです。これ、どう考えたってあなたの冲永総長との関係からいっても、あなたが直接電話をして、そして口を利いたということ以外あり得ないと思いますけれども、どうですか、思い出してください。思い出してください。 ○副大臣(宮路和明君) 冲永先生は、実は私の後援会にも来ていただいて、講師としてですね、私の後援会の皆さんの前でいろいろと講演もしていただいたこともありますし、うちの事務所の者もですから顔は当然つながっておりますし、確かに、元はというと私と冲永先生との関係が根っこにあって、そこから私の事務所もかかわりを持っていると、こういうことであるわけですから、したがって、元が私にあることはこれは当然であるわけでありますけれども、そのときの連絡は、さっき申し上げているように、秘書が向こうの事務所の方と連絡を取り合っていると、そういうことでございます。 ○小池晃君 言い逃れは許されませんよ。これね、正に不正入試、帝京大学の。この不正入試にあなたは関与したんですよ。口利きしたということじゃないですか。これは言い逃れ、許されないですよ。はっきり答えていただきたい。 ○副大臣(宮路和明君) 不正入試というのを、どういうことを不正入試というかよく分かりませんが、それは、不正入試というのは。不正入試というのはどういうのを不正入試というか分かりませんが、裏口入試、不正入試、そういうものは私はあったとは思っておりません。 ○小池晃君 委員長ね、これは正に不正入試じゃないですか。受験番号を試験の前に教えたんですよ、あなた。これが何で不正じゃないんですか。何のために教えたんですか。不正入試、これは不正入試以外の何物でもないですよ。 だって、受験日は、入試日は二月四日、五日なんですよ。そして、二月四日、五日が入試日だったんです。帝京大学の冲永総長から返事があった日というのは一月三十一日なんですよ。入試の前に受験番号を宮路事務所から帝京大学に言ったわけですから、これは一体何を意味するか。この受験生に特別な取り計らいをしていただきたいということ以外の何物でもないじゃないですか。これが不正入試じゃなかったら、一体不正入試というのは何なんですか。 ○副大臣(宮路和明君) 私どもは、先ほどから申し上げたように、通常も就職試験やあるいは入学試験についても、そういったことを国会議員にはいろんな方がいろいろ言ってまいりますよ。ですから、そういうことを、事前に受験番号もじゃ教えてください、じゃ連絡しましょうというようなことでやっていることは、しょっちゅうというわけでもないわけでありますが、これは往々にしてあるところでありまして、往々にして、就職試験についても......(発言する者あり) ○委員長(阿部正俊君) 静粛に。 ○副大臣(宮路和明君) それは、ですから別段そのことをとやかく言うようなことはないと思います。 ○小池晃君 こんな、そんなことは普通のことだと、しょっちゅうやっているんだというようなことで、私、これ以上審議できません。ちょっと速記止めていただきたい。 ○委員長(阿部正俊君) じゃ、速記をちょっと止めてください。 〔午後三時四十三分速記中止〕 〔午後三時五十九分速記開始〕 ○委員長(阿部正俊君) じゃ、速記を起こしてください。 それでは、宮路副大臣の発言、答弁につきまして野党の方々から意見が出ておりますので、一連の答弁につきまして再確認というような意味で、宮路副大臣の今後の対応といいましょうか、今までの確認及び今後のこれからのことについてお考えを確認させていただきまして対応を決めたいというふうに思いますので、宮路副大臣からの御答弁を求めたいと思います。お願いします。宮路副大臣。 ○副大臣(宮路和明君) この件につきまして、先ほど申し上げたように、こういう副大臣という立場にある中にあって、過去のそうしたことの延長線上といいますか、そういう気持ちでうちの事務所として対応したということについては私として深く反省をしなきゃならないことであると、身を引き締め、気を引き締めてこれからしっかりやっていかなきゃならないと、このように深く反省しつつ、思っておる次第であります。 ○委員長(阿部正俊君) それじゃ、この際、暫時休憩いたします。 午後四時一分休憩 ─────・───── 午後四時三十分開会 ○委員長(阿部正俊君) ただいまから厚生労働委員会を再開いたします。 本日はこの程度として、これにて散会いたします。 午後四時三十分散会