○小池晃君 外務省予算の執行をめぐる問題についてお聞きします。 参議院の審議が始まってからも次々に疑惑が出ておりますが、総理にまずお伺いしたいんですけれども、福田官房長官も会見でこうおっしゃっています。鈴木議員の方から疑念を解くような説明も出ていない。私、まあそのとおりだと思うんですね。 総理も、あなたも疑惑は解明されたというふうに思っていらっしゃいますかどうか、お答えください。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まだ解明すべき点、外務省としてもあると思います。 ○小池晃君 疑惑はこれは深まるばかりだと思います。だとすれば徹底的な解明が必要だと。 しかし、鈴木宗男氏は十五日の離党会見でこう言っているんです。私自身、悪いことをやってきたと思っていないと、そう言っているんですね。こんな発言許したまま離党させるということは、私は、その弁明を認めることになってしまうんじゃないか。 総理は、自民党の離党ということでけじめを付けたと、国民が納得すると、そのように思われますか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 自民党離党は鈴木議員本人が判断したことであり、それを尊重したいと思っております。 ○小池晃君 私の質問は、自民党の離党ということで国民は納得するか、けじめが付いたというふうに思うと、国民はそういうふうに受け止めるかと、そういうことを総理にお聞きしているんです。お答えください。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは、納得できるかできないかという問題はそれぞれでしょうが、政府としては、この鈴木議員の一連の問題について、これを今後の外務省改革に、あるいはまた政と官の在り方に、そして政治改革に生かしていきたいと思います。 ○小池晃君 総理もとても納得できるというふうにはおっしゃいません。とても納得、私、国民しないと思いますよ。 離党の理由はこう言っているんです。このままでは、党に大変な迷惑を掛けると思い、離党を決断したんだと。国民に対する迷惑じゃないんです。党に迷惑を掛ける。要するに、このままだったらば自民党が評判悪くなって選挙で負けちゃうと。だから離党するんだということじゃないですか。 私、税金を私物化したこと、外交方針ねじ曲げたこと、国益損なったこと、一かけらも反省がない、こんな幕引きは許されないと思う。 先ほど議論ありました。一部では、次期衆院選挙で鈴木氏の立候補が予想されている北海道十三区で自民党の公認候補を立てない方向で調整していると報道されています。もし、離党に当たってこんな取引があったとしたら、私はとんでもないと思うんです。 先ほど総理は、げすの勘ぐりだと、そうおっしゃいましたけれども、報道もされております。国民は疑念を持っているんです。私、自民党の総裁として、このようなことは絶対しない、ないというふうに明確にされるべきではないかと思うんですが、いかがでしょう。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 最近の報道はもうあることないこと勝手に報道しますからね、どこから聞いて、どこか分かりませんが。そんなことはあり得ません。 ○小池晃君 鈴木さん、もちろん私は大変ないろんな問題が起こってきたと。しかし、悪いのは鈴木宗男さんだけなんだろうか。 先ほど議論ありました。外務省は、被害者のような顔をしているけれども、むしろ言ってみれば被害者は国民であって、外務省というのは、ムネオハウスの問題にしても何にしても、言ってみれば共犯者なんじゃないか、鈴木さん一人でできるわけないんですから。 それだけではなくて、やはりムネオマネーに群がった与党の政治家、これもまた責任問われなければいけないと私は思うんです。鈴木宗男氏がいわゆるムネムネ会などの与党の政治家に政治資金、ムネオマネーですね、これを配付していたと。一体どれだけの政治家にこれ配られていたか、総理は御存じでしょうか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) この前予算委員会でいろいろ言われましたけれども、そのほかについては知りません。 ○小池晃君 これ、前職も含む国会議員、自民党で五十七名、公明党一名、計五十八名です。総額およそ二億五千万円が、これは政治資金収支報告でも明確になっております。配られているわけですね。今では与党の方々も、何か宗男さんが悪いんだと、自分たち関係ないというようなことを、そんなふうに振る舞っている方いらっしゃいますけれども、これだけの与党政治家がムネオマネーを受け取っていたわけであります。 総理、あなたはこの問題を会見で問われて、小まめに面倒を見ていたんだね、そんなことを言っている。こんなのんきな話じゃ私ないと思うんですよ。私は、あなたは自民党の総裁として、こういうふうに自民党に五十七名、公明党も含めて五十八人、政治家がお金を受け取っていたとしたら、はっきりこうした実態、ただすべきじゃないでしょうか。いかがですか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは政治家個人の考えがありますから、資金の余裕のある人は資金提供したいと、受け取りたいという人もいるんでしょう。この問題とはまた別じゃないですか。 ○小池晃君 私、一般的な、一般的な政治家の話しているんじゃないですよ。これだけ疑惑がはっきりしたんですよ。そして、その原資というのは、正に税金が還流したんじゃないかという疑惑があるわけじゃないですか。だとすれば、そういうお金を受け取って平然としていられるはずはないじゃないですか。この実態について徹底的に調査をすると、一人一人問いただして全部丸ごと返させると、このくらい、あなた、やるの当然じゃないですか。どうですか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは政治家本人の判断です。 返したい人がいれば返すべきだし、何らやましいところがなければ返す必要はない。それは本人の判断です。 ○小池晃君 やましいお金じゃないですか。総理、あなたはすべて本人の判断だと。鈴木宗男さんの離党も本人の判断だと。それぞれの自民党の議員も、政治資金、ムネオマネーを受け取ったのもその本人の判断だと。あなたは、総理、自民党総裁としてこの問題のけじめを付けるという責任を私、果たしていないというふうに思いますよ。 さらに、自民党に流れたお金というのはムネムネ会ルートだけじゃないんです。もう一つルートあるんですね。これは自民党に直接流れ込むルートであります。 例えば、北方四島・ロシア支援を受注した商社八社から、国民政治協会に十年間で二十一億一千九百三万円ものお金が流れている。要するに、ムネムネ会からもらうだけじゃなくて、自民党そのものにも宗男さんの口利きに関連したお金、入っているわけです。私、これ自民党全体、自民党丸ごと汚染されていると言っても過言ではないというふうに思います。 総理、あなたは、ちょうど一年前ですよ、総裁選に立候補されて、自民党を変えるんだと絶叫されたじゃないですか。そして、総理大臣になったわけであります。あなたが変えるというふうに言ったのは、正に自民党政治のこういう部分だったんじゃないですか。それなのに、あなたが総理に就任して一年がたとうというのに、同じような事件が毎年毎年起こってくる。何も変わっていないじゃないですか。一体どうなっているんですか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 変わってきているじゃないですか。こういう政治改革に取り組むという、一歩一歩自由民主党は変わってきていますよ。 ○小池晃君 何を言っているんですか、今の答弁は全く、私、納得、どこが一体変わったというのか、説明する責任があると思いますよ、変わったというのであれば。一体、あなたが総理大臣になって、自民党のどこが変わったんですか。KSDの事件と全く同じようなことが毎年予算審議になると起こっているじゃないですか。この問題に対してメスを入れる、それがあなたが総理大臣になるときの公約であったし、国民は正にそこに期待したんじゃないですか。だとすれば、あなた、説明する責任があるんじゃないですか。どうですか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、自由民主党も、この問題を契機に一歩でも二歩でも前進し得るような法的対応、検討しているんですよ。 ○小池晃君 だから、一歩でも二歩でも前進する何を検討しているんですか。国家戦略本部の提言ですか。あれは大したことがないというふうに参議院の自民党の国対委員長はテレビでお話しされていました。 私、あんなことでは問題解決しないと思いますよ。政と官との見直しだというんでしょう。これ、政と官、どうしてこんなゆがんだ関係が起こっているのか。これは政と官をつなぐ企業、団体があるわけでしょう。企業、団体があり、業ですよ、業が政に対しては票と金を流す、そして業が官に対しては天下りポストを提供する、これが接着剤となって政と官とのゆがんだ関係があるわけじゃないですか。だとすれば、この問題を契機に一歩でも二歩でも前進させるというのであれば、私は正に企業・団体献金の禁止とそれから天下りの禁止ということに足を踏み出す、これがなければ、お題目で変わったとか進んだとか言われても国民は絶対納得しないというふうに思いますが、いかがですか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 今、党としても、政と官の在り方、また、この公共事業に関する入札の問題、そして、政と官の在り方の中で役人に選挙運動を頼むということはいかがなものか、こういう問題についても真剣に変えようとして努力しているんです。一歩一歩この国会でいい方向に向けていきたいと思っております。 ○小池晃君 もう質問しませんが、政と官の問題というふうに言うだけで、業の問題には一言も触れようとしないんです。これは、政と官の接触を幾ら禁止したって、業との天下り、企業献金、ここにメスを入れなければ、隠れて接触するだけなんですよ。何の解決にも私はならないと思う。 あなたは自民党政治を変えると言ってきたけれども、正に今回の幕引きの仕方というのは、私はトカゲのしっぽ切りだと。真相はやみの中であります。そして、旧来型の自民党のいつもながらの疑惑隠しのやり方をあなたはやろうとしていると。 自民党政治そのものの腐敗体質、それから、その自民党と結託して行政をゆがめた外務省...... ○委員長(真鍋賢二君) 時間です。 ○小池晃君 そして、政官業癒着の構造をそのままにしておくこの小泉総理の政治姿勢が根本から問われているということを申し上げて、私の質問を終わります。