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「研修医も労働者」 労基法違反あれば指導
厚労省の日比徹労働基準局長は二十八日の参院厚生労働委員会で、研修医が「労働者」にあたることを認め、労基法上の問題があれば指導すると述べました。日本共産党の小池晃議員の質問にこたえたもの。
小池議員がとりあげたのは、九八年夏に過労死した関西医大病院の研修医・森大仁さん(当時二十六歳)の事件です。
森さんは労働時間はほぼ毎日十五時間以上。宿直の翌日も深夜まで四十時間以上働き、一週間の労働時間は最高百十四時間にもおよびました。一方、給与はわずか一カ月六万円。北大阪労働基準監督署は今年四月に、大学と前学長らを労働基準法及び最低賃金法違反の疑いで書類送検しましたが、大学は「研修医は労働者でない」と主張しています。
小池議員は全日本医学生自治会連合のアンケート調査を紹介し、「研修医の低賃金・長時間労働は関西医大にとどまらない」と指摘。「放置すれば新たな過労死も生まれかねないし、患者にとっても日本の医療の将来にとっても重大な問題。ただちに点検し改善指導せよ」とせまりました。
日比局長は他の研修医も労基法上の問題があれば同様に指導すると認め、坂口厚労相は「研修医が生活できる態勢にしなければならない」「大学病院のあり方について見直す必要がある」など、研修医のきびしい状況を認め労働条件改善をはかる考えを示しました。
大阪から傍聴にかけつけた大仁さんの父・大量さんは、「希望に燃えて医者になった息子が劣悪な労働条件の犠牲になった。何としても改善してほしい」と話しました。
>>>【議事録】
2001年6月29日(金)「しんぶん赤旗」より
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