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薬害ヤコブ病 感染源の脳硬膜危険承知で売り続けた
厚生省も知っていた
死体から取った脳硬膜の移植で感染する難病のクロイツフェルト・ヤコブ病の危険性を知りつつ、社長の退職金をねん出するため企業が脳硬膜の販売を続け、旧厚生省もこれを知っていた事実が二十六日、明らかになりました。日本共産党の小池晃参院議員が参院厚生労働委員会で追及したものです。
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6月8日、被害者・弁護団との懇談会であいさつ。6月26日に発足した超党派の「薬害ヤコブ病問題を考える議員の会」の世話人になりました
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日本ビー・エス・エス社 社長退職金つくるため
小池議員が追及 参院委
小池議員が示した資料によると、国とともに訴えられている加害企業の日本ビー・エス・エス社は、脳硬膜からヤコブ病に感染した症例を掲載した米国の「疾病週報」(MMWR)の情報を八七年にドイツの製造企業B・ブラウン社からファクスで知らされていました。
しかし、同社は「売った利益分が父(前社長)の退職金的なものとしてすべてもらえることになっていたので、売れるだけ売った」と厚生省に報告しています。
資料は、九六年十一月に厚生省(当時)が脳硬膜の販売会社社長らにたいする聞き取りをおこなったときの記録文書。薬害ヤコブ病訴訟原告弁護団が情報公開法で入手しました。
小池議員は国民の健康や命より利益優先の企業を擁護する情報隠しの責任を厳しく問いました。
厚生労働省医薬局長は、資料の内容を確認。「重大な情報を厚生省はなぜ隠していたのか」との追及に、坂口大臣は「情報公開で(資料を)出したのだから問題ない」などと答弁。国の責任については、現在提訴されている「裁判で判断したい」と答えました。
小池議員は薬害ヤコブ病問題での集中審議と日本ビー・エス・エス社社長の参考人招致を求め、委員長は理事会で検討を約束しました。
クロイツフェルト・ヤコブ病:発病すると痴呆がすすみ、運動能力から思考能力まで失います。1〜2年で死亡するといわれています。脳外科手術の際にヒト死体の脳硬膜の移植をうけて、感染させれれたのが薬害ヤコブ病。
>>>【議事録】
(2001年6月27日(水)「しんぶん赤旗」より)
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