京都議定書発効にあたって
小池政策委員長が談話
日本共産党の小池晃政策委員長は十五日、京都議定書の発効にあたって次の談話を発表しました。
一、COP3(気候変動枠組み条約第三回締約国会議)で採択された地球温暖化防止議定書は十六日、アメリカの京都議定書離脱などの困難を乗り越えて発効することとなった。これは、温暖化の防止を願う国内外の世論の成果である。
温暖化による異常気象や洪水などが世界的に頻発しているなか、先進締約国の約束目標の達成は、当面する絶対的な課題となっている。いまこそ、アメリカは京都議定書に復帰し、国際的に協調した努力をするときであり、そのための日本政府のねばり強い働きかけを求める。
一、COP3の議長国であった日本は、国際公約である一九九〇年比6%削減の目標達成が厳しく求められている。そのためには、二〇〇三年までの増加分8%と合わせて、14%の削減が必要となっており、温暖化ガス排出量の八割を占める産業・公共分野の思い切った削減対策こそ重要である。ところが、いま政府が策定を進めている「京都議定書目標達成計画」では、エネルギー起源のCO2削減目標について、排出増加を容認する目標修正が検討されている。これは、削減対策の中核部分が、日本経団連の「自主行動計画」まかせ、「京都メカニズム」(海外から温室効果ガスの排出枠をえて、自国の目標達成に使える仕組み)頼みになっているからである。電力、鉄鋼業界などが国内で排出を増加させながら、海外でのコスト安の「京都メカニズム」を活用しようとする姿勢は本末転倒といわざるをえない。
少なくとも削減の総量を定めたうえで、事業所ごとの排出量算定、削減計画の報告、目標達成状況の公表制度や、事業所や業種ごとの計画と国および地方自治体との協定化、環境税などの経済的な手法の活用など、実効ある仕組みの導入が必要である。
一、京都議定書の削減目標の達成は、急速に進んでいる温暖化を防止するための重要ではあるが第一歩にすぎない。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の第三次報告に指摘されている深刻な温暖化を防止するためには、中・長期気候目標を展望しながら、条約と議定書の枠組みにもとづいて、二〇一二年以降の削減目標と対策を早急につくりあげることが求められている。そのためにも地球に住む私たち一人ひとりが、温暖化から地球の環境を守る努力を家庭から、地域から積み上げていく取り組みをあらためて訴えるものである。
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