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消費税増税 許されない
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日本共産党の志位和夫委員長は二十日の国会議員団総会のあいさつで、「今日を新たな出発点として、消費税増税の企てを許さないたたかいを全国津々浦々で取り組もう」と呼びかけました。
福田首相の「決断の時」という発言は極めて重大です。
これまでの首相は消費税について、「任期中には消費税を上げない」(小泉純一郎首相)、「(消費税を)上げないとは言っていない」(安倍晋三首相)などと発言していました。
これに対して福田首相は、税率引き上げをはっきり「決断する」と踏みこんだのです。
ガソリンや食料品といった生活必需品価格の上昇など、物価の急騰に、庶民の家計から悲鳴が上がっています。燃油の高騰に、漁民も「いさり火を守れ」と怒りの声を上げています。
国民的な生活危機が進行している中で、最悪の庶民増税である消費税増税を口にするなど、到底許せません。
高齢者に過酷な痛みを押し付ける後期高齢者医療制度には、全国各地で大きな怒りが広がっています。
社会保障関係費の伸びを毎年二千二百億円ずつ抑制するという「社会保障費抑制路線」にも国民の批判が強まっています。
こうした中で、政府の社会保障国民会議は中間報告(十九日発表)で、社会保障制度の財源確保にむけた国民負担増を示唆しました。
政府は、「社会保障費抑制路線」への国民の怒りを逆手にとって、消費税増税の道筋をつけようとたくらんでいます。
しかし、消費税ほど社会保障の財源にふさわしくない税金はありません。
消費税は収入ゼロの人も含め、すべての国民に負担を強いる最も逆進性の強い税金です。
暮らしも経営も破壊する消費税の増税で、暮らしを支える社会保障制度などつくれるはずがありません。
消費税は「みんなで負担する税金」ではありません。大企業は税金を価格に上乗せして負担を逃れることができるからです。
しかも、社会保障を消費税でまかなうということは、現行では大企業も半分負担している社会保険料負担をなくすということになります。つまり、税でも社会保険料でも大企業の負担を二重に軽減するということになります。
「決断する時」という福田首相の発言の背後には、みずからの負担をいっそう軽減したいという大企業・財界の強い思惑があるのです。
消費税導入以降、二〇〇七年度までに国民が負担した消費税額は累計で、百八十八兆円。一方、同期間に企業の法人税収は累計で百五十九兆円減りました。さらに同期間の軍事費の増大分は二十兆円に達します。
消費税は社会保障のために使われるどころか、大企業減税と軍事費の増大分の穴埋めに使われてきたことになるのです。
一九九七年の消費税率5%への引き上げは、日本経済に深刻な打撃を与えました。
今、サラリーマンの給与は九年連続で減少し、物価も軒並み高騰しています。景気・暮らしがこれほど深刻な時に、消費税を増税すれば、九七年を超える深刻な打撃を暮らしと経済に与えることになるでしょう。
際限なく高速道路を造り続ける道路中期計画の撤回など、大型公共事業のムダ遣いを改めるとともに、大企業・大資産家減税と軍事費という二つの聖域に真剣にメスを入れれば、消費税増税なしに、社会保障を充実させる道が開けます。
今こそ、立場を超えて消費税増税反対の声を上げるときです。
六月のNHKの世論調査では、社会保障費の財源確保のために消費税率を上げることについて、「反対」の人が51%の一方、「賛成」の人はわずか22%。世論の圧倒的多数は、消費税増税反対です。
消費税増税に反対する署名は、今年に入ってからだけでも百二十五万人分を数えています。
福田首相はインタビューで「国民世論の動きを注視する」とものべました。ならば首相に、国民は消費税増税にきっぱり反対であるという声をつきつけようではありませんか。
秋の臨時国会に向け、後期高齢者医療制度を廃止に追い込む運動も正念場を迎えます。
後期高齢者医療制度廃止の取り組みとともに、今日この時から、消費税増税反対の宣伝・署名に取り組み、消費税増税を許さないたたかいを国民のみなさんといっしょに広げましょう。
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