厚労省
審議中に「成立」の文書
雇用保険改悪 参院委、採決見送り
小池氏の指摘で
参院厚生労働委員会で審議中の雇用保険法改悪案について厚労省が「可決、成立」と記述した文書を同委員会委員に配布したため紛糾し、二十九日に予定されていた改悪案の採決が見送られることになりました。
柳沢伯夫厚労相は同日の委員会冒頭、「大失態を演じてしまった。国権の最高機関たる立法府の威厳を著しく傷つけることになり、行政機関のトップとして心からおわびしたい」と謝罪し、関係者の処分を行う考えを明らかにしました。
問題の文書は、厚労省職業安定局などが、国庫負担の大幅削減を行う改悪案の概要説明として作成したもの。「参院において、本会議、厚生労働委員会合わせて3回の審議を経て本日可決、成立したところである」とまるで改悪案が成立したように記述されていました。文書は二十八日に議員会館の各委員の事務室に配布されていました。
日本共産党の小池晃議員が二十九日の委員会理事会でこの文書の存在を指摘し、「法案が審議中にもかかわらず、『可決・成立』としているのは立法府に対する行政府の侵害だ。このままでは審議することはできない」と厳しく抗議。事実確認に追われた厚労省側も「前代未聞のこと」と自らの非を認める事態となり、採決を急いでいた与党も同日の採決を見送ることになったものです。
改悪案の施行日は四月一日ですが、このままの施行は困難となっています。
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