厚労省はこれまで「障害者のホームヘルプサービスの時間数には上限を設けない」と言明してきたにもかかわらず、来年度からはじまる支援費支給制度において、国が地方自治体に交付する補助金の算定基準に時間数の制限を盛り込もうとしている。
「支給量は市町村が決定する。上限はない」と説明されているが、一定時間以上は国の補助がないとすると事実上の上限となりかねない。
障害者の自立と社会参加に逆行するこうした利用制限計画は撤回し、地方自治体が必要なサービスを保障できる財政措置をとること。
「市町村障害者生活支援事業」及び「障害児(者)地域療育等支援事業」は、これまで障害者プランに目標(二〇〇二年度に人口三〇万人あたり概ね二カ所。全国六九〇カ所)が盛り込まれ、障害者の地域生活支援に不可欠の事業として厚生労働省も推進に努めてきたが、その実績は〇一年度にそれぞれ二一五カ所(達成率三一%)、三九〇カ所(同五七%)にとどまっている。来年度からの支援費制度への移行にあたり両事業はますます重要であり、一層の充実が求められている。
ところが、昨年末、厚生労働省は、この両事業について突如として〇三年度から一般財源化をはかることを決め、また、来年度からはじまる新障害者プランの目標からも外した。障害者の地域生活支援に逆行する暴挙に対し、障害者団体や地方自治体など関係者から強い非難の声が起こっているのは当然である。一般財源化を撤回し、厚労省の予算でこれまで通りの財源負担を行うこと。両事業について厚労省として数値目標を明らかにし計画的に整備をすすめること。
厚生労働大臣 坂口 力殿