・「障害者欠格条項」とは、「目が見えない」「耳が聞こえない」など、障害を理由に一律に資格等を与えないとする法律の規定。障害者の「自立と社会参加」を妨げるものとして、早急な見直しが求められています。 ・ 医師や薬剤師、看護婦など厚生労働省所管の31制度について、障害者欠格条項を見直し、本人の業務遂行能力を基準に資格を与えることとする「医師法等法改正案」が4月5日、参院厚生労働委員会、6日の本会議で全会一致で修正可決されました。厚生労働委員会では「不服申し立ての適切な措置」など9項目の付帯決議が全会一致で行われました。(以下全文) 「障害者等に係る欠格事由の適正化等を図るための医師法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」 平成13年4月5日 参議院厚生労働委員会 政府は、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。 一、 障害者の社会参加と平等、人権の尊重という今次制度改正の根本理念の具現化に向け、政府は終期の迫った「障害者対策に関する新長期計画」及び「障害者プラン〜ノーマライゼーション七か年戦略」を完全達成するとともに、引き続き次期計画及び整備目標を策定し遅滞なき総合的な障害者施策の推進に最大限の努力を講ずること。 二、 我が国の本格的なIT社会への展開に際し、新たな技術革新が障害者の資格取得や就業における格差を生起することのないよう、デジタル・ディバイドの解消とユニバーサルデザインの普及・普遍化に努めること。 三、 各種資格試験等においては、これが障害者にとって欠格条項に代わる事実上の資格制限や障壁とならないよう、点字受験や口述による試験の実施等、受験する障 害者の障害に応じた格別の配慮を講ずること。 四、 大学・専門学校等の教育・養成機関が、受験と教育の両面において必ずしも障害者に開かれてはいない現状にかんがみ、これら教育・養成機関での障害者に配慮 した受験制度及び就学環境の改善を進め、障害者の資格取得支援のための条件整備について所要の措置を講ずること。 五、 本法改正を実効あるものとする観点から、障害及び障害者の機能を補完する機器の開発、職場介助者等の職場における補助的手段の導入に対する事業主への助成など、関係行政機関が一体となって総合的な障害者の就業環境の整備に努めること。 六、 現在の厳しい雇用環境にかんがみ、障害者に対する差別・偏見を除去するための啓蒙・啓発を更に進め障害者雇用の促進を図るとともに、障害を理由とする解雇を 無くすよう厳しく指導すること。さらに、とりわけ立ち遅れている精神障害者雇用の進展のため、障害者雇用促進法における雇用率の制度の在り方も含め、雇用支援策の充実について早急に検討を進めること。 七、 本法改正に伴う省令等の策定に当たっては、医療関係者はもとより障害者関係団体など幅広い分野からの意見聴取等を図り、相対的欠格事由の的確な運用に齟 齬の生じないよう努めること。 八、 免許を与えないこととするときの不服申立てについては、専門家の意見を聴くことを含め、適切な措置を講ずること。 九、 障害者の自立を促進するため、所得保障及び雇用確保の在り方について速やかに検討を進めること。 右決議する。