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不払い残業代226億円支払い
04年度

「しんぶん赤旗」2005年10月2日(日)より転載

 サービス残業(ただ働き残業)をさせていた企業にたいし、労働基準監督署が是正指導して支払われた残業代が、二〇〇四年度の一年間で千四百三十七企業、二百二十六億一千三百十四万円にのぼることが厚生労働省の調べでわかりました。

■1437社17万人に

 〇四年四月から〇五年三月までの間に是正されたもののうち、支払い額が一企業当たり百万円以上になった事例をまとめたものです。対象労働者は約十七万人。支払い額は労働者平均で十三万円です。

 厚労省が“サービス残業根絶通達”を出した〇一年四月以降では、三千六百三十七企業で是正され、約五十万人に合計六百十八億六千四百九十七万円の未払い残業代が支払われました。

 このなかには、日本経団連の会長、副会長を出しているトヨタ自動車をはじめ、役員企業である東京電力、三菱電機、石川島播磨重工業など、日本を代表する大企業が多数含まれています。

 日本経団連(奥田碩会長)は、サービス残業についての労基署の是正指導にあからさまに不満を表明。「企業ごとになんら問題なく対応がなされてきた事項についてまで、突如…指導監督を強化」(〇五年度版「経営労働政策委員会報告」)とかみついています。

 今年六月に日本経団連が発表した「ホワイトカラーエグゼンプションにかんする提言」では、年収四百万円以上の事務・技術系労働者を「労働時間、休憩、休日および深夜業にかかわる規制の適用除外とする」よう要求。長時間労働とサービス残業を合法化しようとしています。

■根絶へ全力

 小池晃参院議員の話 依然としてサービス残業が広がっていることが明らかになりました。

 政府は財界の意を受けて、この違法状態をそのままにしてサービス残業の合法化(ホワイトカラーエグゼンプション)をねらっています。

 労働者・国民とともに、この流れを許さず、企業犯罪であるサービス残業を根絶するために引き続き全力をあげたい。

■解説 解消は雇用拡大にも

 残業させておきながら残業代を支払わないのは労働基準法に違反する犯罪です。世界でも異常な過労死を招く長時間労働を生み出す要因ともなっています。サービス残業の根絶は、労働者の命と健康を守り家族の団らんを回復させるだけでなく、雇用や消費の拡大にも結びつき日本経済の再生につながります。

 サービス残業を解消し新規雇用に振り替えれば、百六十万人分の雇用を創出し、個人消費が増え、実質国内総生産を2.5%押し上げるとの試算があります。(第一生命経済研究所「不況下で増加するサービス残業」二〇〇三年六月)

 日本共産党は、サービス残業問題を一九七六年に初めて国会で取り上げて以来、二百五十回追及してきました。


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