受け取ることができる年金にもかかわらず、「消滅時効」で支払えないと記載した通知書を年金受給者へ送付していたことについて社会保険庁は、改善策をとることを決めました。日本共産党の小池晃参院議員の是正要求に基づくものです。
同庁は今月十三日から、記載内容の誤りを説明するパンフレットを通知書に同封。早ければ来年一月にも、「時効分も支払う」ことを明記した通知書に書き換える予定です。
昨年六月に施行された年金時効特例法では、五年間という時効を撤廃し、それ以前の年金記録が本人のものと確認された場合は、受給できるようになりました。
ところが、社会保険庁は、年金記録が見つかって受給額が変更されたことを知らせる「年金裁定通知書」の書式を直さずに、「以前分の年金は5年以上経過しているため消滅時効によりお支払いする額の計算の基礎とはなりません」と明記したまま、受給者に発送し続けました。このため、通知書を受け取った人から「また、もらえなくなったのか」との声が続出。混乱が起きていました。
小池氏は今年七月、社会保険庁の担当者にたいして「特例法に反する記載をすることはおかしい。受け取った人に不安を与えることはただちにやめるべきだ」と要求。担当者は「コンピューターのシステム変更の対応ができていないので、昔の書式を使っている」と釈明しつつ、検討するとしていました。
今回の改善によって、通知書に同封されたパンフレットには「『消滅時効によりお支払いする額の計算の基礎とはなりません』という文章が印刷されていますが、あなた様の場合は『お支払いすることとしております』」とはっきり書かれました。
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