「難病対策は今後どうあるべきか」――難病対策・小児慢性特定疾患対策の将来像を考える集いが十八日都内で開催され、各政党の代表が考えを述べました。集いは日本患者・家族団体協議会(JPC)や全国難病団体連絡協議会(全難連)など患者団体の呼びかけで開かれたもの。全国から二百五十人が参加し、各党の意見に耳を傾けました。
七二年に創設された難病患者医療費の公費負担制度は、九八年に一部自己負担を導入、さらに政府の「財政構造改革」方針のもとで毎年予算が一割削減され、来年度の予算削減をめざす制度「見直し」が現在検討されています。小児慢性特定疾患についても現在全額公費負担ですが、年末の予算編成に向けて自己負担導入などの「見直し」がすすみ、患者・家族から不安の声が上がっています。
日本共産党の小池晃参院議員は、「難病対策の未来を切り開くには、医療費の大幅負担増をはじめ社会保障全体の後退をくい止めることが大切」と強調。医療費に対する国庫負担を増やすこと、ムダな公共事業をやめ税金の使い方を社会保障中心に切り替えることで充実できると指摘しました。
小池議員は、将来の難病対策の発展・拡充のための検討事項として、ICF (国際生活機能分類)活用による障害者概念の見直しや障害者差別禁止法の制定、医療費自己負担制度の抜本的見直しを提起。ドイツでは二週間以上の入院医療費は無料であることも示し、長期療養医療費の自己負担を減らす展望を述べました。
来年度予算や「見直し」については与党議員も「患者・家族の声をよく反映させなければならない」と表明。厚労省の担当者も「意見を反映させたい」と述べました。