難病対策予算が大幅増
厚労省 来年度概算要求
患者団体の運動実る
厚生労働省の来年度概算要求で、難病対策予算が大幅に増額していることがわかりました。難病患者団体のねばり強い運動の成果です。
同省によると、難病治療法の研究費(難治性疾患克服研究事業費)には、二〇〇八年度予算二十四億円の約四倍の百億円を計上。患者の自己負担軽減費(特定疾患治療研究事業費)も、〇八年度予算二百八十二億円に比べ60%増の四百五十一億円を計上しています。
六月の同省特定疾患対策懇談会は、国の難病研究の対象疾患を現在の百二十三疾患から百三十疾患に増やすなどの方針を打ち出しました。研究費百億円は、これを予算的に支えるものです。
同省疾病対策課は「年末の政府案でこの百億円が満額認められるなら、七疾患の追加指定だけでなく、さらに対象疾患を増やすことができる。概算要求額の大幅増の背景には、患者団体の要望が大きい」と説明します。
一方、患者の自己負担軽減費は本来、事業費(〇六年度実績約八百億円)を国と地方自治体で半分ずつ負担する制度。しかし、これまで国は二百八十二億円(〇八年度予算)しか負担せず、不足分を自治体に押し付けてきました。
来年度の概算要求の自己負担軽減費四百五十一億円について、同省は「これまで地方に超過負担をお願いしてきた分を、ほぼカバーできる金額」(同課)としています。
予算化に尽力
日本共産党の小池晃政策委員長(参院議員)の話 難病を抱えながら国会・厚生労働省への要請を続けたみなさんのたたかいが行政を動かしました。日本共産党も国会論戦で後押ししてきました。うれしく思います。当面、来年に向けて概算要求どおりに予算化することを求めていきます。
ひとつひとつの難病を「研究事業」として公費負担する制度では限界もあります。医療保険制度の中で難病全体を、恒久的に負担軽減するような制度を検討すべき時期に来ていると思います。
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