難病の公費負担医療制度の適用範囲を縮小し、来年十月から、かいよう性大腸炎とパーキンソン病の患者九万人の補助を打ち切ろうとしていた厚生労働省は十八日、来年度の改悪方針を撤回したことを明らかにしました。日本共産党の小池晃参院議員の問い合わせに答えたものです。撤回を求めてきた患者団体は「運動が実って大変うれしい」「がんばれば打ち返していけることが証明された」と喜んでいます。
同省は小池氏にたいし、「来年度は(適用範囲の)見直しをおこなわない」と説明しました。また、再来年度以降、見直す場合も、既に制度の適用を受けている患者の補助は打ち切らず、継続する方向で検討しているとのべました。
政府・厚生労働省は福祉切り捨ての小泉「構造改革」路線のもとで、難病対策のいっそうの改悪を推進。かいよう性大腸炎(約八万人)と、パーキンソン病(約七万三千人)の患者数が、難病の希少性の基準「おおむね五万人未満」を上回るとして、八月以降、同省の特定疾患対策懇談会(健康局長の私的諮問機関)で見直しに着手。今月十一日、同懇談会は、かいよう性大腸炎の患者約五万三千人と、パーキンソン病の患者約三万七千人の補助を打ち切るとの意見をまとめました。
日本共産党は難病患者の切り捨てに一貫して反対してきました。小池議員は十一月三十日、参院厚生労働委員会で追及。「おおむね五万人未満」の基準に科学的根拠がないことを示し、方針の撤回を求めました。
一方、自民・公明の与党は、患者団体の反対運動に押されて十五日、現在事業の対象となっている患者の医療の継続を図る措置などを同省に申し入れていました。