日本難病・疾病団体協議会は十二、十三の両日、東京都港区のホテルで「患者の医療と暮らしを守れ 全国患者・家族集会」を開催し、約百四十人が参加しました。
集会は、政府が来年度にも難病患者の医療費補助制度(特定疾患治療研究事業)を改悪し、パーキンソン病と潰瘍(かいよう)性大腸炎のうち、九万人近い患者を除外しようとする緊迫した状況のなか開かれました。
集会終了後、同協議会は、厚生労働相に、二疾患の大部分に及ぶ補助対象外しの中止と、対象疾患の拡大、難病対策予算の大幅増加を求める要望書を提出。衆参の厚生労働委員へ要請行動をおこないました。
集会で主催者あいさつした同協議会の伊藤たてお代表は、パーキンソン病の中等症と、潰瘍性大腸炎の軽症者を除外する見直しは難病対策の根幹にかかわる大問題だと批判。「難病予算の増額と対策の拡充を求め、力を出しきってたたかおう」と呼びかけました。
全国パーキンソン病友の会の徳永武重福岡県支部長が、改悪に反対し署名や県議会への要望書提出に取り組んだ経験を報告しました。
潰瘍性大腸炎などの患者団体でつくるIBDネットワーク世話人の小川みどりさんは、軽症から突然劇症化した体験を語り、「私たちは常に重症化の不安を抱えている」として軽症者の補助打ち切りを批判。「人間らしく生きる権利回復をめざすたたかい」から出発した難病対策の歴史にもふれ、「制度の後退は許されない」と語りました。
十三日には分科会も開かれ、「国が守るべきものは国民の生命。好景気に企業減税するという流れを変えれば難病対策の予算はある。新しい難病も補助対象に追加し水準を引き上げるべきだ」などの発言がありました。
集会には日本共産党の小池晃政策委員長・参院議員がメッセージを寄せました。