日本共産党の小池晃政策委員長は八日、介護保険「改正」法案が閣議決定されたことについて次の談話を発表しました。
「介護保険制度改革関連法案」の最大の問題点は、介護にたいする国の財政負担抑制を口実に、高齢者の介護サービス利用を制限し、大幅な国民負担増を押しつけることにある。
法案は、「介護予防」の名のもとに、「軽度」の高齢者の要介護区分と給付を再編し、在宅介護サービスの利用を大きく制限しようとしている。訪問介護など高齢者のくらしに不可欠なサービスを取り上げることには、きびしく反対する。
また、特養ホームなど施設に入所する人の居住費(ホテルコスト)・食費を保険給付外とし、総額三千億円の負担を高齢者・家族に転嫁しようとしている。入所者一人あたり年間四十万円という大負担増は到底許されない。
現在、国と自治体が行っている健康診査、機能訓練、給食サービスなどの福祉事業を介護保険に移すことも盛り込まれた。これにより、「介護予防の重視」を言いながら、国の負担は最大四百億円も削減される。公衆衛生や高齢者福祉への公的責任を投げ出す政府の姿勢は認められない。
改革をいうのであれば、安心して必要な介護サービスを受けられる制度への改善にこそすすむべきである。そのためには、国庫負担の引き上げによる、保険料・利用料の国としての減免制度の創設、特養ホーム待機者の解決をはじめとした介護施設の基盤整備などが必要である。日本共産党は介護不安を拡大するだけの「介護保険制度改革関連法案」の撤回を強く求める。