厚生労働省は12月10日、介護保険の見直しを審議している社会保障審議会に、特別養護老人ホームに入所しているお年寄りから家賃、光熱費を宿泊費(ホテルコスト)として月5万円を新たに徴収する試算を示しました。 ホテルコストの導入は、小泉内閣が「規制改革」の一環として、民間介護事業者の参入促進や、施設から在宅介護への利用者の移行をねらったもので、個室化と合わせ2003年度からの実施をめざしています。現行の介護保険利用料(食費含め月約5万円)の二倍の負担という“痛み”を、寝たきりの高齢者にかぶせることになります。 厚生労働省は来年度から新設の特養ホームを個室型(現行は四人部屋主体)にしていく計画です。 この新型特養の入居者から、いままで介護保険の対象となっていたり、国の施設補助対象となっていたものを自己負担に転嫁。建設関連費用(借入金の元利も)、家具家事用品、水光熱費、燃料費、修繕費を自己負担対象に組み入れます。理由は、“在宅で介護サービスを利用している人は負担している”“民間の老人施設では自己負担になっている”などというものです。 試算によると、建築単価への国庫負担額が高い政令指定都市や東京都区部の場合、一人月額4万5千円から5万4千円の負担。これ以外の通常地域では月4万4千円から5万1千円の負担となります。 介護保険 第1回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成13年10月22日) http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/shingi/syakai/1022-1.html 第2回社会保障審議会介護給付費分科会資料(平成13年11月5日) http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/shingi/syakai/1105-1.html 全国介護保険担当課長会議資料 http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/kaigi.html