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リンパ浮腫治療
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リンパ浮腫の患者は十万人以上といわれています。感覚が鈍ったような違和感や、だるいような不快感をともない、放置すると細菌感染などの合併症を起こしやすくなります。手や脚のむくみが激しくなると、外見の変化が強いストレスともなり、日常生活に大きな支障をもたらします。
乳がんや子宮がん、卵巣がん、前立腺(せん)がんなどの術後に起きることが多く、術後すぐに発症することもあれば、二十年後という患者もいます。生まれつきリンパ管の機能が低いことによる、「原発性リンパ浮腫」患者もいます。
スキンケアやマッサージ(医療徒手リンパドレナージ)、弾性スリーブ・ストッキングを使った圧迫療法、日常生活でのケアなどで改善します。弾性スリーブは一本約四千円から一万数千円、ストッキングは一万円から二万数千円と高額です。使ううちに弾力が緩み効果が薄くなるため、耐用期間は四カ月から半年ほどです。
国会では、日本共産党の児玉健次衆院議員(当時)が二〇〇〇年三月に「リンパ浮腫の治療に保険適用を」と初めて取り上げました。〇一年三月にも「保存療法への保険適用と術後指導の充実」を要求し、〇二年には、ヨーロッパの多くの国がリンパ浮腫の治療を保険適用としていることを示して追及。坂口力厚労相(当時)は「(治療に)必要なものは必要としなければならない」とのべました。〇四年には小池晃参院議員が、保険適用を求めました。
一方、療養費として保険から支出するよう患者が各地で申請し、却下されても不服審査を繰り返すなどしてきました。昨年秋には数多くの患者会や医師などが連絡協議会をつくり、リンパ浮腫治療の保険適用を求める署名にとりくみました。こうして、治療用装具として認めさせる事例を広げてきたのです。
今回の診療報酬改定で、全国どこでも療養費の対象に認められ、購入費用の七割が戻ることになりました。あわせて、手術前後にリンパ浮腫の重症化などを抑えるために、適切な指導を行った医療機関に対して診療報酬を払う「指導管理料」も設けました。
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