肺がん治療薬「イレッサ」の副作用被害が二〇〇二年七月の発売開始から今年三月までで千七百九十七件報告され、死亡者は七百六人に上ったことが一日、日本共産党の小池晃参院議員の質問主意書に対する政府答弁書で明らかになりました。
〇六年度の一年間で、副作用症例は百六十六件増、死亡は六十三人増となり、深刻な実態が浮き彫りになりました。
輸入販売元のアストラゼネカ社は今年二月の厚生労働省安全対策調査会に、同社が行った臨床試験で、標準的な治療薬以上の延命効果は示されなかったという調査結果を提出していました。ヨーロッパや米国では承認を取り消す動きとなっていました。
「イレッサ」をめぐっては、安全性が確認されていないのに承認販売したとして、さいたま市の近澤昭雄さんらが国とアストラゼネカ社に損害賠償を求める「薬害イレッサ」訴訟が東京地裁などで行われています。
小池晃参院議員の話 ひきつづき副作用と多数の死亡者が出ていることが判明した。延命効果が否定された結果が報告されているのに承認販売について再検討されていないことは重大です。