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25人 命失う
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二月中旬、静岡県内のある市のアパートで六十代の女性が死亡していました。糖尿病で足が壊死(えし)した状態でした。
女性は七年前から市内の病院に通院。一日三回インシュリンの自己注射をしていました。しかし昨年六月から治療を中断していました。
同年秋、心配した病院のソーシャルワーカー(24)が、女性に電話。女性は「短期保険証の期限が切れ、新しい保険証が届かない。市は『もう医者にかからなくてもいい』というつもりなのだろう」と話したといいます。
女性は一人暮らし。年金がなく、パートを掛け持ちし暮らしていました。医療費が三割負担で月約一万円。家賃を払えば残りは生活費に消え、保険料を滞納していたのです。
ソーシャルワーカーは「国保証があれば最悪の事態は避けられたはずだと思います。安倍首相や柳沢厚生労働大臣は、現場のことを知らなさすぎます。命に直結する保険証の取り上げは、絶対にやめてほしい」と訴えました。
広島県のある病院で昨年死亡した六十代の男性は、〇五年四月に肺気腫で入院したあと、治療を中断していました。タクシー運転手の仕事がなくなり収入が途絶え、保険料を滞納。窓口でかかった医療費の全額負担が必要な資格証明書が交付されたからです。
昨年八月、救急車で病院に搬送されましたが、末期のがんで三日後に死亡しました。
死亡した男性患者を担当したソーシャルワーカーの女性は「この男性以外にも、保険料を滞納して資格証になり、治療を中断して病院にこなくなる患者さんが増えている」と指摘。「収入の少ない方は医療費を気にして、まず病院にこない。ギリギリになって受診するときには、病気も悪化し治療の面でも手遅れで、経済的にも追い詰められている場合が多い。国や自治体は、国保証の取り上げをやめ、減免制度の周知徹底などに力を入れるべきです」と語りました。
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