「医療・社会保障のこれからを考える議員フォーラム」が二日、京都市内で開かれ、約六百人が参加し、与野党の国会議員が討論しました。
主催は京都府保険医協会、京都府歯科保険医協会。日本共産党の小池晃参院議員、自民党の丹羽雄哉、公明党の坂口力、民主党の仙谷由人、社民党の阿部知子の各衆院議員が参加しました。
小泉「構造改革」の評価について丹羽氏は、「改革の方向性は間違っていない」とのべ、高齢者への負担増も「皆保険制度を守るためだ」と正当化しました。坂口氏は「小泉改革は今までと違うやり方で景気を回復させた」とのべました。
小池氏は、「小泉『構造改革』は社会保障制度改悪で貧困と社会的格差を拡大させた」と強調。その特徴として、(1)障害者の福祉サービスへの応益負担(一割)の導入、生活保護引き下げなどの弱者切り捨て(2)改悪介護保険法の「新予防給付」など軽度者、軽症者へのサービス打ち切り(3)国、自治体の公的責任を放棄し、民間に営利目的の市場を提供―の三点を指摘。社会保障財源は、大企業に応分の負担を求めるべきだとのべました。
「療養病床の入院患者の点数引き下げで、病院経営が成り立たない」という参加者の声に、丹羽氏は「社会的入院の解消のため」と発言。小池氏は「現場を見ない空論だ」と批判し、「地域の隅々から『ベッドをなくすな』の運動を広げよう」とのべました。
参加者から「民主党は、介護保険法『改正』になぜ賛成したのか」という質問が出たのにたいし、仙谷氏は「以前の措置制度にもどせということなのか」とのべるだけでした。
小池氏は、介護保険制度のもとで国庫負担を増やすことによる保険料、利用料の減免など制度の改善を求めていくという党の立場をのべるとともに、「介護保険と障害者福祉との統合には反対であり、障害者『自立支援』法による応益負担は撤回すべきだ」とのべました。