薬害肝炎全国原告団(山口美智子代表)と同全国弁護団(団長・鈴木利広弁護士)は二十九日、厚生労働省で記者会見し、国が大阪地裁判決を不服として控訴したことに抗議し、「法的責任に基づいて肝炎問題の全面解決を図るべきである」との声明を発表しました。また、同省前で抗議の宣伝とリレートークを行い、控訴撤回と原告の訴えに耳を傾けるよう再度、川崎二郎厚労相との面談を求めました。
大阪訴訟原告の武田せい子さん(55)は「私たちは死ねというのでしょうか。憲法二五条の生存権は何のためにあるのでしょうか。(控訴は)私たちを見殺しにするということです」と怒ります。桑田智子さん(46)は「悔しい思いです。二十年以上も放置され、これ以上の先送りは許されません。三百五十万人の肝炎患者のために安全確保と再発防止を図ってほしい」といいます。
「この国に失望するばかりです。二十歳になる大学生の長男が感染しました。小学校四年生のときに感染が分かりました。未来をつくる子どもに重い十字架を科すのですか」と訴えたのは九州訴訟の母親(49)。「息子は感染してから二十年たっています。あなたの愛する子どもが感染したらどうしますか。私たち原告に会ってください」と、厚労相との面談を求めました。
日本共産党の小池晃参院議員が「控訴は道理がありません。大臣は、一番苦しんでいる原告と直接会って聞くべきです。国会の場で閉会中ですが委員会を開くよう頑張ります」と激励しました。