全日本民主医療機関連合会(民医連)は九日、安心で行き届いた医療のために看護師増員を求める要請行動を国会周辺で行いました。全国から看護師ら百十人が参加。白衣姿で訴えました。涙を流し切実な実態を訴える看護師の姿に、厚生労働省看護課の担当者も「現場の声は、わたしの想像以上だった」と語りました。要請には、日本共産党の小池晃参院議員が同席しました。
要請で、民医連の長瀬文雄事務局長は(1)看護職員配置基準と診療報酬の改善(2)患者の平均在院日数のしばりを廃止(3)新卒看護師への指導に対する国の支援―などを求めました。厚労省側は平均在院日数について「現状をぐっと短縮するのは現実的でないと考えている」などと応じました。
福井市で看護師をしている島崎恵子さん(48)は「看護師は疲れている。やさしい看護をしたいと、看護師になった人が、冷たいと言われるのはなぜか」と、訴えました。
「現場のことを考えてください」。兵庫県神戸市の看護師・藤原藍香さん(25)は、声を震わせました。「看護師になって二年半、十二人の同期がいまは四人に。わたしも、しんどくてやめたい。でも職場と患者さんのことを考えて葛藤(かっとう)している」と語りました。
小池議員は看護師増員を求める請願署名約三万二千人分を受け取り、「度重なる診療報酬削減で、しわ寄せは看護師に。政府が医療費全体を抑制しようとする中で看護をよくすることは困難。医療改悪そのものを吹き飛ばす大運動を」と呼びかけました。