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日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008] 日本共産党参議院議員・医師 小池晃 アーカイブ[〜2008]

フィブリノゲン製剤の危険性
70 年代前半に知っていた
安全策取らず薬害拡大 厚生省天下りで販売量は増大
小池議員の調査、追及で判明

 血液製剤フィブリノゲン―。産後の出血などの止血剤として使われ一万人以上が C 型肝炎に感染したとされる大規模な薬害被害を引き起こしました。「製造販売を認めた国は責任を認めて救済にあたれ」という国民の声にたいして、「当時はやむを得なかった」と責任を認めていません。日本共産党の小池晃参院議員の調査と国会での追及で、国も製薬企業も危険性を認識しながら安全策を取らなかった薬害発生の構図が明らかになってきました。

警告シグナル

 世界で最も有名な医学雑誌の一つ『JAMA』(米医師会雑誌)の一九六六年二月七日号は、フィブリノゲン製剤による肝炎感染について警告をしていました。

 同誌は、フィブリノゲン製剤による肝炎発症率は、同製剤を投与された人の 6 〜 35 %と高率であることを指摘。「生命の危機的な状態に限って使用されるべきである」と、安易な使用を戒めていました。日本で六四年に同製剤が製造・販売が承認された二年後のことです。

 七〇年代に入ってからも同製剤による肝炎感染の調査結果が繰り返し報じられています。七二年五月一日の『 JAMA 』は、肝炎の発症率は 19 %と指摘。米国の有名な医学雑誌『アナルス・オブ・インターナル・メディスン』(同年六月号)は 25 〜 30 %の肝炎発症率と指摘していました。

 国内ではどうだったのか。日本共産党の小池晃参院議員は、七三年に厚生省薬務局が監修した『生物学的製剤基準解説』を入手。この本で、フィブリノゲン製剤から肝炎感染の頻度は 7 %、1 %の全血輸血よりはるかに高率で感染する危険性を指摘していることを明らかにしました。

 さらにこの本は、数人の血しょうから作るクリオ製剤が、千人から二万人の血しょうをプールしてつくるフィブリノゲン製剤より危険が少ないというイギリス薬局方(BPC)の見解を示して、クリオ製剤がより安全だと紹介しています。

 厚生省は、米国で同製剤を製造中止した七七年より四年も前から、同製剤の危険性を認識し、代替治療も紹介していたのです。

底無しの癒着

 ところが「危険だということが指摘をされていながら、倍々ゲームのように逆に使用量が増えている」(小池議員)のです。

 同製剤の販売が開始されて間もない六六年の販売量は一万六千五百四十三本。年々大幅な増加で八六年は七万六千五百本と最高時に達しました。(グラフ参照)

 とくに旧ミドリ十字(現三菱ウェルファーマ)に添付文書の改善を指導した七四年当時の厚生省薬務局長を務めていた松下廉蔵氏(副社長、社長、会長を歴任)が同社に天下りした七八年以降、同製剤の販売量が飛躍的に増大しています。

 製薬会社を監視指導し血液製剤などの安全性確保に責任を負う立場にいた松下氏。その職責を果たさないばかりか、製薬企業に天下って、その危険を大きくした同製剤の販売促進を図っていました。

 官と業の癒着によって、危険性にフタがされ、製薬企業は売り上げを伸ばし、一万人以上といわれる肝炎感染被害を広げてきたのです。

 (2002 年 06 月 14 日しんぶん赤旗より)

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