中央社会保険医療協議会(星野進保会長)は二十日、患者の治療にかかった医療費として病院や診療所に支払われる二〇〇二年度の診療報酬について、坂口力厚労相からの諮問を受け、諮問どおり、引き下げを答申しました。 主な改定内容は、(1)六カ月を超える長期入院患者への給付カット(2)大学病院ごとに報酬額が違う定額料金制の導入(3)受診回数が増えるほど外来患者の再診料が減らされる逓減制の導入(4)人工透析の腎臓(じんぞう)患者が必要としている長時間透析に対応した診療報酬体系(時間区分)や食事加算の廃止などがもりこまれました。 六カ月を超える入院患者について厚生労働省は、入院基本料の15%を「ホテルコスト」(宿泊料)として保険外の自費負担としました。大幅な自費負担で退院を強制するもので、負担額は月額四万円から五万円となる見込み。経過措置としてことし四月まで入院している患者は除外し、二〇〇四年四月までの二年間で段階的に適用するとしています。 患者から自由に料金を徴収できる仕組み(特定療養費制度)の一つとして、大病院で再診を希望する患者から診察料に別料金を上乗せできる制度も導入します。 診療報酬引き下げは、小泉内閣の来年度予算方針にもとづき、医療費の国庫負担千八百億円を減らすためにおこなわれます。医療本体で1・3%減におよぶ引き下げの具体策は、公的保険の縮小をねらう「規制緩和」と、医療費のコスト削減を強化する定額払い方式の推進が特徴です。 (2002年2月21日(木)「しんぶん赤旗」より) 平成14年度社会保険診療報酬等の改定について(改正案:PDF目次) http://www.mhlw.go.jp/topics/2002/02/tp0222-1.html ○小池晃議員は、2月21日、診療報酬改定に関する質問主意書を提出しました。 ○関連情報→じん臓患者に痛み