「規制緩和」や「官から民」は国民の暮らしに何をもたらしたか―。全国革新懇と東京革新懇は十八日、東京都千代田区の学士会館で懇談会「小泉『構造改革』で何が起きているか―人間らしい暮らし・雇用めざす政治を―」を開きました。約百七十人が参加。「非人間的な攻撃に人間的なたたかいでこたえよう」との発言に共感の拍手が上がりました。
懇談会は、現場の実態報告で始まりました。自交総連の今村天次書記長は、「タクシー業界の規制緩和の実態はマスコミでも大きく取り上げられてきたが、その中身は惨たんたるもの」と発言。全国生活と健康を守る会の須山利夫副会長は、東京の生活保護受給者が十年前の二倍に増える中、老齢加算・母子加算の廃止という小泉内閣の暴挙を告発しました。医療現場に身を置く、全日本民医連の鈴木篤副会長は、小泉医療改悪のもとで加速する「病院からの老人追い出し」の実態を語りました。
ゲスト発言した品川正治経済同友会終身幹事は、「戦争をしている米国と憲法九条を持つ日本の価値観はまったく異なっている。自衛隊と米軍との一体化を目指す米国にとって九条は最大の障害物だ」とのべ、「九条改憲に国民がノーということは日米同盟のあり方を変え、世界史全体の転換にもつながる積極的な意義を持つ」と強調しました。
日本大学教授で全国革新懇代表世話人の牧野富夫さんは、「最近は夢を語る教育が難しい」と若者をめぐる状況を報告。「人と環境の福祉国家」をめざすというのもひとつの方向だ、と提起しました。
日本共産党の小池晃政策委員長(参院議員)は、小泉政権によって生み出された「格差社会」を具体的な数字をあげて告発。今国会で審議されている医療改悪法案や「行革推進」法案が国民との矛盾を広げていることをあげ、「国民の連帯で政府の攻撃をはね返そう」と呼びかけました。