赤旗2019年6月23日付
全国一律最低賃金制の確立で格差と貧困からの転換をめざすシンポジウムが22日、東京都内で開かれました。全労連加盟労組や中立労組の東京の地域組織が実行委員会をつくり、東京地評・東京春闘共闘会議、自由法曹団東京支部が協賛しました。
あいさつした松森陽一東京地評事務局長は、「最賃は、いまが旬。8時間働けば生活できる社会にするため、最賃を参院選の争点にしていこう」と呼びかけました。
萩原伸次郎横浜国立大名誉教授が米国の最賃闘争を講演し、連邦最賃時給15ドル(1600円)が公的医療保険とともに大統領選の焦点になっていると述べました。
中村和雄弁護士は、「韓国では最賃引き上げで中小企業の社会保険料減免をしている」と日弁連の海外調査を紹介。「日本では正社員でも基本時給がほぼ最賃になっている場合も多い」と指摘しました。
斉藤寛生全労連最賃・公契約運動局長は、全国どこでも1500円以上が必要だと分かった最低生計費調査を紹介し、「毎年の大幅引き上げ運動と、全国一律制を求める法改正運動の両方が重要だ」と強調しました。
高野香都教組養護教員部長は、保健室からみえる子どもの貧困の実態を告発。梶哲宏全労連・全国一般東京地本副委員長は、「東京の地場中小企業は、最賃の低い地方に仕事をとられることをおそれて、下請け単価の引き上げができない」と地域格差が取引をゆがめていることを訴えました。
日本共産党の小池晃書記局長があいさつし、「日本経済を再生する決定打」として、最賃を全国どこでも1000円に引き上げ、すみやかに1500円をめざす、全国一律制度を創設することを提案。「かぎは中小企業支援だ。安倍政権の賃上げ支援策は、中小企業に回っていない。中小企業を支援するなら社会保険料の減免こそ有効で、今の予算規模を1000倍に引き上げる」と強調しました。