赤旗2019年6月6日付
日本共産党の小池晃書記局長、立憲民主党の福山哲郎幹事長、国民民主党の玉木雄一郎代表は4日、BSフジの「プライムニュース」に出演し、3氏そろって、参院選1人区での野党候補の一本化と共通政策の合意を土台に、共闘で安倍政権を倒し、その先の新しい日本政治の展望を語りました。
冒頭、司会の反町理氏から安倍晋三首相が衆院解散をほのめかしていることについて問われ、小池氏は「まずは予算委員会を開き、国政の山積する問題を議論するのが政治の責任だ。解散をもてあそぶのは無責任すぎる」と厳しく批判しました。
日本政治の展望
景気の動向と10月の消費税10%増税をめぐって小池氏は、1~3月のGDP(国内総生産)速報値で消費や設備投資、輸出入が軒並みマイナスとなっていると指摘。「鍵は内需だ。消費税増税を中止するとともに、内需をどう温めるかを示す必要がある」として、中小企業支援を現在の7億円から7000億円に増やして最低賃金をただちに時給1000円に引き上げ、1500円を目指すとした党の政策を紹介しました。消費税10%の中止についても「その先が重要だ」とし、「所得課税、資産課税、法人課税の公平性を取り戻すという財源確保の大きな方向を野党は共通政策で確認している」と強調しました。
福山氏は「インボイスなど天下の愚策だ」と批判。玉木氏は「内需は全滅だ。実質賃金が上がらないから消費が伸びない」と述べ、消費税増税に反対しました。
外交問題では、日米首脳会談でトランプ大統領が「選挙の後」「8月に素晴らしい発表がある」などと述べたことについて、小池氏は「農産物について関税撤廃を狙うアメリカに大幅に譲歩する約束をしたのではないか。きちんと予算委員会で日本国民に説明すべきだ」と厳しく批判。玉木氏は「何らかの取り決めを隠して選挙をするのは日本国民に対する裏切りだ」と強調し、福山氏は「参院選後まで(日米交渉の内容に)言及しないなどあり得ない」と述べました。
反町氏から共通政策で「安倍政権が進める憲法9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせない」としたことについて問われ、小池氏は「立憲主義を根本から否定する安倍首相に憲法を語る資格はない。安倍首相提案の9条改憲は、9条2項を死文化させ、海外での無制限の武力行使を可能にさせるものだ。発議もさせないことで一致した」と答えました。福山氏は「自民党提案の四つの改憲論点は必要性を感じていない」と述べ、玉木氏は「安倍首相が『自衛隊という組織を(憲法に)書いても何も変わらない』というのはうそだ。数の力で押し切る憲法改正はやってはいけない」と強調しました。
「最大限の協力」
参院選に向けては反町氏が「一本化したらそこで終わりか、相互支援までいけるのか」と問題提起。小池氏は「候補の一本化はスタートだ」と強調し、立憲民主党の枝野幸男代表が党首会談で述べた「最大限の協力」が「野党間の合意だ」と強調。山形や新潟などで共同記者会見を開いて共通政策を結び、「3年前に比べても、共同でたたかう構えは強まっている」と述べ、共産党としては、どの党の候補者であれ、勝利のために全力を尽くすと決意を述べました。玉木氏は「ここからの協力関係がすごく大切だ」と述べました。
さらに反町氏から参院選後の政権構想のビジョンについて問われると、小池氏は「政権構想について前向きな合意を得る必要があると前から主張してきた」と指摘。そのうえで「13項目の共通政策がまとまったということは、政権構想の土台になる」と強調。25本の法案の共同提出や、毎週の国対委員長の連携を紹介し、「信頼関係は強まっている」と述べました。
玉木氏は「政権の枠組み、共通政策を国民に示しながらたたかうことが重要だ」と述べ、福山氏は内閣不信任案の提出に触れ「不信任案を出す段階で、枝野代表は政権構想を国民に示す準備がある」と表明しました。