赤旗2019年5月3日付
憲法施行72周年記念日にあたり、日本共産党の小池晃書記局長が談話を発表しました。
一、今年の憲法記念日は、安倍首相による改憲策動が、平和、民主主義、基本的人権など現行憲法の原則を守ろうとする国民の世論と真っ向から対決するなかで迎えている。
安倍首相は、“自分の任期中の改憲”に固執し続けている。政権・与党、なかんずくその最高責任者が、自らへの制約をとりはらう改憲議論を強引におしすすめることは、それ自体が立憲主義の破壊であり、絶対に許されないことである。しかし、安倍首相が改憲の旗を振れば振るほど、改憲に賛同する国民は減少し、「安倍政権下での改憲反対」は、世論調査でも5割を超えている。安倍政権がすすめる改憲策動に、道理も大義も、国民の支持もないことは明らかである。
いまこそ、安倍政権による9条改憲の策動をきっぱり断念させるときであり、間近に迫った参議院選挙で国民がきびしい審判を下すことを心から呼びかける。
一、安倍政権の“ウソと忖度(そんたく)、隠ぺいの政治”は、目を覆うような惨状を呈している。公文書の改ざん、国会での虚偽答弁、自衛隊や厚労省、法務省などの情報隠し・隠ぺい、そして、ついには基幹統計のねつ造と廃棄まで明らかになった。“ウソと忖度、隠ぺいの政治”が国政の土台を揺るがしている。この根っこには、憲法破壊の安倍政治がある。安倍政権は、“集団的自衛権は認められない”という歴代政権の憲法解釈を一内閣の閣議決定で覆し、特定秘密保護法、安保法制=戦争法、共謀罪と、次々に憲法の原則を否定する違憲立法を強行するなど、憲法蹂躙(じゅうりん)の政治をエスカレートさせてきた。最高規範である憲法を蹂躙してはばからない安倍首相の政治姿勢こそ、深刻なモラルハザードの元凶である。安倍政治を終わらせ、憲法に基づく公平・公正な政治を実現しなければならない。
一、変えるべきは憲法でなく、憲法をないがしろにし、国民の権利と民主主義を蹂躙する安倍政治である。日本共産党は、政治的立場の違いをこえて、広範な市民・団体が共同でとりくんでいる「安倍9条改憲NO!3000万人署名」を成功させるために、多くのみなさんとともに力をつくす。そして、市民と野党の共闘を力強く前進させて、改憲策動に終止符をうつために全力をあげる。
憲法記念日にあたり、平和と民主主義、個人の尊厳、基本的人権をはじめ、日本国憲法を生かし、憲法が花開く政治を実現するために、いっそう力をつくす決意を表明する。