赤旗2019年3月13日付
厚生労働省の労働政策審議会は１１日、労災保険の補償対象となる業務上疾病に、衣服の染料・顔料に使用されてきた発がん性化学物質「オルト―トルイジン」を扱う業務によるぼうこうがんを追加することを妥当だと認め、根本匠厚労相に答申しました。４月上旬に労働基準法施行規則（省令）を改正し、施行される予定。
「オルト―トルイジン」をめぐっては２０１６年１２月、三星化学工業福井工場の労働者７人がぼうこうがんで労災認定。１８年８月にも新日本理化徳島工場で労災認定されていました。これを受けて同省の専門家検討会が同年１１月、業務上疾病に加えるよう求めていました。
この問題では、労働者が労災認定を求めて運動していました。
日本共産党の小池晃参院議員（党書記局長）が１６年５月の厚生労働委員会で、三星化学での労災認定や化学物質を扱う職場の実態調査を要求。６月から厚労省に検討会が設置され、労災認定につながりました。新日本理化徳島工場でも１８年６月、因果関係は明確だとして速やかな労災認定を求めていました。