赤旗2019年3月6日付
日本共産党の小池晃書記局長は5日の参院予算委員会で、深刻な貧困と格差を克服して日本経済を立て直すには、最低賃金の引き上げが必要だと強調。全国どこでも時給1000円を実現して、中小企業支援とセットで1500円をめざすべきだと主張しました。
安倍晋三首相は政権復帰後の6年間で「時給はバブル期以来の引き上げ」が行われたと誇りますが、最高の東京都でも時給985円にとどまります。しかもこの10年で地域格差は2倍以上も広がり、鹿児島県との差は224円も。フルタイムで働けば年収で約40万円もの差が生まれます。
小池氏は「安倍政権のもとで生みだされた格差だ。このままでいいのか」と追及。安倍首相が「全国津々浦々に景気回復の波が及んでいる」ため地域格差も改善されていると自画自賛したのに対し、「どこの国の話か。格差を認めるべきだ」と厳しく批判しました。
さらに、地域格差があれば「(最賃が高い地域に)人口が流出して経済基盤が弱まる。ますます賃金が上げられなくなって、さらに格差が広がるという悪循環になる」とただしました。首相は地域間の生計費の差などを口実に、最賃の全国一律化に消極的な姿勢に終始。小池氏は都市部は家賃が高くても地方は交通費がかかるなど、総務省の家計調査でも生計費が変わらないことは明白だと反論しました。
全国一律最賃制度は昨年だけで73の地方議会が実現を求める意見書を出していることとともに、すでに欧州連合(EU)加盟国の97%で採用されていることを示し、「これが世界のすう勢だ。こんなに面積が小さい国で都道府県ごとに最賃が違う国は世界で日本くらいだ」と強調。「全国一律最賃制度の導入こそが日本経済を立て直す道だ」と重ねて求めました。