日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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論戦ハイライト/「辺野古が唯一」固執なら普天間固定化――民意ふまえ無条件撤去へ対米交渉を/参院予算委 小池書記局長の質問

2019年03月06日

赤旗2019年3月6日付

 5日の参院予算委員会で、沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に関し、県民の民意を踏みつけて工事を強行する安倍政権を糾弾した日本共産党の小池晃書記局長。技術的に不可能な軟弱地盤の改良工事、過大な土砂投入費用、米軍の基準違反などの問題点や、普天間基地(宜野湾市)の「危険性除去」を言いながら米軍機の運用を野放しにしている実態が明らかになりました。


民意受けとめ辺野古断念を

反対なぜ言えないのか ただちに工事の中止を

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(写真)質問する小池晃書記局長(右
端)=5日、参院予算委

 「今回の県民投票の結果は辺野古の新基地建設反対ということが示された結果だな」―。小池氏が、辺野古埋め立て反対が7割以上を示した沖縄県民投票の結果に対する認識をただしたのに対する、安倍晋三首相の答弁は驚くべきものでした。

 首相 県民投票の結果について、政府として評価を加えることは差し控えたい。

 小池 評価ではない。県民投票が示した民意は辺野古反対だ。なぜそれが言えないのか。

 首相 結果は真摯(しんし)に受け止めるが、結果に評価を加えることは差し控える。

 首相の対応に議場は騒然となり、審議は繰り返し中断しました。結局、首相は「小池委員が言われたとおりだ」と述べ、「辺野古新基地反対」の結果を渋々と認めざるをえませんでした。

図

 小池 よほど辺野古新基地建設反対と言いたくないのか。これが揺るがぬ民意だ。それならただちに工事を中止すべきだ。

 これに対して首相は、「普天間基地の危険性除去」を口実に工事継続の考えを示しました。

 小池氏は「普天間基地の返還は県民の悲願であり、当然だ。それを最も望んでいる宜野湾市民も66・7%が辺野古に反対といっている。同じ苦しみを味わわせたくないと言っている」と反論しました。

 それでも政府は、「普天間基地返還のため」(岩屋毅防衛相)と執拗(しつよう)に繰り返します。小池氏は「そういって23年間、普天間は動かなかった。辺野古移設を条件にしている限り、普天間は動かないことは歴史が証明している」と断じました。

軟弱地盤の深さは90メートル「改良可能は70メートル程度」

データを開示せよ

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(拡大図はこちら)

(写真)防衛省は国内での地盤改良の施工実績は最深65メートルであると
認めたが、辺野古・大浦湾には深度70メートル(点線)を超える軟弱地盤
が複数、広範囲に広がっている。図は軟弱地盤とみなされる複数の砂質土、
粘性土の堆積を示した沖縄防衛局資料
出典:『地盤に係る設計・施工の検討結果報告書』(2019.1)から北
上田毅氏作成

 辺野古北側海域の軟弱地盤の存在と改良工事の必要性は、安倍晋三首相が今国会に入って初めて存在を認めました。小池氏は、軟弱地盤の深さは海面から90メートルに達し、改良工事のため7万7000本もの砂杭(すなぐい)を打ち込む必要があると指摘。「国内では深さ65メートルまでしか工事の実績がない。海面下90メートルまで地盤改良できる作業船が日本には存在しない。技術的にも不可能ではないか」とただしました。

 岩屋毅防衛相は、70メートルまでの工事で安定的な施工が可能だと強弁。これに対し小池氏は、防衛省が国土交通省に提出した「地盤に係る設計・施工の検討結果 報告書」に、「現有作業船の能力」では「改良可能な最大深度はCDL(潮位表基準面)マイナス70mとする」と明記されていると指摘。「それに合わせて『70メートルより下の改良工事の必要なし』としたのではないか」と迫りました。

 小池 下部に地盤改良していない層が20メートルほど存在する。長期にわたり圧密沈下が生じる危険を否定できるか。関西国際空港では、当初の予想をはるかに超える残留沈下になっている。

 鈴木敦夫整備計画局長 対策を取るので安全性に問題はない。

 小池 危険を否定できなかった。辺野古は沈下し続け、使い物にならない基地になる。

 小池氏は「大丈夫」だと言い張る根拠のデータを開示するよう求めたのに対し、政府は不服審査請求の最中を理由に拒否。小池氏は「行政不服審査法を悪用した身内同士の茶番劇だ。『資料出しません、しかし工事は進めます』これでは納得できない」と批判しました。

土砂費用45億円も過大 ただちに契約を見直せ

 小池氏は、辺野古の埋め立てに使う土砂の単価が立方メートル当たり5370円で、3年前のケーソン(箱型の護岸)新設工事の3倍にのぼると明らかにし、過大な税金を使った不当な契約を直ちにやめるよう求めました。

 小池 3年前の工事の際の岩ズリ単価は立方メートル当たり1870円だった。なぜこんなに高いのか。

 鈴木敦夫整備計画局長 埋め立て工事の開始前に需要が増加し、単価が変動した。

 小池 理由の説明になっていない。埋め立てに必要な土砂は129万立方メートルだから、45億円も過大な費用を払っていることになる。

 小池氏は、台風で公共桟橋が使えなくなった際、土砂の搬入に使用する桟橋を設置した「琉球セメント」社の見積もり単価がそのまま採用されていると明らかにし、工事に協力した“見返り”ではないかとただしました。

 小池 何社の見積もりを受けたのか。

 計画局長 13社に対して依頼をし、回答があったのは1社。

 小池氏が「琉球セメントではないか」とただしたのに対し、鈴木氏は「会社のセキュリティーもある」と言及を拒否。「公共事業だぞ!」と議場は騒然としました。鈴木氏は「会社に確認をとってからお答えをしたい」と述べ、琉球セメントだと事実上認めました。

 小池氏は、「琉球セメントに45億円をプレゼントして専用桟橋を使わせてもらったことになる」と指摘。「国民の理解が得られると思うのか。直ちに契約を見直すべきだ」と主張しました。

高さ制限超の建物358件 米国なら基地つくれず

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(写真)出典:報道等により小池晃事務所作成

 小池氏は、辺野古に新基地がつくれない理由として、高さ制限の問題もあると指摘しました。

 米軍の基準では、滑走路から45・72メートルの上空で、滑走路の中心から半径2286メートルの空域を「水平表面」としています。辺野古新基地の滑走路は標高約10メートルとされ、高さ54・52メートルを超える建物があってはならないことになります。国立沖縄工業高等専門学校など多くの周辺の建築物が、米軍の定める高さ規制の基準に抵触します。

 防衛省の鈴木敦夫整備計画局長は、54・52メートルを超える物件は358件あることを明らかにしました。

 小池氏は、高さ制限に抵触する建物に小・中学校や郵便局、高専の学生寮もあり、政府が地元への説明で「基本は海の上を飛ぶ」としているが、普天間基地の米軍ヘリは勝手気ままに飛び回っていると指摘しました。

 岩屋毅防衛相は「安全対策をとってもらうよう米側に申し入れる」などとするだけ。小池氏は「飛ぶなといっても米軍が守らないのが実態だ。そもそもアメリカではつくれない基地をなぜ沖縄でつくれるのか」と批判。「辺野古は、海底も地上も、基地をつくれるような条件はない」と指摘しました。

外来機飛来1月は最多 「危険除去」は口先だけ

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(写真)出典:沖縄防衛局の資料から小池晃事務所作成

 小池氏は、政府が「普天間基地の危険性除去」のための「辺野古移設」といいながら、同基地で米軍の横暴勝手な運用を野放しにして危険性を激化させていると告発しました。

 防衛省の中村吉利地方協力局長は、普天間基地での米軍機による日米騒音防止協定違反の深夜・未明の離着陸について、昨年2月から今年1月まで、常駐機だけで649回にのぼると説明しました。

 小池氏は、他の基地所属の外来機の離着陸が増加していると指摘。防衛省は、今年1月の外来機の離着陸が378回で、調査開始以来最高となったことを認めました。

 さらに小池氏は、2014年に普天間から岩国基地(山口県)に移転したはずのKC130空中給油機の離着陸が増加していると指摘。中村氏は、KC130の今年1月の離着陸は49回に達すると答弁しました。小池氏は「全く『負担軽減』になっていない」と批判しました。

 さらに、安倍政権が沖縄県と約束した「普天間基地の5年以内の運用停止」についてただしました。

 小池 「5年以内の運用停止」を米国に正面から要求したか。

 首相 米側に説明してきた。相手があることだ。

 小池 要求は一度もしていない。「決意表明」しているだけだ。「危険性の除去」など口にする資格はない。「辺野古が唯一」という限り、普天間は固定化される。新基地強行をやめ、米国に普天間基地の無条件撤去を求めるべきだ。


速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。

 統計不正問題について聞きます。

 うそをついていたけれども隠蔽ではない、本当にあきれる報告書でした。

 厚生労働大臣に聞きます。特別監察委員長の樋口美雄さん、厚生労働省のどのような審議会や研究会の委員に就任し、どのような役職に就いておられますか。



○国務大臣(根本匠君) じゃ、申し上げます。

 労働政策審議会、実践型地域雇用創造事業等選抜・評価委員会、平成二十六年度以降ですけど、戦略産業雇用創造プロジェクト評価・選定委員会、ジョブ・カード制度推進会議、雇用政策研究会、地域活性化雇用創造プロジェクト評価・選定委員会、労働政策審議会労働施策基本方針部会、毎月勤労統計調査等に関する特別委員会に御参画をいただいています。



○小池晃君 役職もと言ったはずですが。



○国務大臣(根本匠君) 労働政策審議会は会長、実践型地域雇用創造事業等選抜・評価委員会は会長、戦略産業雇用創造プロジェクト評価・選定委員会は会長、ジョブ・カード制度推進会議は座長、雇用政策研究会は座長、地域活性化雇用創造プロジェクト評価・選定委員会は会長、労働政策審議会労働施策基本方針部会は部会長、毎月勤労統計調査等に関する特別監察委員会は委員長となっています。



○小池晃君 会長、会長、部会長、座長。

 平成二十六年以前も示してくださいよ。それは要求してあるはずです。



○国務大臣(根本匠君) 平成二十六年度以前については、例えば、平成十七年一月から平成二十五年四月までの間、労働政策審議会の臨時委員を務めていただいたと承知しています。



○小池晃君 例えばじゃなくて、ほかにもホームページで調べただけでいろいろありますよ。ちゃんと言ってください。これ、もう木曜日から資料要求しているんですから。



○国務大臣(根本匠君) 厚生労働省の審議会、研究会等の委員就任状況について過去に遡って網羅的に調査するためには一定の時間を要することから、過去五年間について調査した結果をお示ししたものであります。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。



○国務大臣(根本匠君) 過去五年間より前ということであれば、一定の時間を区切って調査することについては事務方に検討させたいと思っておりますが、要は、省内全部局に照会を掛けて回答を集約してそれを確認する作業が必要となるため、一定の時間をいただきたいと思います。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。



○国務大臣(根本匠君) 一定の時間はいただきたいと思いますが、調べさせて早急に出します。



○小池晃君 一定の時間と言うけど、私、木曜日にこのことは資料要求しているんですよ。先週の木曜日ですよ。で、平成二十六年以降の分が昨日の夜出てきたんですよ。どうなっているんですか、厚生労働省。こんなんじゃ議論できないですよね。

駄目です、ちゃんと出してください。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。



○国務大臣(根本匠君) 事務方に確認をいたしました。一定の時間を要するので、過去五年間について調査した結果をお示ししたものでありますが、早急に、早急に調べさせます。

 その先週の木曜日からということについては、大変申し訳なく、おわびをいたします。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記止めて。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。



○国務大臣(根本匠君) 樋口委員の労政審での肩書は、平成十三年から平成十七年の一月まで委員、平成十七年一月から平成二十五年三月まで臨時委員、平成二十五年四月から現在までは委員で会長をしていただいております。



○小池晃君 ホームページ調べただけで、私、平成二十三年十二月現在で労働政策審議会点検評価部会部会長代理というのがありましたよ。だから、今のは全然駄目なんですよ。はっきり言って、すぐに出てこないぐらいいっぱいやっているわけでしょう。さっきも幾つも幾つも出てきたじゃないですか、会長、部会長と。しかも、現在、厚労省所管の独立行政法人労働政策研究機構の理事長ですね。

 大臣ね、大臣、聞いてください。日弁連の企業等不祥事における第三者委員会ガイドライン、企業から独立した委員のみをもって構成されることが原則なんですね。これ、企業は官庁にも当てはまるわけですよ。先ほど議論ありました。

 私は、樋口さんの人格、識見を問題にしているわけではありません。そういう能力をお持ちなのかもしれません。問題は国民から見てどうかなんですよ。これだけ幾つも幾つも厚生労働省の審議会の役員をやっている。さっき頼りにしているだけだと言ったけれども、そうじゃないでしょう、これ、もう一心同体じゃないですか。やっぱりさっきの質疑、午前中のを聞いていても、かなり厚労省と息の合ったところ見せていましたよ。やっぱり、こういう方を第三者委員会の長に据えて、国民が見てこれを中立公正というふうに見られるのかどうか、国民がどう思うかなんですよ。

 大臣、どう思いますか。こういう樋口さんで公正中立な第三者委員会になりますか。その資格を欠いているんじゃないですか。



○国務大臣(根本匠君) 樋口委員長については、統計委員会の委員長を務めるなど、その個人の資質に着目して樋口氏しかいないということで特別監察委員会の委員長をお務めいただいております。

そして、樋口委員長が労働経済研究の分野において非常に優れた業績を有しておられるからお務めいただいたということであって、そのことが特別監察委員会の委員長としての適格性に疑念を抱かせるようなものではないと考えています。



○小池晃君 統計の問題というのは、統計不正というのは、公正な行政が行われているかどうかの問題なんですよ。だから、この問題をやっぱり検討する第三者委員会に最も求められているのは、中立公正であることなんですよ。厚労省からきちんと独立した委員会であるかどうかなんですよ。

 その委員会の委員長がこれだけ厚生労働省と一体になって、この間、厚労省の政策を策定する中心になって据わってきた人だということになるわけでしょう。日本経済新聞の社説も、第三者性を満たさない委員会では十分な調査が元々望めない、利害関係のない真の第三者委員会による検証が信頼回復の第一歩だと。私、本当、そのとおりだと思いますよ。

 総理ね、繰り返しますが、私は樋口委員長の識見、能力を問題にしているんじゃない。国民から見て、これだけ厚労省と一体となって仕事をやってきた人を検証委員会の、監察委員会のトップに据えて、国民がこれを公正中立というふうに見るのかどうか。世論調査見たって、六割以上の人が特別監察委員会の再調査には納得できないと言っていますよ。

 私は、やっぱり本当に信頼を得ようと思ったらば、特別監察委員会の委員を入れ替えてもう一回やり直すべきだと思う。総理、いかがですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 厚生労働省の特別監察委員会は、二月七日に元最高検検事の方を事務局長に迎え、民間有識者で構成される事務局が新たに設置をされ、より独立性を強めた形で裏付けや検証作業を進めていただいたものと承知をしています。

 また、樋口委員長は、統計委員会の委員長を務めるなど、統計の専門家であるとともに、労働経済研究の専門家であること等から、その個人の資質に着目して委員長をお務めいただいているものと承知をしております。

 なお、樋口委員長は、検証作業は他の委員との合議により進めており、検証に手心を加えることは断じてない旨、これまでの国会質疑でも答弁していると承知をしております。

 厚生労働省の審議会、研究会で委員をお務めいただいている理由は、樋口委員長が労働経済研究の分野において、今、小池委員も認めていただいたように、非常に高い識見、優れた業績を有しておられるからであって、そのことが特別監察委員会の委員長としての適格性に疑念を抱かせるようなものではないと考えております。



○小池晃君 私の質問に全く答えていないと思いますよ。私は、人格、識見、能力を問題にしていないと言ったじゃないですか。国民から見て中立なのかということなんですよ。

 総理、国民から見て中立な組織だというふうに映りますか、樋口さんを据えておいて。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、ですからですね、ですから、今申し上げましたように、この樋口先生は統計の専門家であり、労働経済学の専門家であるという点に着目をしているということを申し上げておりますので、御理解をいただけるのではないかと、こう考えております。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私はお答えをしているつもりですよ。私のお答えが小池委員の気に食わないかもしれませんが、私は誠実にお答えをさせていただいておりますよ。私がお答えをさせて、済みません、済みません……(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは私の印象ですから。ちょっと……(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 答弁が聞こえないから。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。今答弁中で……(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。答弁が聞こえないから。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 答弁中でありますから、委員長も私の答弁聞こえないと思います。

小池さんも聞こえないと思いますから、少し……

(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 御静粛に。答弁が聞こえませんから。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) よろしいですか。

 私が答えているのは、言わば厚生労働省に手心を加えている、くれるかもしれないから選んだのではないということを申し上げているわけでありまして、先ほども中立性が、中立性が、中立性が疑われるのではないかということでありますから、中立性が疑われることがない人事を行っているというのが私のお答えでありまして、それはまさに専門家であるということを理由に選んでいるということでありまして、まさに、労働経済学の専門家であり、統計の専門家である方を選ぶのは、これは自然ではないかと、こう考えているところでございまして、それ以外には答えようがないということでございます。

 まさに、国民の皆様にも御理解をいただける、御理解をいただけるのかということでございますから、御理解をいただけるのではないかというのが私の考え方でございます。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 総理にお願いします。

 答弁について、言葉に注意して、できるだけ分かりやすく丁寧にお願いしたいと思いますので、もう一度答弁をよろしくお願いいたします。(発言する者あり)

 速記を止めて。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、私は、私は既に答弁をしているつもりであります。ですから、国民から理解されるのかというのが質問だったわけでありまして、ですから私は先ほど答えたじゃないですか。

 ですから、私が答えたのは、言わば専門家というところに着目をしてお願いをしたということがまさに答えであって、厚労省に手心を加えてもらおうということで着目を、任命理由にしたのではないということでございまして、それは今まさにこう申し上げているのですから、国民の皆様に御理解をいただけるのではないかと、こう申し上げているわけでありまして、お答えに沿っていると、こう考えているところでございます。(発言する者あり)



○小池晃君 私はあの答弁気に食わないなどという態度じゃないですよ。気に食わない、撤回してください。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) それは私の受けた印象でございます。それは、つまり私は答えているわけでありまして、答えているのに答えていないというのを私がおかしいと思うのは、それは私の印象でありまして、そう申し上げたところでございます。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) それじゃ、速記を起こしてください。

 総理にお願いいたします。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 私が気に食わないと申し上げたのは、小池委員の意に沿わない答弁だったかもしれませんがと、そういう意味で言ったわけでございまして、小池委員の気持ちを害したのであれば、それは意に沿わないという意味だったというふうに訂正をさせていただきたいと思うのでございますが、私は誠実に答弁させていただいているつもりでございます。



○小池晃君 私は、手心を加えているんじゃないかなんて一言も言っていませんからね。やっぱり樋口さんがこの間やってきたことを見れば、国民から見れば、厚労省と一体の人なのではないかと、第三者性、中立性があるのかと見られるでしょうと言っている。私は、これ理解得られないというふうに思いますので、内容以前の問題だということを申し上げたい。今後もこの問題を取り上げたいと思います。

 沖縄で辺野古新基地の是非を問う県民投票が行われました。(発言する者あり)やじ、ちょっと静かにさせてください。その結果、全市町村で反対が上回りました。そして、全県で反対が七割を超えました。昨年の県知事選挙での玉城デニー知事の過去最高の得票を上回りました。しかも、総理、今回の投票というのは、これは基地建設のための埋立ての賛否の一点で問う投票です。

 私、確認したいんですが、総理、この投票結果が示している民意は、辺野古新基地建設には反対ということですね。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 県民投票の結果については、政府として評価を加えるようなことは差し控えたいと、こう考えております。



○小池晃君 評価、じゃ、これが辺野古反対の民意だということを認めないんですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 結果については、先ほど来申し上げておりますように、真摯に受け止め、基地負担の軽減に全力を尽くしていきたいと、こう考えておりますが、県民投票の結果について政府として評価を加えるようなことは差し控えたいと思います。



○小池晃君 評価じゃないですよ。県民投票で問われたのは埋立ての賛否でしょう。それが圧倒的に反対だったんでしょう。だったらば、この県民投票が示した民意は辺野古反対じゃないですか。

それが何で言えないんですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに今お答えをさせていただきましたように、この県民投票の結果につきましては、その結果を我々は受け止めて、真摯に受け止めているわけでありますが、その結果について評価を加えることは差し控えたいと、こう思っているところでございます。



○小池晃君 じゃ、総理が受け止める結果とは何ですか。真摯に受け止める結果とは何ですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 我々は、まさに沖縄県に基地、米軍基地が集中をしていると、この集中をしていることに対するこの県民の気持ちについては、これはしっかりと受け止めていきたいと、真摯に受け止めていきたいと、こういうことでございまして、ただ、県民投票の、県民投票の結果については政府としては評価を加えることは、ようなことは差し控えたいと、こう考えております。



○小池晃君 あのね、何でこんなことが認められないんですか。この県民投票は、辺野古の埋立ての賛成ですかと、反対ですかという投票ですよ。

それが反対が多数だったんですよ。

 ならば、この結果は、沖縄の民意は、辺野古の新基地建設反対というのは沖縄の民意だ、イエスかノーか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに選挙の結果についてはですね、まさに選挙の結果について私たちは真摯に受け止めている、結果については受け止めているわけでありますが、その結果についての政府として評価を加えることは差し控えたいと、こう考えておるわけであります。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) じゃ、速記を起こしてください。



○小池晃君 今回の県民投票の結果は、辺野古の新基地建設反対ということが示された結果だということですね。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) それはまさに小池委員が言われたとおりでありまして、その結果を我々は真摯に受け止めているわけでございますが、政府としては評価を加えるようなことはしないということでございます。



○小池晃君 よっぽど辺野古の新基地建設反対という言葉を言いたくないんですね。これが揺るがぬ民意なんですよ、沖縄の。しかも、宜野湾の市民だって反対なんですよ。最も苦しめられている宜野湾市民が反対なんですよ。やっぱりそのことを本当に受け止める必要がある。

 それなのに、あなた方は、投票の翌日、私、先週、沖縄へ行ってきましたけど、土砂投入続けています。さらに、新たなK9護岸、護岸の建設まで始めました。K8だ、K8護岸。もってのほかじゃないですか。この県民投票の結果は辺野古新基地建設反対だということを認めたんだから、だったら、工事を一旦中止するって当たり前じゃないですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) この普天間飛行場をめぐる問題の原点は、住民や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間の全面返還を一日も早く実現をし、その危険性を除去することであります。他方、普天間飛行場の持つ機能は、我が国の平和と安全の確保のため、必要不可欠なものであります。

 平成八年、米国との間で普天間の全面返還で一致した橋本総理はこう述べています。普天間飛行場が現に果たしている非常に重要な能力と機能を維持していかなければならないと。

 このため、抑止力を維持しながら、普天間飛行場の危険性を除去するため、普天間の三つの機能のうち二つを県外へ、残りの一つを辺野古に移設して普天間飛行場を廃止をする。この根本的な危険性の除去を一日も早く実現しなければならないと考えているところでございますし、また、辺野古移設は沖縄に全く新しい基地を増やすものではありません。普天間飛行場が三つの機能のうちの一つに絞って、かつ規模も大幅に縮小した上で移設するものであり、負担軽減に大きく資するものと考えております。普天間飛行場が固定化され危険なまま置き去りにされることは絶対に避けなければならないと考えています。

 政府としては、今後とも、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、普天間の一日も早い全面返還を実現し、そして基地負担の軽減を図るため、全力で取り組んでいく考えであります。



○小池晃君 普天間の返還は県民の悲願ですよ、当然なんですよ。でも、それを最も望んでいるはずの宜野湾の市民の六六・七%は辺野古に反対だと言っているんですよ。最もつらい思いをしている人たちが、同じ苦しみを味わわせたくないといって三分の二以上の人が反対しているんですよ。

 いろいろ今言われたけれども、反論することは山ほどある。基地は巨大基地ですよ、普天間基地に比べて五倍ですよ、キャンプ・シュワブ加えればね。負担の軽減なんかとんでもない。しかし、そうしたことをあなた方はさんざん言ったけれども、県民はそれでも駄目だという審判下したんじゃないですか。それをどう受け止めているのか。

これ、民主主義の問題なんですよ。これだけはっきりした民意を踏みにじる国が民主主義の国と言えるのかという問題なんですよ。

 しかも、超軟弱地盤の問題が出てきているわけです。この問題で、我が党の志位和夫委員長の質問に対して、初めて変更承認申請を行うというふうに表明しました。しかし、玉城デニー知事は、辺野古に基地を造らせないという亡くなった翁長知事の遺志を受け継いで当選をし、そして今回の県民投票で圧倒的な民意が示されたんですよ。民意に反することなどできるわけないじゃないですか。設計変更承認を玉城デニー知事に求めるということは、民意に反することを知事にやれということですよ。

 総理、そんなことが許されるんですか。総理、そんなことが許されるんですか。



○国務大臣(岩屋毅君) 総理から御答弁がありましたように、私ども、今般の県民投票の結果は真摯に受け止めたいというふうに思っております。

しかし、一方で、一方で普天間基地の全面返還を果たしたいということも沖縄の皆さんの強い民意であるというふうに思います。

 防衛当局としては、今、日本の守りの最前線であります南西地域の防衛態勢を強化しているところでございます。自衛隊の部隊も順次置いていっているところでありますけれども、我が国自身の努力と在沖米軍の抑止力によってこの南西地域をしっかりと守り、日本を守っていかなければいけない、そういう責任も私どもは負っております。

 したがいまして、この抑止力を維持しながら何としてもこの普天間の全面返還を果たしたいと、それにはこの方法しかないということを累次にわたって日米間で確認をしてきたところでございます。ここは何とか御理解をいただいてこの事業を前に進めさせていただきたいと、最終的に沖縄の皆さんの負担軽減を実現して、お気持ちに沿えるような結果を生み出してまいりたいというふうに思っております。



○小池晃君 そういって二十三年間動いてこなかったわけじゃないですか。辺野古移設を条件にする限りは、普天間の撤去できないんですよ。それがこの間の歴史が示しているわけですよ。

 そして、そもそも辺野古には基地など造れるのか。軟弱地盤が九十メートルです。七万七千本の砂ぐい。しかし、日本には六十五メートルまでしか工事の実績はない。九十メートルまでくいを打てるサンド・コンパクション・パイル工法の船はない。技術的に不可能じゃないですか。



○国務大臣(岩屋毅君) これは、私どもが今審査請求を受けるに当たって国交省に提出したあの報告書の中にこのボーリング調査の結果が含まれておりまして、沖縄県さんの今般出された意見書を通じてあの一部が紹介をされているところでございます。したがって、本来、審査請求が終わるまでは公表をしないという考え方でございましたが、お話しできるところを今お話をしております。

 今、先生がおっしゃった九十メートルというお話ですけれども、私ども、検討の結果、最深度七十メートル、最大施工深度は水面下約七十メートルで、七万七千本のサンド・コンパクション・パイル工法、サンドドレーン工法を用いれば所要の安定性を確保して施工が可能であると、そして、七十メートル必要な部分は全体の数%にとどまると、約七割は四十メーター以下の施工で、十分に安定的な施工が可能であるということを専門家にも見てもらい、沖縄防衛局で確認をさせていただいているところでございます。



○小池晃君 今紹介がありました報告書にはこう書いてあります。専門工事業者へのヒアリングから、現有作業船の能力等を考慮し、改良可能な最大深度はマイナス七十メートル程度とする。

 つまり、現有作業船の能力では最大深度が七十メートル程度だから、それに合わせて七十メートル以下は地盤改良工事の必要がないと言い出したんじゃないですか。



○国務大臣(岩屋毅君) それは違います。室内試験の結果、その七十メートルを超える下の部分には固い粘土層がある、したがって最大施工深度は七十メートルで十分に安定的な施工が可能であると、こういうことを確認をさせていただいているところでございます。



○小池晃君 報告書に書いてあるでしょう。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 小池晃君、再度質問してください。



○小池晃君 私は、報告書には工法船の能力から七十メートル程度とすると書いてあると言っているじゃないですか。



○国務大臣(岩屋毅君) 報告書はあくまでも私ども公表しないと、審査請求が続いている段階においては公表しないという前提で、私どもが確認をしたお話しできることをお話をさせていただいているわけでありまして、安定的な施工は可能であるという結論を得ているところでございます。



○小池晃君 安定的な工法は可能である、しかし根拠は示さない、報告書は出しません、こんなので納得できるわけないじゃないですか。

 大体、係争中だから出せない、係争中だから出せないと言うけど、係争って何ですか。防衛省の沖縄防衛局が国土交通省に不服審査やっているんでしょう。身内同士の茶番劇みたいなことをやっているんじゃないですか。こんなことをやっていたら、いつまでたったって延々と資料は出せないということになりますよ。

 資料は出しません、しかし工事は進めます、こんなことで、総理、納得できると思いますか。



○国務大臣(岩屋毅君) 今、先生、工事を進めているのは大浦湾側ではございません。辺野古側で工事を行っているわけでございまして、そして、審査請求等が終わりますればしっかりと説明をさせていただきたいというふうに思っております。



○小池晃君 別の工事じゃないですよ。一体の基地を造っているんですよ。半分以上のところが、この大浦湾側はもう設計すらできない段階なんですよ。そういう状況なのに、今みたいな説明は全く通用しない。

 委員長、今年一月に沖縄防衛局に提出された地盤に係る設計・施工の検討結果報告書の提出を政府に求めていただきたい。



○委員長(金子原二郎君) 後刻理事会で検討させていただきます。



○小池晃君 それから、大臣、衆議院で我が党の赤嶺政賢議員に、地盤改良の深さは必ずしも十分に固く安定した土層に達する深度まで施工しなくてもよいと答弁されました。つまり、七十メートルより下は十分に固く安定した土層ではないということですね。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、今回検討した土の層の一つ、粘性土でございますけれども、これは水面下約九十メートルまで存在していましたことから、水面下約九十メートルまでの地盤の強度、これを検討対象に含めたところでございます。

 その検討の結果、この土の層は水面下約七十メートルより深いところについては非常に固い粘土層に分類されるなどの所要の強度を有しているということが確認されたということでございまして、今回の検討におきましては、先ほど御説明申し上げましたように、水面下約七十メートルまで施工することで地盤の安定的な、安定性が確保できるということが確認されておるというところでございます。



○小池晃君 私が聞いているのは今の話じゃないんです。大臣の、衆議院の予算委員会で赤嶺議員に答えたでしょう。地盤改良の深さは必ずしも十分に固く安定した土層に達する深度まで施工しなくてもよいと大臣答えていますよ。ということは、七十メートルより下は十分に固く安定した土層ではないということでしょう、九十、その間は。



○国務大臣(岩屋毅君) 今局長が説明させていただいたことを赤嶺先生にもお答えをさせていただいたつもりでございます。つまり、七十メートルより下には非常に固い粘土層があるということから、その施工深度は七十メートルで済むと考えておりますというお話を赤嶺先生にもさせていただいたつもりですけれども。



○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。

 先日、赤嶺議員に岩屋防衛大臣の方から御答弁を申し上げましたところにつきましては、一般論と申しまして、そうした、要するに、施工するところ以下、下に、必ずしも、地盤改良を要するところというのは、軟らかい地盤、そこまで全て改良しなければ安定的な地盤が確保できないかというと、そういうことではございません。土木工学的に、ちゃんとした専門家、そうしたものの検討の結果、一定の深さまで施工すれば、その施工は一般的な工法、いわゆるこれまで申し上げたサンド・コンパクション・パイル、サンドドレーン工法でございますが、こうしたものできちっと十分な安定が確保できるということを大臣は先日の赤嶺議員に対して御答弁申し上げたという次第でございます。



○小池晃君 つまり、軟らかいところは大丈夫だということでしょう。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 土木工学的に申し上げれば、施工をこうした形のサンドコンパクション、サンドドレーンで対応するところの施工というのは、必ずしも固い基盤、そこまで施工する必要がない場合もあるということでございます。



○小池晃君 まあちょっとよく、言っていることは何だか分からない。

 結局、やっぱりこれ、データ示さないからこういう議論になっちゃうんですよ。ちゃんと、比較的固い粘土層があるとか見てきたようなことを言うけど、誰もそのデータをもらっていないんだから。ちゃんとそういう情報出してください。

 そして、もしも七十メートルまでしか地盤改良工事を行えない場合に、下部に地盤改良していない粘土質を含む谷埋め堆積物、これは二十メートルほどあるわけですね。そうすると、長期にわたって圧密沈下が起こることは否定できないんじゃないですか。

 関西空港は、一万年前の氷河期以前の洪積粘土、これが堆積していたけど、開港以来四メートル、当初の予想を超えて沈下しているわけですよ。辺野古は、それよりも若い、軟らかい沖積粘土ですよ。だとすれば、長期にわたって深刻な圧密沈下が起こる可能性は否定できないんじゃないですか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 東京国際空港ですとか関西国際空港などの海上埋立工事におきましては、施設の供用後、長い年月を経て沈下が起こるということは一般的でございます。例えば、東京国際空港のD滑走路では、施設の供用開始から百年間の沈下量を六十九センチと見込んだ上で、沈下量をあらかじめ考慮した高さを設定するなど、こうした適切な対応を取っているところというふうに承知しております。

 つまり、沈下量をあらかじめ考慮した造成後の高さの設定をしますとか、それから施設供用後の沈下量を抑える工法の採用、これは圧密促進工事というようなものでございますけれども、こうしたやり方、又は維持管理段階でかさ上げなど、こうした対策を講じることによって安全性に問題なく施設を供用させるということができるものだというふうに考えてございます。



○小池晃君 だから、関空などより辺野古の場合は深刻な圧密沈下が起こる可能性を否定できませんね。



○政府参考人(鈴木敦夫君) いずれにいたしましても、先ほど申し上げたような対策、こうしたものを講じれば十分に安全な施設として供用させることができるというふうに考えてございます。



○小池晃君 いずれにしてもと言いながら、沈下することは否定できなかった。これ、私、もし、もし万が一工事が可能だったとしても、これ本当に使い物にならないようなものになる可能性ありますよ。どんどんどんどん沈下していくような、そういう基地になる可能性ありますよ。

 しかも、地盤改良に必要な砂の量は六百五十万立方メートルです。これは沖縄県全体の砂利の採取量の数年分に当たると言われている。沖縄の全ての工事を止めて、全部辺野古に投入するんですか。地盤確保のための、砂ぐいのための六百五十万立方メートルの砂の確保、できないんじゃないですか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 普天間飛行場代替施設建設事業の地盤改良に係る砂の調達先については、まだ現時点では確定していないものの、調達は可能であると考えております。詳細については今後検討してまいります。

 可能だと申し上げましたのは、例えばサンドコンパクションですとかサンドドレーン、こうしたものの工法といたしまして、東京国際空港の再拡張事業におきまして、サンドコンパクション又はサンドドレーン工法で合わせて二十五万本、関西国際空港の第一期事業におきまして同じ工法による約百三万本、それから関西空港第二期事業において約百二十万本の、こうした実績ございます。

こうしたことを踏まえますと、こうしたところからも砂は調達できているわけでございますから、普天間につきましては、詳細はこれから、今後検討させてはいただきますけれども、調達は可能であるというふうに考えてございます。



○小池晃君 これから検討するって、六百五十万立米だって書いてあるじゃないですか。これが調達できるんですかと。沖縄県内の砂利採取量の数年分ですよ。年間百三十万、百八十万なんですよ、沖縄では。何で六百五十万が調達可能って今断言できるんですか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 辺野古の場合におきましては、このサンド・コンパクション・パイル工法又はサンドドレーン工法で合わせて七万七千本の砂ぐいが必要であるということでございますので、先ほど申し上げた約二十五万本ですとか百三万本に比べれば数は少ないと。

 それから、ただ、申し上げましたのは、これから地盤改良に係る砂の調達先、これ自体はまだ現時点では確定してございません。ただ、そういう中でも、詳細は検討させていただきますけど、調達は可能であるというふうに考えてございます。

(発言する者あり)

○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。



○政府参考人(鈴木敦夫君) お答え申し上げます。

 今般、普天間の代替施設の建設事業におきましては約七万七千本の砂ぐいが必要であるということは大臣の方から御説明させていただきました。

他方、ほかの事業につきましては、二十五万本でありますとか百三万本、それから百二十万本、こうしたものの実績ございます。

 それから、沖縄につきましての辺野古のこの事業の砂のその調達先でございますけれども、これについてはいろいろと今後検討をしていく。まだ検討を、決定はしておりませんけれども、様々な検討、調達先、これございますので、こうしたことを考えれば、当然のことながらそれが可能であるというふうに考えてございます。ただ、可能であるものの、どこから具体的に幾ら調達してくるかということはまだ決まっておらないということを申し上げている次第でございます。



○小池晃君 結局、言えないんですよ。

 これ、六百五十万、六百五十万立方メートルの砂を沖縄で調達するなんというのは不可能だと沖縄の皆さん言っていますよ、これはね。結局、本土から運ぶといっても、費用どれだけ掛かるんだという話になりますよ。特定外来生物の除去もしなきゃいけない、高熱処理もしなきゃいけない、何年掛かるんだと。

 結局、この工事は、工期も分からない、費用も分からない、果たして本当にこれやっても完成するのかも分からない。こんな公共事業がありますか。

 きちんと、総理、やっぱり工費と工期と、国民に対してきちんと示さないとこれ議論にならないじゃないですか。きちんと示してくださいよ。それを示さないで工事を続行するなんてあり得ない。

工事、中止すべきですよ。総理、総理、答えてください。



○国務大臣(岩屋毅君) 先ほどの砂の話にしても、局長から答弁いたさせましたように、これまでの国内での他の工事実績等を鑑みれば必ず調達はできますし、調達をしてまいります。工事はしっかりと進めさせていただきたいと思っております。

 それから、詳細の設計ができましたならば、あるいは審査請求のその作業が全部完了いたしましたならば、御審判をいただいた後は、できる限りその詳細な設計に基づいて経費あるいは工期についてもしっかりと説明をしかるべき時期にさせていただきたいと思っております。



○小池晃君 だったら、それが出るまで工事止めなさいよ。



○国務大臣(岩屋毅君) ただいま辺野古側、南側で適正な手続にのっとって工事を前に進めさせていただいているところでございます。大浦湾側につきましては、もう一度沖縄県さんに承認を設計変更についていただかなければなりませんので、そういう手続も適切に進めてまいりたいというふうに思っております。



○小池晃君 半分を造った後で、あとはどうなるか分かりません、でも半分は埋め立てさせてください、こんな話通用しますか。全体のきちんとした工費、工期を示さない限り、私は工事を続けるのは無責任だと思いますよ。いかがですか。



○国務大臣(岩屋毅君) 総理が再三おっしゃっておられますように、沖縄の負担軽減を目に見える形で一日も早く成し遂げたいと、普天間の全面返還に一日も早く近づきたいと、こういう思いで事業を進めさせていただいているところでございますので、御理解をいただきたいというふうに思います。



○小池晃君 全く理解できません。

 さらに、辺野古周辺の楚久断層と辺野古断層は活断層だという指摘もされ、研究者による検討も始まっています。そもそも辺野古は、基地を造れるような場所ではないんですよ。

 今、辺野古の埋立てに使っている土砂の岩ズリの単価を示してください。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 現在、埋立てに用いられている岩ズリの平均単価でございますけれども、平成二十九年に発注されたものにつきましては単価は一立米当たり五千三百七十円でございます。



○小池晃君 三年前のケーソン新設工事の際の岩ズリ単価は千八百七十円。三倍も高い。何でこうなっているんですか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 護岸に用いられております岩ズリと埋立工事に用いられている岩ズリの単価は異なりますが、その理由といたしましては、平成二十七年度から平成二十九年度の間に岩ズリを大量に用いることとなる埋立工事を伴う大型事業、例えば那覇空港滑走路の増設事業、こうしたものが本格化いたしまして、平成二十九年に開始した埋立工事の前までに岩ズリの需要が増加したこと等によりまして、埋立工事に用いられますところの岩ズリの単価が変動したというふうに考えてございます。



○小池晃君 今のは単価三倍になる理由にはなりませんよ。四十五億円ですよ、これ。埋立てに要する土砂、百二十九万立方メートルですから、四十五億円、過大な費用を払っている。

 見積りは何社に依頼して、何社から回答ありましたか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 今回の岩ズリの単価につきましては、「物価資料」等に掲載されていない単価であることから、信頼の置ける調査機関において資材価格等の調査を行いまして、その調査結果に基づいたものであり、当省の土木工事等積算価格算定要領に基づき適正に実施しておりますが、十三社に対してこうした調査を依頼いたしました。ただし、回答があったのは一社のみでございました。



○小池晃君 一社の見積単価がそのまま採用されているわけですね。この会社はどこですか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 会社名についてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

 ただし、この岩ズリの単価につきましては、契約図書に基づき、実際の支払状況を確認の上、精算されるものでございますので、防衛省としては、事業を進めるに当たりまして経費抑制というのは非常に重要な課題だと考えていることでございますから、各年度の予算要求の段階において、所要額を精査しつつ適切かつ厳格な予算執行に努めてまいりたいと、予算抑制に努めてまいりますということでございます。

 こちらの先ほど示しました数字というのは、あくまでもこの予算上の要求の段階における所要額、これでございます。これを精査しつつ、実行の段階では厳格な予算執行に努めてまいりたいということでございます。



○小池晃君 何で会社言えないんですか。以前説明したじゃないですか、防衛省は。琉球セメントの安和鉱山から搬出しているわけでしょう。認めてください。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 工事の安定的な施工ということの観点から、会社名については、まあ会社の要望等もございまして、控えさせていただきたいということでございます。



○小池晃君 だって、私、先週行ってきましたよ、琉球セメントの安和桟橋の前に。琉球セメントから運んできているんですよ、みんな知っているんですよ。何でこんなこと隠すんですか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 会社としてのセキュリティーの観点ということもございます。(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めてください。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。



○政府参考人(鈴木敦夫君) かつて、この工事に携わる企業に対して、ある団体等又は個人から非常に攻撃的な行動があったということがございますので、そうした観点で関係の会社についてその名前を公の場で申し上げることは控えさせていただいているという次第でございます。



○小池晃君 じゃ、そんなに言えないんだったら、私が固有名詞として出した企業でいいんですね。

(発言する者あり)



○委員長(金子原二郎君) 速記を止めて。

〔速記中止〕

○委員長(金子原二郎君) 速記を起こしてください。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 御指摘の会社に確認を取ってからお答えしたいというふうに考えてございます。



○小池晃君 まあ事実上認めたということですよね。

 結局、公共桟橋が台風で使えなくなって困ったときに、琉球セメントの桟橋から積み出したわけですよ。そこに対して三倍もの単価の岩ズリを発注して、総量としては四十五億円ですよ、超過。

四十五億円プレゼントして桟橋使わせてもらったという話になりませんか。

 総理ね、こういうやり方に国民の理解得られると思いますか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) まさに私たちは辺野古の全面返還を一日も早く実現したいと、こういう思いで取り組んでいるところでございます。

その上において、国民の皆様の……(発言する者あり)失礼しました、普天間のですね、一日も早い全面返還に向けて全力を尽くしているところでございまして、その考え方の下に国民の皆様の御理解を得る努力をしていきたいと、こう考えているところでございます。



○小池晃君 全く答えていないですよ。こんな契約は見直すべきだということを申し上げておきたいと思います。

 辺野古の危険は海底だけではありません。高台にある国立沖縄高専の校舎などは、米軍機の安全を規定する高さ制限を超えております。防衛省に聞きますが、アメリカ国防総省の高さ規制を定める基準、説明をいただきたい。そして、辺野古では多くの建物がこれを超えています。こんな場所に基地は造れないんじゃないですか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 普天間飛行場代替施設を含めまして、米軍が運用する飛行場につきましては、米軍が定めている飛行場及びヘリポートに係る計画及び設計についての統一施設基準が適用されるということと承知しておりまして、この基準においては、航空機の安全な航行を目的といたしまして、飛行場の周辺空間に水平表面等の基準を設定しているというふうに承知しております。ただし、この統一施設基準自体に適用除外が明記されておりまして、米軍の内部の審査において安全性が確認されれば、水平表面を超える物件があっても差し支えないというふうに取り扱われているところでございます。

 キャンプ・シュワブ周辺の建造物がこの統一施設基準に照らして航空機の航行の障害となるか否かについては、飛行場の運用形態等を踏まえまして、米軍との個別の調整を経て判断されるものでありまして、米軍がこれまでのところ統一施設基準に照らしまして、一部の鉄塔等を除き、地形や建造物の存在が水平面との関係で飛行の支障となるというような問題意識を示したことはございません。



○小池晃君 もうアメリカの言ったままを言っている感じですが、辺野古の新基地というのはこの滑走路の高さが十メートルありますから、その空域には高さ五十五メートルを超える建物はあってはならないというのが国防総省の基準になるかと思います。

 五十五メートルを超える建物、物件はこの水平表面に幾つありますか。最大のもので高さ制限をどれだけ超えますか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど申し上げました統一施設基準によれば、キャンプ・シュワブ周辺における設定される水平表面は、厳密に言いますと標高五十四・五二メートルとなります。こうしたこの事業実施に当たりまして、キャンプ・シュワブ周辺におけるこの物件等を把握することが米軍との調整においても必要なことでございますので、平成二十三年から平成二十四年にかけまして沖縄防衛局において調査を実施しまして、当時の調査結果では三百五十八件の水平表面、つまり標高五十四・五二メートルを超える高さの物件があったというふうに承知してございます。その中で最も高いものにつきましては、沖縄電力の鉄塔で、物件の標高は百二・六一メートルというふうに承知してございます。

 ただ、これは繰り返しになりますけれども、こうした個々の建造物が統一基準に照らして航空機の航行の障害になるか否かについては、飛行場の運用形態等も踏まえまして、米軍との個別調整を経て判断されるものでございまして、米軍がこれまでのところ、統一基準に照らして、一部の鉄塔等を除きまして、その地形や建造物の存在が水平表面との関係で飛行の支障となるという問題意識を示したことはございません。



○小池晃君 具体的な物件、挙げられるものを、それから所有者、利害関係者に説明しているかどうか、しているならその中身をお願いします。



○政府参考人(鈴木敦夫君) こうした米側との調整状況を踏まえまして、沖縄防衛局から、平成二十七年六月十一日に、通信業者ですね、それから、同年、通信業者と申しますのは、NTTドコモ、ソフトバンクモバイル、それから沖縄セルラー電話でございます、そして、同年八月十二日に沖縄電力に対しまして、制限表面について説明を行った上で鉄塔等に係る依頼を行ったということでございます。

 なお、御地元の方につきましても、沖縄防衛局から、平成三十年四月十一日に沖縄高専や地元の自治会等に、それから、同月、四月十二日に名護市に、それから四月十六日に沖縄県へ既に説明を行っているというふうに承知してございます。



○小池晃君 私も現地行きましたけれども、ほかにも久辺小学校、久辺中学校、久辺郵便局、沖縄高専の学生寮もあります。かつて核兵器の貯蔵が問題になった米軍の辺野古弾薬庫もございます。

 結局、今の説明だと、要するに除外される、適用除外になる、基本は海の上を飛ぶので安心だと、そういう説明しているだけでしょう、自治体にも。

そうでしょう。そういう説明で住民の納得得られると思いますか。



○政府参考人(鈴木敦夫君) 先ほど申し上げました地元の説明状況でございますけれども、地元の方々には、この普天間代替施設の周辺には水平表面と呼ばれる、先ほど申し上げました、こうした水平表面と呼ばれる建物等の高さを制限する区域が設定される予定であること、それから、その当該区域内に所在する沖縄電力等の送電線の鉄塔など航空機の運航障害になり得る物件については移設等の調整を行っておりますということを申し上げました。

 他方、沖縄工業、沖縄高専ですね、こうしたところにつきましては、高台に所在しているため、先ほども申し上げました標高約五十五メートルという高さ、これを超えることになりますけれども、米軍との個別調整を踏まえまして、航空機の運航の障害となることはならないから移転等の必要はないということを御説明しているというものでございます。



○小池晃君 あのね、仮に米軍が適用除外を認めたとしても、住民からすれば米軍の高さ制限超える建物なんですから、これ不安あるのは当然だと私思いますよ。しかも、赤嶺議員の質問主意書で、航空機が場周経路から外れた飛行をするやむを得ないケースがあることは否定し得ないと言っているんですよ。

 米軍が約束を守らないというのはもう周知の事実じゃないですか。もう普天間の周辺だって勝手気ままに飛んでいるじゃないですか。私が先週辺野古に行ったときに、辺野古の陸上部をオスプレイが二機、もう飛んでいますよ。こういったことが日常的に起こっているわけですよ。安全だなどと言っても、何の保証もないんじゃないですか。



○国務大臣(岩屋毅君) これまでもそうでございますけれども、米軍の航空機の運用、運航については安全対策をしっかり取ってもらうようにしっかりと私ども申し入れてまいりますし、そもそも、この辺野古に造られる基地、滑走路というのは、飛行経路が陸上部ではなくて……(発言する者あり)いえいえ、だから、そういう意味で危険性は非常に減じることになるということは説明しているところでありまして、これから米国との調整の中で、更に安全な運用、運航についてしっかり私ども申し入れていきたいというふうに思っております。



○小池晃君 お願いします、申し入れますと言って、守りますか。普天間第二小学校で落下物があった後、普天間第二小学校の上を今もどんどん飛んでいるじゃないですか。緑ケ丘保育園に部品がおっこった。お母さんたち、保育園の上飛ぶなと言っている。しかし、守らないじゃないですか、米軍は。それが実態なんですよ。

 大体、アメリカでは造れない基地なんですよ、こんな高さ制限に抵触するような基地を。アメリカでは造れない基地が何で沖縄県では造れるんですか。これは本当に許されない。辺野古というのは海底も地上も基地を造れるような場所じゃないんですよ。

 普天間基地の危険性除去と繰り返しますが、そのための努力しているんだろうか。普天間基地の米軍機の離発着回数、月千五百回を超えることがしばしばです。昨年八月は二千百七十五回に達しています。直近一年間どうですか。そのうち日米騒音防止協定違反の深夜、未明の離着陸は何件ですか。



○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。

 委員御指摘の直近一年間の離着陸等回数、これは外来機のお尋ねかと思いますが、トータルいたしますと千四百七十二回でございます。このうち二十二時から朝、明朝六時までの離着陸等の回数は八回となっているところでございます。



○小池晃君 あのね、外来機と言っていません。

所属機です。



○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。

 昨年二月から本年一月までの常駐機の離着陸等の回数は一万四千二百六十一回となっております。

(発言する者あり)

 深夜、未明につきましては、常駐機につきましては六百四十九回となっております。



○小池晃君 私、すさまじい数だと思いますよ。

これ、離着陸回数、ちょっと後でよく精査します。

ちょっと違うと思うんですが。

 それとは別に、ほかの基地に所属する外来機も増えているわけですよ。

 今年一月、普天間基地の外来機の離着陸、何回ですか。



○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。

 我々の目視調査の結果によりますと、本年一月における外来機の離着陸等の回数は三百七十八回でございます。



○小池晃君 これは普天間基地での沖縄防衛局の調査開始以来最高なんです。

 さらに、先ほど午前中、総理は空中給油機は移しましたと明言しました。しかし、二〇一四年に普天間から岩国に移転したはずの空中給油機の離発着も増加しています。

 今年一月は何回ですか。



○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。

 普天間基地から岩国基地に移駐をいたしましたのは、空中給油機KC130でございます。このKC130の本年一月における離着陸の回数は四十九回でございます。



○小池晃君 どこが岩国に移したんですか。四十九回、一月に、KC130は離着陸しているんですよ、普天間基地に。そのほかに、嘉手納基地所属のKC135空中給油機は七十三回です。だから、空中給油機だけで合計一月で百二十二回普天間飛行場に離着陸をしている。

 総理、これでも負担軽減と言えるんですか。

(発言する者あり)

○国務大臣(岩屋毅君) いえいえ、KC130の岩国飛行場への全十五機の移駐に伴いまして、軍人軍属及び家族約九百名が沖縄県外に転出をしております。

 それから、普天間飛行場における同型機の離着陸等の回数で比較すると、移駐前の一年間は月平均で約百四十一回、移駐完了後の一年間では月平均で三十回、直近の一年間では月平均で十四回ということで、着実に負担の軽減につながっているというふうに考えております。



○小池晃君 このグラフ見えないんですか。増えてきているじゃないですか。



○政府参考人(中村吉利君) お答え申し上げます。

 本年一月については、委員御指摘のとおり、かなりこの空中給油機の離発着多かったところでございますが、その理由については明らかではございませんけれども、考えられます理由といたしましては、隣接する嘉手納飛行場で滑走路の改修が行われております。委員御指摘のとおり、KC135が嘉手納に所属しておりますので、その影響もあるのではないかと考えているところでございます。



○小池晃君 そんなことは分かっているんですよ。

 じゃ、嘉手納が修理中だったら普天間来ていいんですか。普天間の負担軽減というふうに言っているでしょう、危険性除去と言っているでしょう。

 空中給油機移しましたと総理言ったじゃないですか。これでいいんですか。何でこれをやめさせないんですか。

 宜野湾市議会の抗議決議、市内には最大百二十デシベル超の騒音が何度も測定され、市民の生活や健康が脅かされており、市民の安全より軍事訓練が優先される危険な状態に市民の怒りは既に限界に達している、これが宜野湾市民の声なんですよ。

 総理、負担軽減だというふうに繰り返すけれども、全くそうなっていないじゃないか。これに対して、総理、じゃ、トランプ大統領と仲がいい、何度も会っていると。言いましたか、普天間に、こんなことになっていると。やめてくれと言ってくださいよ。言ったんですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) まず、このKC130については、まさにこの……(発言する者あり)普天間からですね、135については、まさに普天間から岩国基地に十五機、これを移駐したわけでございまして、家族も含めれば相当の数が移駐をしたということは事実でございます。

 その上で、先ほどの回数でございますが、嘉手納から来ているということでございまして、ですから、今までずっと、この普天間にいたときにはそれは当然もっと発着回数は多くなるわけでございますが、基本的には今は岩国にいるということでございます。それは申し上げておきたいと、こう思うところでございます。

 そこで、普天間のこの飛行場の、例えばこれ、五年以内の運用停止については、辺野古に移設されるまでの間においても、普天間の危険性除去が重要な課題であるという認識を仲井眞元知事と共有し、埋立承認をいただいて、県と協力しながら辺野古移設を進める中で、米国を始め、相手のあることではありますが、全力で取り組んできたところであります。

 普天間飛行場の五年以内の運用停止については、日米2プラス2の、等の機会に外務大臣及び防衛大臣から米側に対して説明するなど、政府として適切な機会を捉えて、米側にしかるべき、しかるべく説明をしてきたところであります。私からも、日米首脳会談の際に、オバマ大統領に対して普天間飛行場の五年以内の運用停止を説明し、沖縄の負担軽減についての協力を求めたところであります。その他、累次の日米首脳会談の際に、沖縄の基地負担軽減に関する日本政府の立場についてはしっかりと説明をしているところであります。

 しかしながら、普天間飛行場の移設をめぐる状況は、沖縄県が埋立承認を取り消し、さらには埋立承認を撤回するなど、根本的な部分において仲井眞元知事と認識を共有した当時と大きく変化をしているわけでございまして、こうした中で五年以内の運用停止を実現することは難しいということを申し上げてきたところでございます。

 いずれにせよ、普天間基地を辺野古に移設すれば、これは海上にルートが変わるわけでございまして、一般の住宅あるいは学校の上を飛ぶことはなくなり、海上ルートから飛び立っていくということになるわけでございまして、だからこそ、防音設備を要する家屋、世帯は、一万世帯以上は、今は必要でございますが、普天間の場合は必要でございますが、辺野古ではゼロになるということでございます。だからこそ、一日も早く全面返還、移転をさせなければならないと、こう考えているところでございます。



○小池晃君 その辺野古には基地造れないって言ったじゃないですか。それをちゃんと踏まえるべきだと。

 今いろいろおっしゃったけど、沖縄のせいにするのやめた方がいいですよ。本気で、じゃ、アメリカに対して五年以内の運用停止を迫ったことあるんですか。今、オバマ大統領の首脳会談のことを言った。二〇一四年四月、この首脳会談で五年以内の運用停止を要求しましたか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) ですから、今申し上げたとおりでございます。今申し上げましたとおり、普天間飛行場の五年以内の運用停止を説明し、そしてこれは仲井眞知事との間でそういう話になったということも含めて説明し、米側に理解を求めたところでございます。



○小池晃君 だから、要求したんですかと。要求じゃないじゃないですか、これは。

 五年以内の運用停止を含む沖縄県知事からの要望には我が国としてできることは全て行うとの姿勢で対応する考えであるので、米国と十分に意思疎通しつつ検討を進めていきたい、これ要求じゃないですよ。もうまさに説明しただけですよ、今おっしゃったように。一度も、五年以内の運用停止を約束しながら、一度たりともアメリカ政府にそれを正面から要求したことがない、これは間違いないですね。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたとおり、この経緯を申し上げたところでございまして、この五年以内の運用停止については、日米の2プラス2等の機会に外務大臣及び防衛大臣から米側に説明するなど、政府として適切な機会を捉えて米側にしかるべく説明をしてきたところでございます。これ、相手があることでございますが、全力で取り組んできたところでございます。



○小池晃君 要求は一度もしていないんですよ。

沖縄県に説明をしますと決意表明しているだけなんですよ。これが本当に一国の首相の取るべき態度なのかと私言いたい。結局、普天間の危険性除去と言いながら五年以内の運用停止も求めていない、普天間のこの今の事態に対しても物も言わない。危険性の除去なんて口にする資格は私はないと思います。

 様々な角度からこの問題を論じてまいりましたけれども、やっぱり辺野古に基地は造れません。

辺野古の移設を唯一と言う限り、普天間は固定されます。辺野古には反対、普天間は撤去、これが揺るがぬ民意です。首相は、沖縄の民意を踏まえて、辺野古基地撤去、辺野古基地建設を強行をやめて、普天間基地の撤去、これを求めるアメリカに対する交渉をすべきだということを申し上げたいと思います。

 貧困と格差の広がりが深刻な問題になっているんです。ちょっと残った時間、最低賃金の問題を取り上げます。

 最低賃金の引上げ、全国どこでも時給千円、中小企業支援とセットで千五百円を目指す、これが貧困と格差を是正して日本経済を立て直す私は最も効果的な道だと思いますが、総理、いかがですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 最低賃金の引上げについては、経済の好循環を実現する観点からも大変重要であると考えておりまして、安倍政権では、最低賃金を政権発足以降の六年間で時給で百二十五円引き上げ、今年度は二十六円の引上げを行いました。これはバブル期以来の引上げ幅でございまして、こうした積極的な引上げを可能とする中小企業の生産性向上に政府一丸となって取り組んでいるところでございまして、引き続き年率三%程度を目途として引き上げていき、当面は加重平均で時給千円を目指していきたいと、こう思っているところでございます。



○小池晃君 引上げを誇りますけど、最高の東京でも時給九百八十五円、二千時間働いても年収百九十七万円、ワーキングプアです。これで十分とは言えません。ここで消費税一〇%にすれば、社会保険料、税でほとんど吹き飛びます。

 しかも、この地域格差です。十年で二倍以上に広がった。東京の時給九百八十五円に対して鹿児島は七百六十一円、その差は二百二十四円です。

二百円違えば、フルタイムで働くと年収で四十万違う。

 総理、安倍政権の下で生まれてきた格差、このままでいいんですか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今、小池委員が示していただいているグラフ、一応この最高額も最低額もずっと、ぐっと増えておりますが、これは安倍政権で実現していることでございますから御評価いただいているんだろうと、こう思うところでございますが、安倍政権としては、十五円、十六円、十八円、そして二十円、二十五円、二十六円と、これ相当大幅に引き上げてきているわけでございます。

 そして、この地域間格差については、今年度の改定により、最高額に対する最低額の比率は七七・三%と四年連続で改善をしております。これは、例えば史上初めて四十七全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えるなど、全国津々浦々に景気回復が及んでいることを踏まえ、地域格差、地域間格差にも配慮した審議が行われた結果だと認識しております。



○小池晃君 どこの国の話かという話ですよね、今のは。

 格差広がったこと認めないんですか。格差広がっていますよね。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 今申し上げたように、地域間格差については、今年度の改定により、最高額に対する最低額の比率でございますね、比率は七七・三%と四年連続で改善をしているわけでございます。

 もちろん、この最低賃金が上がっていくように我々も更に努力をしていきたいと、こう考えておりますし、地域、鹿児島も含めて、各地域において更に景気回復のもう今既に波は及んでいるんですが、これ更に波が及んでいくことによって、労働市場もより逼迫してくる中において賃金が上がっていくことを期待したいと、こう考えております。



○小池晃君 格差はこのままでいいんですかと聞いている。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) これは、それぞれ、地方それぞれの状況の中において最低賃金が決まっているわけでございまして、中小企業等々の状況も勘案しながら決まっているものと承知をしております。



○小池晃君 格差是正の必要性を認めないのは、私驚きですね。これ、本当こういう認識でいいんですか。そもそも、地域最賃、何で都道府県ごとになっているんですか。大臣、説明してください。



○国務大臣(根本匠君) 最低賃金は、働く方の賃金、生計費、企業の賃金支払能力の地域差などの実情を考慮して、これは最低賃金法で地域別に定めるものとなっております。



○小池晃君 いやいや、だから、法律でそうなっていますよということだけじゃ、何で都道府県別なんですかと聞いているんです。



○国務大臣(根本匠君) 日本の場合は法律で定められております。ですから、都道府県ごとに経済状況が異なる現状を踏まえて、その実情に応じて決定されるべきと考えています。



○小池晃君 要するに、法律で決まっているだけだという説明しかできない。

 三年前の衆議院予算委員会で我が党の島津幸広元議員が、静岡と神奈川で最低賃金が時給百二十二円違うと、静岡の熱海とそれから神奈川の湯河原では、千歳川という川があって、五十メートルぐらいの橋で渡ると、この橋越えたら百二十二円違うと、こういうことを指摘しているんですね。

これ、百二十五円に広がりました。

 こういうことがあると、総理、最低賃金の格差があれば人口が流出する、若者が流出をする、それで経済の基盤が弱まる、ますます賃金が上げられなくなる、更に格差が広がる。悪循環になりませんか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) この最低賃金については、働く方の賃金や生計費、あるいは企業の賃金支払能力の地域差などの実情を考慮し、その結果都道府県ごとに定められている、それで法律で定められているわけでありますが、ということでございます。

 そして、最低賃金額を地域ごとの賃金や物価水準の差を反映せずに一律に定めることは、中小企業を中心として労働コストの増加により経営が圧迫され、かえって雇用が失われる面があるなど、地域の経済事情等を考慮すれば困難と考えているところでございます。

 ただ、そこも一律にせよと、一律にやっている国々もあるということは承知をしておりますし、一律にした方がいいと、全国一律にした方がいいと考える方も自民党の中にもおられるわけでございますが、大切なことは、私たちが進めているこのアベノミクスの取組によって全国の雇用・所得環境の底上げを図り、地方にも景気回復の動きを更に広げていくことで賃上げの動きを浸透させていくことが大切だろうと。

 これ格差があっていいと私は全く思っていないわけでありまして、そういう中において、最低賃金の、言わば鹿児島等の県が、低い県が更に上がっていくことが期待されるところでございます。



○小池晃君 格差是正の必要性は認めるんですね。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) 言わばそれを一律的に、例えば全国一律で千円ということにしていいのかどうかということであれば、それはかえって雇用状況を悪化させる危険性もあると、こう考えているところでございまして、むしろその中において、地方においてしっかりと雇用環境が改善をしていく中において賃金が上がっていくことが期待されると、こういうことでございます。

 あと、いずれにいたしましても、この六年間、日本銀行の地域別業況判断におきましては、良いが悪いを上回る地域は、九つの地域全て良いということになっているわけでございます。



○小池晃君 生活費が違うという話があったけど、実態としては、コンビニのおにぎりの値段は全国一緒ですよ。家賃が都会は高いかもしれない。でも、地方へ行ったら交通費掛かる、車持たなきゃいけない。結局、生活に必要な費用は都道府県別に見てもそう変わらないんだというのが、これは、総務省の家計調査だって、総務省の家計調査だってそういうデータは出ているわけですよ。

 大体、自民党の中に、自民党の中に最低賃金一元化推進連盟できたんでしょう。自民党の中からそういうこと起こっているわけでしょう。

 厚生労働大臣、全国一律最低賃金の実現を求める地方議会の意見書、幾つ出ていますか。



○国務大臣(根本匠君) 平成三十年度においては、七十三の自治体から全国一律の最低賃金を求める要請書を受け取っております。



○小池晃君 さっきから後ろで社会主義だ、何だかんだ言っているけど、これは違います。世界の趨勢ですよ。見てくださいよ。全国一律最低賃金は、EUでは九七%全国最賃、世界でも八八%ですよ。日本みたいにこんなに面積の小さい国で都道府県ごとに最低賃金が違うなんという国は、世界で日本ぐらいしかないんです。

 総理、やっぱりこれ、世界の趨勢は全国最賃だと認めますか。



○内閣総理大臣(安倍晋三君) それについてはですね……(発言する者あり)いや、細かいことは……(発言する者あり)世界の趨勢、趨勢かどうかですね。

 これは、G7各国のうち全国同一の最低賃金を設けているのは、いる国は四か国でありますが、このうち二か国、七のうち四が同一の最低賃金を設けているわけでございますが、このうち二か国は、それを上回る範囲で州別の最低賃金や労働協約による最低賃金を設けることが可能となっているということでございます。つまり、つまり、その下の方が最低賃金になっていて、あとの上の県というか州等があると、こういうことではないかと思います。



○小池晃君 もう質問しませんけど、それはいいんですよ。それはいいんです。一律に最低賃金を決めて、それぞれのところが更に上乗せする、それは大いに結構なんです。アメリカなんかそうですよ。そういう道に日本も進みましょうよ。全国一律最低千円、そして更に千五百円を目指す、それこそが日本経済を立て直す道なんだということを申し上げて、質問を終わります。

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