赤旗2019年2月23日付
沖縄県名護市辺野古米軍新基地建設の埋め立ての賛否を問う24日の県民投票を成功させ、新基地を断念させようと日本共産党沖縄県委員会と後援会が21日に開いた決起集会での小池晃書記局長の訴え(要旨)を紹介します。
安倍政権は、県民があきらめるだろうと辺野古の美しい海に土砂を投入しました。あまりに卑劣なやり方です。そのことが逆に県民の怒りを広げ、全国に新基地建設強行への怒りが広がり、世界にも広がっています。土砂投入の中止を求めた米ホワイトハウス請願署名を呼びかけたロバート・カジワラさんは「県民投票の結果にかかわらず辺野古の建設を進めるという日本政府のやり方は反民主主義的である」「沖縄の人々を否定するものである」と厳しく批判しています。
政府は民意を埋め立てることなどできないことを知るべきではないでしょうか。
無法をくり返す安倍政権により、土砂は日本の民主主義、法治主義に投入されているのです。まさにオールジャパンのたたかいです。「沖縄県民に寄り添う」といいながら踏みつけにする安倍政治に鉄ついを下すような結果を出しましょう。
県民投票成功のカギは、投票率をあげること、「反対に○」の圧倒的民意を勝ちとることです。
県民投票の意義どこにあるのか
県民投票の意義はどこにあるか。3点、お話しします。
一つ目は、辺野古新基地のための埋め立てノーの一点での圧倒的な民意を突きつけて、新基地を断念に追い込むたたかいです。8万票差の県知事選挙の結果を無視して土砂投入、違法な工事を強行する安倍政権のやり方は絶対に許されないという怒りの一票を突き付けるたたかいです。
しかも今度のたたかいは、新基地建設の埋め立てに反対する1点に絞った投票です。ごまかすことはできません。安倍政権はこの間、選挙で争点をそらし、逃げる口実づくりをしてきましたが、今回はこういう口実は通用しません。辺野古の埋め立てが直接問われる投票ですから、安倍政権もこの結果を無視することはできません。県民投票で「反対に○」の圧倒的民意を示すことで辺野古新基地建設を完全に断念させるたたかいとして必ず成功させようではありませんか。
二つ目は、翁長雄志前知事の遺志を受け継いで新基地ノーで頑張る玉城デニー知事を応援するたたかいであることです。
安倍政権は、工事があたかも進展しているかのように装っていますが、実態は全く違い、完全に行き詰まっています。その焦点が超軟弱地盤の問題です。安倍政権は3年前からこの事実を隠してきましたが、県民のたたかいによってごまかせなくなり、日本共産党の志位和夫委員長の質問で初めて認めました。地盤改良は70メートルから90メートルの軟弱地盤に7万7000本のくいを打ち込むものですが、政府が想定する工法での工事の実績が国内では65メートルまで、世界でも70メートルまでしかなく、深さ90メートルにくいを打ち込める船は国内には存在しません。辺野古はそもそも基地を造れるような場所ではないのです。しかも、デニー知事が「設計変更申請」を許可しなければ工事はできません。
「オール沖縄」が力を合わせてデニー知事を応援し、新基地建設を完全にあきらめさせる絶好の機会です。県民投票で、「埋め立て反対」、「デニー知事がんばれ」の圧倒的世論をつくっていきましょう。
三つ目は、ウソだらけ、強権で突き進む安倍政治サヨナラの審判を全国に先駆けて沖縄で下すたたかいです。
新基地問題は最初からウソだらけです。政府は「1999年、沖縄県知事と名護市長という地元が合意している」といいますが、それは軍民共用、15年期限という条件付きでした。いまそれは完全に崩壊しています。軟弱地盤の問題も、安倍首相は「一般的で施工実績が豊富な工法である」といいますが、世界で例のない工事であり、これもウソです。
「負担軽減」といいますが、辺野古新基地は滑走路が2本、広大な弾薬搭載エリアもあり、耐用年数200年の巨大な最新鋭基地です。キャンプ・ハンセン、北部訓練場、伊江島補助飛行場を一体として、オスプレイが飛び交う事態が生まれる。どこが負担軽減でしょうか。「普天間の危険性を除去する」といいますが、沖縄じゅうに危険を広げることにしかなりません。
県民投票で、ウソの連続の安倍政治に対し、厳しい審判を下しましょう。
「あきらめない」県民の姿勢示す
安倍政権は民主主義破壊、地方自治破壊の政治が暴露されることを恐れて県民投票つぶしにかかってきています。総務省の第三者委員会「国地方係争処理委員会」が県民投票の最終盤の時期に県の申し出を門前払いしました。政権全体が沖縄のたたかいをつぶし、県民をあきらめさせようとしています。あきらめないという県民の姿勢をはっきりと示す県民投票にしようではありませんか。
県民投票の「対立候補」は安倍首相であり、絶対に負けることはできません。民意に逆らって工事を強行するようなことがあれば世論の批判にさらされることは間違いありません。県民投票で安倍政権をさらに追い込んで、沖縄から安倍政治に終止符をつきつけましょう。
県民投票は、普天間基地の返還につながる大事な投票だと強調したいと思います。安倍政権は「普天間の固定化は絶対に避けなければならない」とくり返していますが、固定化させているのは安倍政権ではありませんか。辺野古「移設」を前提にしているから普天間返還は実現していない。新基地工事は13年以上もかかると言われています。今月までの普天間の運用停止の約束を反故にし、さらに十数年間も普天間の危険を押しつけ続けることなど許されません。
普天間基地は1945年4月、米軍が住民を強制収容している間に、民有地を囲い込んで造ったものです。基地の91%は私有地でしたが、対価も全く支払われていません。どんな弁明も通用しない国際法違反です。辺野古「移設」反対、埋め立てに反対を示してこそ、普天間基地を閉鎖・撤去できます。
県民投票は、辺野古新基地建設という国策に対し、県民が明確な審判を下すことができる画期的な運動です。この成功は沖縄だけにとどまらず、全国の民主主義、全国の平和を守るたたかいを励まします。
沖縄の未来のため、孫子のために必ずこの歴史的なたたかいに勝利しましょう。