赤旗2018年12月7日付
「安倍政権がやっていることは、(他の国の)独裁政権よりひどい」「トランプ政権を生み出したアメリカだが、市民の“復元力”がある」―。5日夜放送された日本共産党のインターネット番組「生放送! とことん共産党」にゲスト出演した伊藤千尋さん(国際ジャーナリスト、「九条の会」世話人)は、小池晃書記局長と司会の朝岡晶子さんと「9条を生かす日本へ」をテーマに国際情勢からみた日本について大いに語り合いました。
2016年11月9日のトランプ政権誕生以降のアメリカを追ったマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー「華氏119」の映画評を「しんぶん赤旗」にも書いた伊藤さん。「アメリカはなんてひどい政権を生み出したのかと思いがちだが、アメリカは、国がひどくなったときに、市民がそれを復元して民主主義に戻す“復元力”を持っている」と指摘。今年の中間選挙では反トランプで若者や女性が立ち上がったことに触れ「映画のメッセージは、行動しようということ。行動すれば(社会は)変わるということだ」と解説しました。
チリではピノチェト軍事独裁政権に対して17の野党が団結して民主化を勝ち取った例を示し「独裁批判だけでは変わらなかった。大事なのは、民主化した後どういう社会がくるかわかるように示したことだ」と説明。小池氏は「まさにいま本気の野党共闘と言っているが、魅力ある共通政策や政権構想で合意して、安倍政権でなく、野党でこういう日本になるとイメージ豊かに示すことだ」と応じました。
伊藤さんは、「安倍首相も憲法を変えようという憲法違反のことをしているが、日本国民も憲法を使っていない」と指摘。南米コスタリカでは「今の社会が憲法と違うから、憲法に合わせて社会を変えていくため」に、年間2万件もの憲法違反の訴訟があると述べ、「市民自身が社会を憲法に近づけていく努力をする。これが生きて初めて立憲国家だ」と語りました。
伊藤さんは、視聴者に「国民が動かないと野党も動かない。まず自分たちが行動していきましょう」と呼びかけました。