赤旗2018年12月6日付
社会保障費の大幅削減を続ける安倍自公政権下で、危機に直面させられている医療、介護、福祉の現場の声を聞く会合が5日、国会内で開かれました。「いのちと暮らしを支える医療・介護・福祉の会」の主催。
共同代表の6人が各分野の現状や課題を報告しました。
外科医で医療制度研究会の本田宏副理事長は、国の医療費抑制政策で、多くの病院が赤字経営を強いられているうえ、医師数はOECD(経済協力開発機構)平均を10万人下回っていることを告発。末期がん患者の終末期医療に携わる伊藤真美医師は、終末期医療費の抑制を見据えた「尊厳死法」制定などが進められていると述べ、「半年、1年でも生きたい人たちの延命措置ができなくなろうとしている」と語りました。
外国人労働者の医療問題を調査する沢田貴志医師は、必要な医療や社会的サービスを受けられないまま外国人が過酷な労働に従事させられている実態を紹介し、「外国人を酷使する社会は日本人も酷使する」と訴えました。
日本赤十字看護大学の川嶋みどり名誉教授、介護現場にくわしい「暮らしネット・えん」の小島美里代表、「売春防止法」によって差別、社会的排除を受けてきた女性支援にかかわる「かにた婦人の村」の天羽道子名誉村長らがそれぞれ発言しました。
日本共産党の小池晃参院議員、立憲民主党の国会議員が参加。小池氏は、安倍政権が軍事費や大企業減税に予算をつぎ込む一方、社会保障費が3・9兆円も削減されたと指摘。医師などの働き方改革のために「社会保障の抑制政策はやめ、医師の絶対数を増やすことが必要。野党が結束していい医療、介護、福祉を実現するため頑張っていきたい」と力を込めました。