日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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老いも若きも負担増 医療保険見直し案 小池氏が批判 参院厚労委

2014年11月18日

「赤旗」2014年11月19日付

 

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(写真)質問する小池晃
議員=18日、参院厚労委

日本共産党の小池晃議員は18日の参院厚生労働委員会で、安倍政権が公表を見送った医療保険制度の見直し案に数々の国民負担増計画が盛り込まれていることを示し、「老いも若きも負担増の計画だ。国民に隠したまま選挙をするつもりか」と追及しました。

塩崎恭久厚労相は「閣議決定で道筋がついている。粛々とやっていく」とのべ、負担増を強行する考えだと認めました。

小池氏は、見直し案に盛り込まれた後期高齢者医療の保険料「特例軽減」中止について、8・5割減額の人の保険料が2倍、9割減額の人で3倍にもなり、健保の被扶養者から後期医療に移された人は5~10倍以上にもなると指摘。厚労省の唐澤剛保険局長は「そうなる」と認め、特例軽減対象者が865万人にのぼることを明らかにしました。

小池氏は「消費税増税やアベノミクスによる物価上昇に苦しむ低年金者にこのような負担を浴びせれば、『高齢者の貧困』がいっそう深刻化するだけだ」と強調しました。

塩崎氏は「世代間の公平」などとのべ負担増を正当化。小池氏は、現役世代の入院給食費が高齢者よりも安いからと引き上げる計画に言及し、「高いほうにあわせて負担させようというご都合主義以外のなにものでもない」と批判しました。

小池氏は、紹介状なしの大病院受診の負担増はじめ軒並み負担増をねらっていることを示し、「こんな大負担増計画を許していいのかと、正面から選挙戦のなかで訴えていく」と強調しました。

 

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速記録を読む

○小池晃君 日本共産党の小池晃です。
危険ドラッグの規制強化は待ったなしであります。法案が与野党の関係者の努力で実ろうとしている、その努力に感謝をしたいというふうに思います。同時に、法治国家ですから、法的なプロセスをきちっと踏まえることが大事で、やはり前提となる検査体制の問題が問われるというふうに思うんです。
十月十七日の衆議院の厚生労働委員会で参考人の国立精神・神経医療センターの和田清さんは、検査機関が危険ドラッグを検出するためには危険ドラッグの標準品が欠かせない、日本で一番弱いのが標準品の提供だというふうに発言をされているんですね。
確かに、幾ら法律を作って制度をつくっても、違法薬物を検出できなければこれは裁判まで持っていけないということにもなるわけで、その状況が一体どうなっているのか。
警察庁にお聞きしたいんですが、現時点で海外の試薬会社から買える標準品百八十一種類、そのうち現時点でどれだけ入手、配布できているのか。
遅れているのであれば、その理由を簡潔にお願いします。

○政府参考人(荻野徹君) お答え申し上げます。
御指摘のとおり、指定薬物に係る鑑定では、試料中の成分を特定するための鑑定用標準品が必要となるところでございます。
鑑定用標準品につきましては、百五十一種類についてその時点で調達が可能であるということで調達の手続を取りまして、そのうち都道府県警察向けの小分け作業が完了した八十四物質について配布を終えておりまして、残り六十七物質についても早急に作業を進めていく所存でございます。
また、来年度の予算、概算要求につきましても、調達可能と見込まれる百八十一物質分の鑑定用標準品を要求しているところであり、引き続き鑑定用標準品の整備に努めてまいりたいと思います。

○小池晃君 八月の終わりに報道がありまして、そこでは、各県警に配布された標準品は八種類だけというふうに言われていました。今の答弁でようやく八十四種類、まだ入手できるものに比べると百種類近くが残っているんですね。小分けするのに、各県警に配る小分けに時間が掛かるって、ちょっと私、これ聞いたときは、何かそんなものなのかなとちょっとびっくりしてしまったんですけれども。
新たな危険ドラッグ、これ、どんどんどんどんこれからも出てくる、今も出てきているわけで、これで対応できるんですか。ちょっと余りにもスローペース過ぎませんか。

○政府参考人(荻野徹君) 危険ドラッグの取締りに迅速かつ的確に対応していくためには、御指摘のとおり、鑑定用標準品や鑑定に必要な資機材の整備を進めることが必要でございます。
現時点でも、現在の取締りにつきましては、現有の装備、資機材等で一定の対応をしていると思いますけれども、危険ドラッグにつきましては指定されるものが多々増えますし、また世の中に出回るものもどんどん増えていくということでございますので、そういったものについて対応すべく、平成二十七年度の予算要求につきましても所要の要求をしているということでございます。

○小池晃君 厚労省は二百五十種類持っているというんですよ。一方で、警察は八十四種類しか配布できていないという、そういう状況で、小分けするのに結構技術的に大変だから、今度は小分けしたものを直接何か輸入するとかやられるというふうに聞きましたけれども。
ちょっと、もっともっと省庁を超えて連携をして、これはやっぱり検査体制の前提になる一番大事な問題なので、私は、政府を挙げて、もっと協力できるところは協力した方がいいんじゃないかというふうにこれは思うんです。
これは要望にとどめておきますが、厚労省自体の体制も非常に心もとないと私は思うんです。
先ほど答弁ありましたけど、来年度予算要求では機械を買うとかお話あったんだけれども、国立医薬品食品衛生研究所の研究補助員を二名から六名に増員をする、これが要求だと聞いていて、これで二名から六名。アメリカなんかの話を聞くと、国立の薬物乱用研究所があって、博士号を持った研究者が百人以上いるような体制ができているというふうにも聞いていて、やっぱりちょっとこれは余りにも分析体制、ここで日本中から集めて分析するといったって、これは大変でしょう。
大臣、やっぱりこれ、こういう法律が作られようという中で、危険ドラッグ対策を、これは厚労省ももちろん、政府を挙げて、抜本的な、ちょっと桁を変えるぐらいの体制強化が必要なんじゃないでしょうか。いかがですか。

○国務大臣(塩崎恭久君) 先生御指摘のように、指定に向けての検査などについてはスピードも大事でありますし、しっかりした分析体制が大事だということはもうそのとおりだと思っています。
今先生も御指摘のように、先ほど橋本政務官から答弁申し上げたとおり、分析機器の整備とか分析業務の一部の民間検査機関への委託などいろいろやっておりますし、補助員については二人を六人ということでありますが、今アメリカの状態と日本の状態についての比較もございました。
国それぞれ、こういう危険ドラッグ的な問題についての置かれた状況というのはそれぞれでありますので、それは全く同じだけやればいいということでもないんだろうと思うんですが、しかし、我々としても、この財政厳しき中にあって、もう少しやっぱり増やさないといかぬという認識は先生の御指摘のとおりでございますので、今回のこの機器の増設それから補助員の増員あるいは民間委託等々で国立医薬品食品衛生研究所の検査能力はこれまでに比べれば格段に向上するというふうに思っておりまして、今回与野党がまとまって法改正に当たっていただいたわけでありますから、危険ドラッグ対策に資するようにしっかりした分析を行い、また撲滅に向けて危険ドラッグの体制を組んでいきたいというふうに思います。

○小池晃君 重ねて申し上げますが、正当なやはり検出の過程を経てこそ法的にきちんと規制できるということだと思いますので、国、自治体、研究機関の連携で抜本的な強化を求めたいというふうに思います。
在宅医療の問題について伺います。
これはこの委員会でも何度も問題になってきたことですが、同一建物への訪問診療料の大幅減算問題。これ大規模な影響調査をやっているようですけど、その調査に踏み切った理由を聞きたい。
それから、あわせて、八月から調査をやっているので、もう結果はほぼ出ているのではないかと思います。早く明らかにすべきではないでしょうか。

○政府参考人(唐澤剛君) ただいま御指摘いただきました訪問診療でございますけれども、これは、高齢者が多く入居する住宅等におきまして、医療機関が患者紹介料を支払って患者の紹介を受け、通院困難ではない患者さんも含めまして過剰な診療を行うような不適切な事例が指摘をされたためにこの減算措置というものを実施したわけでございますけれども、この改定の影響というものはどうなっているかということをきちんと検証するということが中医協の附帯意見でも述べられております。
具体的には、例えば、訪問診療の実施状況が改定前後でどうなったんだろうか、あるいは改定後はどのような診療対応を行われているかとか、あるいは患者さんの状態でございますとか事業所の経営への影響でございますとか、さらに、集合住宅等において医師の確保等ができているのかというようなことを調査、検証をする必要がございまして、調査を実施しております。
この調査でございますけれども、こちらにつきましては、当初は八月に実施をいたしまして十一月末頃を目途に取りまとめを予定しておりましたけれども、大きな影響のある項目でございますので、中医協で、調査期間を少し延長すべきである、それから回収率を上げるためにも調査の締切りを少し延長すべきであるというような御指摘がございまして、現在は私どものところで調査、集計、分析をしているところでございます。できるだけ早期に中医協に報告をして公表できるようにしていきたいと考えております。

○小池晃君 北海道の保険医会は、北海道の施設介護事業所二千二百九十五か所を対象にアンケートをやっています。
これによると、介護施設に対して医療機関から訪問診療体制の変更、あるいは変更の打診があった施設が二四・二%。訪問診療の回数減少が八・一%、中止が七・五%。不都合があったと答えた介護施設が四五・三%、そのうち四一・一%は不都合解消のめどが立たないと答えています。
今回の減算というのは、もちろん医療機関の経営に対する打撃であるだけでなく、複数の患者が居住する施設に一日一人だけを診察するという非常に不自然な、非効率な診療行為を強要するという点でも私は大きな問題があるというふうに思うんですね。
大臣、不適切事例への対応は私は必要だと思うんですが、それがきっかけとなって、そのためにといって、実際に真面目に在宅診療に取り組んでいる先生方の医療行為が縮小する、撤退する、衰退する、こういうことがあってはいけませんよね。

○国務大臣(塩崎恭久君) 元々、我々子供の頃なんかは訪問診療というのは当たり前にあったわけでありますけれども、久しく病院に行く、診療所に行くというのが多かったわけでありますけれども、今またこの在宅医療の大事さというのが再確認をされていると思います。
平成二十六年度の診療報酬改定で、訪問診療の評価の見直しの中では、医療機関が同一建物において同一日に複数の患者に訪問診療を行った場合の評価を引き下げるということにしたわけでありますが、一方で、緊急の往診あるいは末期がん患者への訪問診療等は引き続き高い点数を算定できるようにというふうにしているわけでございます。
また、本年二月には、集合住宅等で訪問を行う医師の確保が困難な場合には厚生労働省に報告するよう依頼をいたしましたけれども、報告があった事例でも、別の医療機関が既に訪問診療を引き継いでいることなど、必要な医療が確保されている状態であることは申し上げているとおり確認をされているので、いずれにしても、現在の改定の影響等の検証のための調査が行われているところであって、先ほど申し上げたとおり、調査結果を踏まえて対応を検討したいというふうに思います。

○小池晃君 僕は、これで在宅医療が後退しちゃいけないでしょうという認識を聞いたんですよ。
一切答えていないじゃないですか。イエスかノーかで答えてください。後退していいんですか、大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) 最初に申し上げたのが大事だということを申し上げたつもりでございます。

○小池晃君 だとすれば、田村前大臣は三月の委員会での私の質問に、医療を受けることができなくなるようであれば、年度途中で診療報酬改定したことはないことはないので、そういう状態になれば中医協に諮問すると、諮ると答弁されました。今やられている調査結果で訪問診療に重大な影響が出ている、介護施設への訪問診療に影響が出ているということになったら、これは年度途中でも中医協に諮問していただけますね。

○国務大臣(塩崎恭久君) 診療報酬に関する今回の見直しについては、医療現場の実態とかあるいは医療関係者の御意見を踏まえた中医協における御議論を受けて決まったことでございまして、十分尊重されなければならないと考えております。
現在、今回の改定の影響等を検証するための調査を、先ほど申し上げているとおりであって、やっているところであって、調査結果を踏まえて、見直しの必要性があるのかについても中医協において検討をいただかなければならないというふうに考えております。

○小池晃君 検討するためにはやっぱり諮らないといけないんだから、そのイニシアチブを発揮していただきたいということですよ。やっぱりこれは調査結果を踏まえてきちっと中医協に諮っていただきたいというふうに思います。
十一月十四日に社会保障審議会医療保険部会が急遽中止されました。この部会には、次の通常国会に提出される予定だった医療保険制度改革試案が示されるはずでした。その問題を聞きます。
第一に、後期高齢者医療保険料の特例軽減の中止、すなわち保険料の大幅な引上げです。資料でお配りしているように、後期高齢者医療制度では、政令本則に定められた軽減に加えて、九割、八・五割などの特例軽減が行われております。
保険局長、現在の後期高齢者医療制度の加入者数、そのうち特例軽減を受けている人の数、数だけ言ってください。

○政府参考人(唐澤剛君) 平成二十六年度予算ベースでございますけれども、後期高齢者医療制度の被保険者数、これは千五百七十四万人と見込んでおります。そのうち特例軽減の対象者の合計は八百六十五万人と見込んでおります。

○小池晃君 後期高齢者の約半分が特例軽減の対象になっているということになるわけですね、半分以上ですね。これはやはり、七十五歳以上の高齢者、六十五歳以上の障害者という年齢階層がいかに低所得、低年金であるかと、その実態を私は示している数字だというふうに思うんです。
ところが、十月十五日の医療保険部会で、この特例軽減について厚労省は、世代間、世代内の公平性の観点から見直すべきだと、特例軽減を撤廃して後期高齢者に保険料負担の引上げを求めるという方向性を提示しています。
局長、改めて聞きますが、この特例措置はなぜやったのですか。そして、今それを打ち切っていい理由は何ですか。

○政府参考人(唐澤剛君) この高齢者の保険料の軽減特例でございますけれども、元々は本則で均等割の七割、五割、二割の軽減というのが設けられておりますけれども、制度施行当初の、この制度導入に対する非常に厳しい反発等のこともございまして、制度の円滑を図る観点からの軽減措置として特例措置が講じられたものと考えております。これは毎年度の予算措置で講じているところでございます。
この具体的な軽減特例についてどのような見直しを行うべきなのか、行うべきでないのかというような内容も含めまして、現在、関係者の御意見を伺いながら検討をしているところでございます。

○小池晃君 そういう曖昧なこと言っちゃ駄目だって。これは見直すと、世代間の負担の公平のために見直すと言っているじゃないですか、はっきり。激変緩和だということでやったんだと。喉元過ぎたら熱さは忘れているからもういいんじゃないかと、そういう議論でいいんですかということなんですよ。
基礎年金の満額というのは、二〇〇八年当時は月六万六千円だったのが今は六万四千四百円になっています。消費税の増税、アベノミクスによる物価上昇、年金の実質価値はどんどんどんどん目減りをしています。まさに、そういった低年金層を直撃することに私はなってしまうというふうに思うんですね。
割は四万二千二百円です。ちょっと確認しますが、八・五割減額の場合は保険料は六千三百三十円、これが七割減額に戻ると二倍の一万二千六百六十円になります。それから、九割減額の方の場合は今四千二百二十円、この特例措置がやめられて七割減額になった場合、保険料は一万二千六百六十円、現行の三倍になります。計算、間違いありませんね。

○政府参考人(唐澤剛君) これは先生が御指摘の東京都の平均的な保険料というものを例えば仮に本則にしたということであれば、こういうことになるわけでございます。
これは、ただ、私どもはそこは決めているわけではございません。

○小池晃君 そういうことになるわけですよ、これやってしまえば。
さらに、健保の被扶養者から後期高齢者医療制度に移られた方は、移らされた方は現在九割減額の適用を受けていますが、特例措置なくなると資格取得二年以内の方で保険料は五倍になる、それから資格取得後三年を超える人はケースによっては十倍以上になる、間違いありませんね。

○政府参考人(唐澤剛君) これも私ども決めているわけではございませんけれども、被扶養者の方は元々本則は五割軽減を二年間という特例制度になっているわけでございます。ただ、全体の被扶養者の中では所得のない方がほとんどでございますので、本則では七割軽減、現在の九割軽減に相当する方が多いと思いますけれども、ただ、中には所得のある方もいらっしゃる可能性がありまして、そういう方はこういう方とは違った状況になると考えております。

○小池晃君 非常に大幅な負担増にこれはなるわけですよ。
現在、九割減額の適用を受けているのは基礎年金の満額以下、年金額月四万円台、五万円台と、こういう方の保険料三倍になるわけです。八・五割減額の場合は基礎年金の上に僅かな二階部分が乗っているだけの方、こういう人たちの保険料二倍になる。健保や共済の扶養家族だった人も年収百八十万円以下の低収入で扶養家族になっている、この人たちの保険料が五倍、十倍になる。
大臣、これまさに低所得者、低年金者狙い撃ちにした大負担増になるじゃないですか。年金削減、物価上昇に低年金者は苦しんでいるわけで、こういうところにこんな負担増をかぶせたらば、高齢者の貧困を一層加速することになるじゃないですか。こんなことやっていいんですか、大臣。

○国務大臣(塩崎恭久君) 後期高齢者の保険料につきましては私も導入のときからいろいろ関わってまいりましたが、先ほど申し上げたように、激変緩和の観点から九割軽減、八・五割軽減などを導入をしたわけであります。
この後期高齢者の保険料については、骨太の方針、今年のですね、二〇一四、ここで後期高齢者医療の保険料軽減特例措置について段階的な見直しを進めることについて検討するということとなっておりました。これが六月段階であります。これを踏まえて、世代間の公平の観点、つまり、軽減をするということは必ずそれはどこかでどなたかに負担をしてもらっているわけでありますから、その本則から外れている場合には、ということで、保険料の軽減特例の見直しを検討しているところであったわけでありますけれども、これは今申し上げたように国民の負担につながる事項であって、所得の低い、そして弱いお立場の方々には、これはもう当然のことながら十分配慮をしなければいけないことはもちろんであって、その必要性には何ら変化はないと思っています。
そのような観点から、具体的な内容を今検討中で、この間、いろいろ報道はございますけれども、我々は閣議で閣議決定をいたしました骨太の方針にのっとって検討をしているところであって、引き続いて丁寧に具体的な内容を含めて検討してまいりたいというふうに思っております。

○小池晃君 検討している、検討していると言うけれども、だったらちゃんと示すべきですよ。
先ほどからも議論されているけれども、これ本当に私はでたらめなやり方だと思っていて、世代間の負担の公平だといって高齢者の負担を増やすと言いながら、一方で、例えば入院食費の負担増について言うと、これは一般病床や六十五歳未満の療養病床入院給食費は一食二百六十円、高齢者は一食四百六十円。だから、現役世代の負担額の方が高齢者の負担額より安いから、こっちは高齢者に近づけようと。結局、世代間世代間と言うけれども、要は高い方に合わせて負担増していくというだけの話ではないだろうかと。
しかも、それだけにとどまらないわけです。この間、検討されているのは、大病院受診の場合、紹介状なしの患者負担増、それから高齢者の自己負担の引上げ、協会けんぽの保険料の引上げ、国保料の負担上限の引上げ等々々、もう老いも若きもなんですね。
何よりも、この十一月十四日の医療保険部会、中止されたのは、こういった案が選挙前に出るとマイナスになるから与党からストップが掛かったからだというふうに報じられているわけで、これ結局、政府・与党が結託して争点隠ししているということになるんじゃないですか。こんなやり方でいいんですか。
大臣、国民の暮らしや命や健康に関わるこういう負担増を国民の目から隠したまま選挙を戦うって、フェアなやり方じゃないじゃないですか。
堂々と国民に信を問うべきなんじゃないですか。
こんなやり方をして信を得たなんて、そんなこと言うことは許されないですよ。こんなやり方でいいのかということを聞きたい。

○国務大臣(塩崎恭久君) 我々は、選挙があろうとなかろうと、社会保障改革については、先ほど申し上げたとおり、社会保障と税の一体改革の道筋は付いていますし、プログラム法も通っているわけでありますから、それにのっとって粛々とやっぱり改革をやって、持続可能な社会保障制度にするということが大事だというふうに思っているわけであります。
この医療保険制度改革についても、次期通常国会に関連法案を提出するということを目指して、申し上げたプログラム法等において掲げられた項目について社会保障審議会等で検討してもらっているわけであって、今回のことについてはいろいろな意見があって、それでもう一回出し直してこいということでありますから、今それを考えているので、それはいつになるかどうかは別にして、それは選挙に関係なく我々としてはやるべきことはやっていくということでなければならないし、何分にも、さっき申し上げたように、国民の負担ということをやっぱり我々は考え、それは弱い立場の方々の負担、それからそうではない方々の負担、両方を考えて、これについて今回は与党・自民党の方からいろんな御意見が出たということで、特に所得の低い、弱い立場の方々に丁寧に配慮をしろという声もあって、我々は更に検討を重ねるということにしたわけでございます。

○小池晃君 今の答弁で、もう道筋は付いているんだということであれば、やっぱりこれをやるんだということだと私しっかり受け止めましたので。
だから、そのことは、恐らく解散ということにこれからなるんでしょう。選挙ということになるんでしょう。高齢者に対する大負担増計画が実はあるんだということを、まあごまかそうとされているようで、与党からそういう声が出て部会は中止されたようですけれども、これはもう我々としては選挙の大争点の一つということで、こんな大負担増を許していいのかということを正面から選挙戦の中でも訴えていきたいというふうに思いますので、今日の大臣の、道筋は付いているんだというふうにはっきりおっしゃったので、これをやろうとしているんだということはしっかり選挙戦の中でも訴えさせていただきたいということを申し上げて、質問を終わります。



○小池晃君 私は、日本共産党を代表し、ただいま議題となりました財団法人日本遺族会に対する国有財産の無償貸付に関する法律の一部を改正する法律案に対し、反対する立場で討論を行います。
戦争遺族の援護を行う遺族会の事務所を国の責任で存続させることは必要であり、理解できます。
しかし、遺族会事務所の存続のために国有財産である九段会館の土地を民間事業者に貸し付けることについては、特定の民間事業者に対して遺族会事務所以外の部分を使用できるようにすることについて慎重な検討が必要です。遺族会事務所のみであれば、別の場所に確保し、無償貸付けを行うことも可能ではないでしょうか。
法案は、貸付けを受けた民間事業者が高層建物を建てることを前提にしていますが、高層建物の建設においては、日照被害、風害、景観への影響等が懸念されます。また、九段会館は、千代田区景観まちづくり条例に基づく景観まちづくり重要物件の第一号指定物件であり、保存を求める意見もあります。九段会館の保存の余地についても慎重な検討が必要です。
いずれにしても、これは国民の財産である国有地利用の問題であり、千代田区や地元住民も加え、徹底した情報公開の下、住民合意で今後の九段会館の在り方を検討することが必要だと考えます。
以上申し述べ、討論といたします。

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