赤旗2018年11月11日付
日本共産党の小池晃書記局長は10日未明放送のテレビ朝日系番組「朝まで生テレビ」に出演し、米中間選挙や日米通商交渉、日米地位協定をテーマに自民党の中谷元・元防衛相らと議論を交わしました。
小池氏は米中間選挙の結果について、下院で民主党が過半数を占めるとともに、バーニー・サンダース上院議員をはじめ「民主的社会主義者」を名乗る候補者も各地で勝利したことに言及。「トランプ政権による人種、女性、移民差別などに反対する草の根の運動が広がった結果だ」と指摘し、「『社会主義』を掲げ、最低賃金の引き上げや教育無償化を訴えるグループが米国の議会に登場したことに注目している」と述べました。
今回の選挙結果で上院は共和党が多数派を占める結果となり「ねじれ」議会になったことが話題に。小池氏は「チェック機能が働くので、民主主義としては健全なのではないか。米議会はねじれの状態が続いてきた。日本でも来年の参院選で『ねじれ』を実現し、衆院の解散に追い込みたい」と述べました。
来年1月の日米通商交渉について、中谷氏は「日米首脳会談ではTPP(環太平洋連携協定)のラインからは越えないと約束している。農産物は守る」と強弁しました。
小池氏は、「日米の合意はFTA(自由貿易協定)であり『TAG』(物品貿易協定)というのはねつ造だ」と指摘。「2国間協議になれば、TPPよりさらに譲歩が迫られる」と述べ、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)を例に「日本政府はすでにTPPラインを越える譲歩を前提としてのんでしまっている」と指摘しました。
さらに小池氏は「トランプ氏はさっそく日本が輸出する自動車の関税が低いと言い出している。日本がアメリカから輸入する車には関税がかかっていないのに、なぜ日本車に20%もの関税をかけなければいけないのか。フランスのように、米国の要求は国際法違反だとはねのけるべきではないか」と主張しました。
小池氏は日米地位協定について、沖縄県の名護市安部の海岸に米海兵隊のオスプレイが墜落した事件で、米軍が海上保安庁の捜査申し入れを無視して機体を回収したことなどに触れて「日本の主権にかかわる重大問題であり、地位協定の改定を議論すべきだ」と指摘。中谷氏は「米側の機密の機材があるためだ」と強弁しましたが、小池氏はドイツもイタリアも地位協定で米軍に対し国内法を適用していることを指摘。7日の参院予算委員会で河野太郎外相が「NATO(北大西洋条約機構)は相互防衛だから地位協定が異なるのは『当然』」だと答弁したことを厳しく批判し、「これで主権国家といえるのか」と述べました。
司会の田原総一朗氏(ジャーナリスト)が、立憲民主党と国民民主党を念頭に「自民党から政権をとるという姿勢がみえない」と言及。小池氏は、「野党は『安倍政権を倒す』と本気で結集するかどうかが問われている。来年の参院選では市民と野党の共闘で必ず安倍自公政権を倒したい」と述べました。