赤旗2018年10月16日付
日本共産党の小池晃書記局長は15日、国会内で記者会見し、安倍晋三首相が臨時閣議で、来年10月の消費税10%増税を表明し、「万全の対策」を指示したことについて「増税しないことが万全の対策だ」と批判しました。
小池氏は、家計調査では消費税を8%に増税した2014年4月以降、増税前の実質家計消費支出を上回った月がなく、増税前の13年の2人以上世帯の同支出は平均364万円だったのが、最近1年間でも平均339万円に減ったままだとして、「消費税は逆進性を本質とする最悪の税制であり、家計消費に深刻な打撃を与え続けることがはっきりしている」「いまの経済状況の下で消費税増税を強行すれば、消費不況を深刻化させ、貧困と格差の拡大に拍車をかける」と批判しました。
いわゆる軽減税率の導入については「『軽減』というが、今より税率が低くなるわけではなく、『インボイス』(適格請求書)制度が導入されると、500万といわれる免税業者が取引から排除されたり、新たに複雑な事務負担を伴う課税業者にならざるを得ない」と指摘。「雇用契約がない請負労働者などの事務負担も激増し、日本経済に深刻な影響を与える」と批判しました。
そのうえで、小池氏は、財務省が増税を狙う一方で、財政審への「提言」で、社会保障の大改悪・負担増路線も押し付けようとしていることなどを示し、「消費税増税は社会保障のためだという言い方は、国民を愚弄(ぐろう)する欺瞞(ぎまん)的宣伝だ」と指摘。世界経済を見ても、「米中貿易戦争」といわれ、不透明感が増していることをあげ、「16年に世界経済は大きなリスクに直面しているといって消費税増税を延期しながら、今度はこれだけのリスクが目の前にありながら増税を強行するのは理解不能だ」と述べました。
小池氏は「現在の消費不況のもとでの増税を許さないという一点で、野党の共闘は可能だと思う」と指摘。さらに、消費税増税には賛成の日本商工会議所もインボイス導入には反対していることなどをあげ、「新たな共闘も広げて、来年10月からの消費税10%増税は中止する、この一点での国民的な大闘争を呼びかけていきたい」と強調し、消費税にかわる財源として、アベノミクスでもうけた富裕層、史上空前の利益をあげている大企業に応分の負担を求める税制改革も合わせて示しました。