赤旗2018年10月10日付
命をかけて名護市辺野古の米軍新基地建設阻止の公約を貫き、保守・革新を超えた「オール沖縄」の先頭に立ってきた翁長雄志・前沖縄県知事の県民葬(沖縄県など主催)が9日、那覇市の県立武道館で開かれました。約3000人の招待者と一般参列者が翁長氏との最後の別れを惜しんでいきました。
志位・小池・穀田・赤嶺・古堅氏ら献花
翁長県政を引き継いだ玉城デニー知事は式辞で、オスプレイ配備撤回で県民の心を一つにしようと取り組み、知事就任後は辺野古埋め立て承認の取り消しなど、あらゆる手法で新基地反対を貫いてきた翁長氏について、「国と対峙(たいじ)しながら民意を訴え続け、多くの県民の共感を得た」と評価。「翁長さんの遺志を引き継いで、生まれてくる子どもたち、明日を担う若者たちに、平和で豊かな誇りある沖縄を託せるよう、一丸となって努力する」と述べ、「オール沖縄」県政の発展を誓いました。(詳報)
翁長氏の盟友である呉屋守将・金秀グループ会長は追悼の辞で、「沖縄は翁長雄志というリーダーを失ったが、あなたの遺志を受け継ぐ新たな知事が誕生した。民意を受け、誕生した知事の下でも(基地問題で)厳しい状況は続くだろうが、われわれはあなたの思いをしっかり受け止めて歩んでいきます」と決意を述べました。
城間みきこ・那覇市長も「基地負担のない平和な沖縄を実現する前にたおれたのは無念でならない。しかし、平和な沖縄を守るため、県民は立ち上がり、さらなる大きなうねりがおきようとしています。あなたが守ろうとした沖縄の平和のために、私たちも力を尽くします」と述べました。
一方、安倍晋三首相の式辞を代読した菅義偉官房長官が「沖縄の基地負担」に言及し、「沖縄に大きな負担をかけている現状は是認できない。政府としてできることはやる。基地負担の軽減で結果を出す」などと述べると、一般参列者から、「うそつき」「帰れ」など、激しい怒号が飛び交いました。菅氏は無言で沖縄を後にしました。
各党代表や与野党の国会議員も参列。日本共産党から志位和夫委員長、小池晃書記局長、穀田恵二国対委員長、赤嶺政賢衆院議員、古堅実吉元衆院議員らが参列し、献花しました。
翁長氏は1950年、旧真和志村(現・那覇市)で生まれ、那覇市議、県議、那覇市長を歴任。自民党県連の要職にありましたが、辺野古新基地反対を掲げて「オール沖縄」の先頭に立ち、2014年11月の県知事選で、現職の仲井真弘多氏に10万票の大差で圧勝。今年8月8日に膵(すい)がんで急逝しました。