2018年8月23日付
化学メーカー、新日本理化の徳島工場で発がん性物質「オルト-トルイジン」の製造作業を担当し、ぼうこうがんを発症した元労働者が労災申請していた問題で、徳島労働基準監督署は21日、元労働者の労災を認定しました。
元労働者は16年、ぼうこうがんを発症し、手術を受け、労災を申請。徳島工場で働いていた退職者らは17年1月、「職業がんとたたかうオルト-トルイジンの会」を結成し、労災の早期認定、健康障害防止対策などを求めていました。
オルト-トルイジンをめぐっては、日本共産党の小池晃参院議員が16年5月、厚生労働委員会で、三星化学の福井工場で働き、ぼうこうがんを発症した労働者の労災認定と、化学物質を扱う職場の実態調査の実施などを要求。厚労省は同年6月、検討会を設置し、同年12月に化学工場の労働者7人について、オルト-トルイジンを原因としたぼうこうがんを初めて労災認定しました。
新日本理化の問題では、小池氏が今年6月に演説会で徳島市を訪れた際、「会」のメンバーが支援を要請。小池氏は厚労省に対し、因果関係は明確だとして、速やかに労災認定をするよう求めていました。
厚労省によると、17年にオルト-トルイジンの特殊健康診断を受けたのは1000人超で、全国で同様のケースがあるとみられます。
「会」代表委員の川上健司さんは、「小池議員には、早期認定に支援いただき本当に感謝しています。会員は職場から何も知らされず、いつ発症するか不安な毎日です。認定を出発点に、職業がん根絶へ力を合わせたい」と語っています。