赤旗2018年7月26日付
厚生労働省は25日、いくら働いても一定時間しか労働時間と認めない「企画業務型裁量労働制」について、業種別の届け出件数と対象労働者数を初めて公表しました。違法適用が問題の「金融・広告業」が届け出の48%と半分近くを占めるなど徹底した実態調査の必要性を示しています。実態公表は、日本共産党の小池晃書記局長(参院議員)が3月に国会質問で求めていたものです。
届け出総数3090件のうち金融・広告業が1484件とトップで、製造業が790件と続いています。対象労働者も7万4299人のうち金融・広告業がトップで2万8793人、38・7%で、2位の製造業2万4548人とあわせると7割を占めています。
長時間労働者への「健康確保措置」の実施状況も公表。産業医の面談68・3%、健康診断40・7%となっており、長時間労働の広がりを示しています。
金融・広告業では、小池氏が、損保ジャパン日本興亜が一般営業職に裁量労働制を違法に適用していることを告発していました。
「働き方改革」一括法では、企画業務型裁量労働制の対象を拡大し、定期的報告もなくす予定でしたが、労働時間データのねつ造が発覚して削除されました。しかし、経団連は「早期に法案提出」を求めています。
対象拡大などとんでもない
小池晃氏の話
金融・広告業は、私の質問で違法行為があると追及した業種であり、それが届け出の約半分を占めていることは驚きです。徹底した調査が必要です。対象拡大などとんでもありません。違法行為の是正など現行制度の厳守こそやるべきです。