赤旗2018年7月23日付
22日、沖縄県浦添市で開かれた「翁長知事激励、統一地方選躍進をめざす集い」での日本共産党の小池晃書記局長の訴え(要旨)を紹介します。
辺野古埋め立て 承認撤回は当然
沖縄のみなさんが何よりも求めているのは、人間らしく尊厳をもって生きることであり、命には本当に深い、誇るべき価値があるという、それが「命どぅ宝」。私の大好きな言葉です。
しかし、米軍犯罪が繰り返され、基地建設が強行されています。憲法9条が打ち捨てられ、個人の尊厳が踏みにじられています。
46年前、沖縄県民が強く求めた復帰の原点は、日本国憲法による基本的人権と、基地のない平和な島の実現でした。これは党派を超えた県民の願いであり、「オール沖縄」の源がここにあるのではないでしょうか。(拍手)
その願いを日本共産党の24人の候補に託し、来年の参院選では比例代表で7議席を勝ち取り、仁比聡平さんを三たび、国会へ送ってください。沖縄選挙区ではオール沖縄の勝利を必ず勝ち取ろうではありませんか(拍手)。市民と野党の共闘、オール沖縄の勝利、日本共産党の躍進で自民公明と維新を少数に追い込み、安倍政権を打倒しようではありませんか。(力強い拍手)
住民の命も暮らしも無視する安倍政権。その最たるものが沖縄への対応ではないでしょうか。米軍基地を押しつけ、基地の危険を放置し、新基地建設を強行。ましてや辺野古での土砂投入など許されません。
翁長雄志知事は近々、辺野古の埋め立て承認を撤回すると思います。知事選挙や国政選挙で繰り返し示された「辺野古移設反対」の民意に沿った当然の決断ではないでしょうか。われわれ日本共産党は、知事の決断を断固支持します。(力強い拍手)
安倍政権はこれにこたえて土砂投入をやめ、ただちに辺野古新基地建設を中止すべきです。(拍手)
米兵の犯罪や米軍機の事故が繰り返されています。政府は「普天間基地は市街地の真ん中だから危険。海辺の辺野古に移せば安全」と言ってきましたが、米軍機の事故は沖縄全域で起こっています。そして事故を起こした米軍機は、すべて普天間所属の海兵隊機です。沖縄のどこであっても、危険な基地が沖縄にある限り、県民の命もくらしも守れないのは明らかです。
重さ7・7キロの窓枠が落下した普天間第二小学校では、校庭の使用を再開した2月13日から、1学期が終了した7月20日までに、児童の避難は何と661回。多い時で1日29回におよんでいます(どよめき)。まるで戦争中の空襲警報です。
普天間飛行場返還で日米が合意したのは22年前の1996年です。それがなぜ1ミリも動かなかったのか。「県内移設」という条件付きだったからです。
今も子どもたちを苦しめる沖縄の22年間のこの現実は、アメリカ言いなりの基地たらいまわしが、完全に行き詰まっていることを示しています。(拍手)
海兵隊の基地は、辺野古であれ、どこであれ、住民を苦しめることに変わりはありません。だから、閉鎖・撤去しかありません。
翁長県政守れば 新基地つくれず
政府は「護岸工事は順調」といいますが、実際には行き詰まっています。辺野古先の南側、浅瀬の区域だけで、大浦湾側の深場の工事はほとんど着手されていません。
なぜそうなっているのか。一つは沖縄県民の不屈のたたかいです。もう一つは、政府がひた隠しにしてきた大浦湾側の超軟弱地盤の存在です。豆腐かマヨネーズのような地盤で、巨大なケーソンを投入したらズブズブと沈み、傾いてしまいます。大規模な地盤改良工事がどうしても必要で、知事から設計変更の承認を得る必要があります。そして知事は、これを断固拒否するでしょう。(拍手)
辺野古に立地する条件そのものにかかわる高さ制限の問題もあります。米国防総省の基準では、辺野古の規模の基地周辺には標高55メートル以上の建物があってはなりませんが、国立沖縄高専や久辺小学校、中学校、沖縄電力の送電線、さらに辺野古弾薬庫も高さ制限を超えています。米軍の基準違反の基地建設を強行するなど断じて許されません。
県知事選挙で翁長県政を断固守り、発展させることができれば、辺野古新基地は絶対に造れません。「勝つ方法はあきらめないこと」。これを合言葉に、翁長知事の不退転の決意を断固支持して、たたかおうではありませんか。(力強い拍手)
北東アジア平和協力構想拠点に
みなさん、世界も大きく動いています。6月12日、米朝首脳会談が行われました。米国と北朝鮮が、史上初めて、首脳会談を行い、朝鮮半島から核兵器をなくし、敵対から友好へと転換させる。日本共産党はこれを心から歓迎しました。朝鮮半島での平和のプロセスが成功し、朝鮮半島での対立が解消し、平和な北東アジアがつくられれば、在日米軍や日米安保条約の存在意義も、根底から問われます。(拍手)
日米が普天間基地返還で合意した当時の米国防長官、ウィリアム・ペリー氏はこう述べています。「北朝鮮の脅威がなくなれば、在日米軍、特に普天間基地に駐留している部隊の存在理由が完全になくなりうる」
朝鮮半島の平和の激動、北東アジアの平和への展望は沖縄発展の大チャンスです。(拍手)
日本共産党は「北東アジア平和協力構想」を提唱しています。沖縄「慰霊の日」に翁長知事は「かつて沖縄は『万国津梁(しんりょう)』の精神でアジアの国々との交易や交流を通じ、平和的共存共栄の時代を歩んできた歴史がある」と述べました。平和・友好の翁長県政の発展で現代の万国津梁を実現し、沖縄を北東アジア平和協力構想の拠点にしようではありませんか。(力強い拍手)
翁長県政のもと 経済は上向きに
みなさん、沖縄の経済はどうでしょうか。翁長県政のもとで、沖縄経済は上向きに発展し、県内総生産も県民所得も増え、観光客は過去最高になっています。翁長県政は、これを県民の所得やくらしの向上、正規雇用の拡大・安定にいかしてきました。県は、2022年度からの次期振興計画「新沖縄発展戦略」を検討しています。
ところが、上向いた沖縄の経済を壊そうとしているのが安倍政権です。
来年10月に消費税を10%にしようとしています。とんでもありません。消費税8%で家計消費は1世帯当たり月3万円近く減りました。こんなときに消費税を10%にしたら、くらしも経済も壊滅してしまいます。増税するなら、「アベノミクス」でさんざんもうけた富裕層ではありませんか。(拍手)
安倍政権は本当にひきょうなやり方をしています。今年度予算では、沖縄振興交付金は1188億円と史上最低で前年比149億円の減となりました。
一方で、米軍再編経費は、辺野古への新基地建設工事が本格化するなかで大きく増え、今年度予算で2161億円に達しました。これでは、減らした振興予算を米軍にくれてやったようなものです。あまりに露骨で、大人げない仕打ちです。
こうした政府の理不尽な攻撃にも負けず、翁長県政はがんばっています。子どもの貧困対策では、10月から6歳までの医療費が窓口無料になります。今年度から小学校の全学年が少人数学級となり、返さなくてもよい給付型奨学金制度が創設されました。
翁長知事は、就任後すぐに、本格的な子どもの貧困実態調査を全国で初めて行いました。その結果、子どもをもつ世帯の29・9%が貧困ライン以下で苦しんでいることが明らかになりました。
調査結果を受け、なんとしても貧困の連鎖を断ち切り、次の世代の沖縄を担う人材育成にとりくむという知事の固い決意のもと、県庁に「こども未来政策課」を立ち上げ、給付型奨学金事業、高校生などへの通学費負担軽減措置など、こどもの貧困に立ち向かう施策を実行しています。
宝の共産党議席 24人全員当選を
日本共産党は、県内議員数が46人で第1党です。女性議員数も13人で第1党です。(拍手)
草の根での共同を大事にし、各議会で知事を支える決意を表明し、建白書実現などの議会決議・意見書採択の先頭に立ってきました。辺野古の現場で抗議活動を住民とともに続けてきました。
「今日食べるものがない」と飛び込んでくる人、生活保護やサラ金問題など、毎日のように持ち込まれる相談に、親身になって一緒に解決してきました。
共産党地方議員の生活相談は住民の命綱、現代の駆け込み寺です。この大事な宝の議席、何としても24人全員当選を勝ち取るよう、どうかお願いいたします。(拍手)