赤旗2018年6月27日付
日本共産党のインターネット番組「とことん共産党」は25日、政治学者の白井聡・京都精華大学専任講師を迎え、「どこまで続くアメリカ従属 安倍政権」をテーマに、司会の小池晃書記局長、朝岡晶子さんと、安倍政権の異常な対米従属について語り合いました。ツイッターでは「歯に衣着せぬ語り口、気持ちよし!」など、反響を呼んでいます。
冒頭、白井氏はベストセラーになっている最新刊『国体論 菊と星条旗』について、「いまなぜ国体論か」との質問に答えました。白井氏は、戦後日本の対米従属について、戦前の天皇制が日本を一つの家に見立て、天皇を家長、国民を赤子(せきし)に例えて軍国主義を進めた「国体」に似ていると指摘。最近の米朝関係でトランプ米大統領が発言を二転三転させても、そのつど安倍首相が「100%支持する」と繰り返したことに触れ、「米国が戦前の天皇のように日本の上に君臨している。安倍政権はとくにそれが顕著だ」と強調しました。
小池氏は「日本共産党は、現在の日本を高度に発達した資本主義国でありながら世界でも異常な対米従属国としている。大本にある日米安保を廃棄し、対等平等の日米友好条約締結を提案しています」と答えました。
白井氏は小池氏に、共産党の一貫した対米従属の見方について「ゆらがなかったのはすごい。なぜ貫けたのか」と質問。小池氏は「綱領の立場だからです。資本主義の枠内で民主主義革命を進める上で、対米従属を根本問題として捉えている」とし、「ここがなくなったら共産党でなくなる」と説明しました。
白井氏は「それが理論に基づく現実の認識の力、理論の強さだ」と述べました。
また、小池氏は、安倍政権が立憲主義破壊と国政私物化を表裏一体で進めたとする「赤旗」の特集記事(18日付)に白井氏が登場したことを紹介。
白井氏は「日本国と日本国民の生命、財産も私物化しているのが安倍政権だ」と批判。政権打倒に向け、「野党共闘で、自民党政権の対米従属に根本的な否定を突きつけてほしい。共闘の原理を議論し、強化してほしい」と要望しました。
小池氏は、「(市民と野党の共闘が廃止を求める)安保法制は、米国の要請に基づく日米共同作戦のための法整備だ。対米従属の対抗軸を持つことは重要だ」と応えました。
白井氏は、米朝首脳会談を受け、「トランプ大統領の下で対米従属の問題点が表に出てきた。朝鮮半島で平和が実現すれば、在日米軍駐留の大きな目的の一つが消え、安保条約の存在意義もゆらぐ。共産党が原理的に主張してきたことがますます有効になっている」とエールを送りました。