赤旗2018年5月9日付
7日放送のTBSラジオ番組「荻上チキ Session―22」が、日本共産党の小池晃書記局長の参院予算委員会での質問(3月2日)を取り上げ、安倍政権が成立を狙う「働き方改革」一括法案の「高度プロフェッショナル制度(残業代ゼロ法案)」を批判しました。
番組では、労働問題に詳しい佐々木亮弁護士が「高プロ制度」を解説。年収1075万円程度や本人同意などの条件を満たして対象となった労働者は、労働基準法が定める労働時間、休憩、休日および深夜の割増賃金に関する規定から適用除外となることを受け、佐々木氏は使用者が「1日24時間働け」と命令することも「理屈上は可能だ」と強調しました。
司会の荻上氏は「どう歯止めをかけるのかが国会の場」と前置きし、小池氏が予算委で「4週間で最初の4日さえ休ませれば、あとの24日間は休日も含めて24時間働かせることが論理的に可能だ」と加藤勝信厚労相に迫る様子を紹介しました。
小池 104日間除けばずっと働かせることができる。計算すると6000時間超えますよ。これ排除する仕組みが法律上ありますかと聞いている。
加藤 働かせるということ自体が、この制度になじまない。いま委員がおっしゃったことにはならないだろうと思う。
その後、加藤厚労相は小池氏の再三の質問に「それ自体を規制するという規定はありません」と認めました。
これを受け、出演した法政大の上西充子教授は「なじまないとか言っても法律上できるわけですよ。そもそも残業という概念がなくなる。小池さんが言う『異次元の危険性』ということを私たちは認識する必要がある」と述べました。
佐々木氏は「加藤大臣が小池議員の追及に正面から答えずはぐらかすのは、この制度がとんでもないものであることを裏付ける」と批判しました。