日本共産党 書記局長参議院議員
小池 晃

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憲法施行71周年にあたって/日本共産党書記局長 小池晃

2018年05月03日

赤旗2018年5月3日付

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(写真)小池晃書記局長

 一、今年の憲法記念日は、安倍首相が9条改定にあくまで執念をみせる一方、安倍政権のもとでの憲法改悪を許さないという国民多数の世論が高まるなかで迎えた。

 自民党は、先の党大会で、9条2項の後に、「前条の規定は、自衛の措置をとることを妨げるものではない」として、自衛隊を明記する条文案をまとめた。「自衛の措置」には集団的自衛権が含まれる。まさに、9条2項が死文化され、無制限の海外での武力行使まで可能にするもので、到底許されるものではない。

 安倍政権は、違憲の戦争法=安保法制を強行し、政府も憲法上認められないとしてきた空母の保有を検討し、長距離ミサイルを導入して敵基地攻撃能力保有にまで踏み出している。その一方で、南スーダンやイラクの「日報」を隠ぺいし、海外での自衛隊の活動、「戦場の真実」を隠し、シビリアンコントロールも大きく崩されている。この政権のもとで憲法9条を変えることの危険性は明らかである。

 いまこそ、安倍政権による9条改憲の策動をきっぱりと断念させるときである。

 一、憲法記念日の直前となった4月27日、韓国と北朝鮮との南北首脳会談が実現し、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築に向けた画期的な第一歩を踏み出した。これにつづく米朝首脳会談の準備もすすむなか、北朝鮮問題の解決は対話と外交によるしかないし、その可能性が現実に広がっている。

 これに対して、安倍首相は、北朝鮮の核開発は「国難」だとまで言い切って脅威を煽(あお)りつつ、憲法9条改定の必要性と軍事力強化を声高に叫んできたが、こうした対話否定、圧力一辺倒で、主体的な外交戦略のない路線の破たんはいよいよ明瞭となっている。

 今日、対話による平和的解決の歴史的チャンスが生まれているもとで、日本政府に求められているのは、平和憲法を持つ国にふさわしく北東アジアの平和と安定を実現する積極的な外交努力に踏み出すことである。>

 一、いま、国政私物化、公文書の改ざん・隠ぺい・ねつ造、セクハラ問題、幹部自衛官による国会議員への暴言など、安倍政治は底が抜けたような状態にある。安倍政権は、秘密保護法、戦争法=安保法制、共謀罪と、次々と違憲立法を強行してきた。憲法を壊してきた安倍政権に憲法を変える資格も、語る資格もない。

 変えるべきは憲法でなく、憲法をないがしろにした政治である。そのためには、憲法改悪を許さない国民の世論と運動が決定的に重要であり、現在、党派の違いを超えて全国津々浦々で取り組まれている3000万署名が、その最大の力になる。

 日本共産党は、市民と野党の共闘で安倍政権を総辞職に追い込み、安倍改憲の企てを打ち破り、世界に誇る日本国憲法の進歩的な諸条項を生かした新しい日本をつくるために全力をあげる決意である。


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