赤旗2018年3月29日付
日本共産党の小池晃書記局長は28日の参院予算委員会で、森友学園との国有地取引に関する決裁文書改ざん当時、理財局長だった佐川宣寿氏が証人喚問で証言拒否を連発したことについて「疑惑は深まり、国民の不満はますます広がっている」と指摘。佐川氏も「(真相は)明らかになっていない」と述べているとして、真相解明のためにさらなる関係者の証人喚問を行うよう求めました。
小池氏は、改ざん前の決裁文書では2015年1月9日に近畿財務局が森友学園を訪問し、国有地の貸付料を提示した事実が記載されているのに、佐川氏が国会で否定し、喚問でも「各原課で答弁書をつくり、そういうものを基本に答弁した」と責任を部下に押し付けたことを指摘。「理財局の担当部局は、決裁文書と正反対の答弁書をつくったのか」とただしました。
財務省の太田充理財局長は「(佐川氏が)きちんと答弁できなかったことはおわびする」としつつ、「答弁書をつくるときは、過去の答弁や細かい事実関係を確認しているので、決裁文書だけとらえて責めるのはきつい」などと答弁。小池氏は「決裁文書を無視して(答弁書を)書くのか。明らかに虚偽答弁だ」と批判しました。
さらに、小池氏は森友学園側との面会記録は「破棄した」という佐川氏の国会答弁について菅義偉官房長官が昨年2月24日の記者会見で問われ、「(面会記録の保存期間は1年未満だが)決裁文書は30年間保存している」「そこにほとんどの部分が書かれている」と述べたことをあげ、「決裁文書にどう書かれているかを確認せずに(会見で)答えたのか」と迫りました。
菅官房長官は「財務省の一般文書の管理規則について言った」「決裁文書の内容はまったく知らなかった」などと弁明。小池氏が「ありえない。知っていたのではないか」と指摘し、「財務省理財局は官房長官の会見前に、決裁文書を当然確認しているはずだ」とただすと、太田理財局長は「調べる」と答弁。小池氏は「財務省の内部調査で問題は解決しない」と指摘しました。
首相 しどろもどろ
昭恵氏 名誉校長は“モリカケ”
小池氏は、安倍首相が「妻が名誉校長を務めているところはあまたあるが、今まで行政等に影響を及ぼしたことはない」と答弁していることについて、「昭恵氏が名誉校長を務めているのは、どこの学校か」とただしました。
安倍首相は、昭恵氏が名誉職に就いていた団体は「55件だ」と答弁。しかし、そのうち名誉校長、名誉園長だったのはどこかと問われると、しどろもどろになり、加計学園が運営する御影インターナショナル子ども園と森友学園が開校予定した瑞穂の国記念小学院の名前をあげて、「二つあった」と答えました。
小池氏は「“モリカケ”ではないか。何が『行政等に影響を及ぼしたことはない』だ。反省がまったくない。国政調査権の発動が必要だ」と述べ、国会による真相解明を強く主張しました。